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ハアー? 33秒6!? マジGIで~??

081007  それは目を疑うようなことでした。
日本一の短距離王者決定戦、第42回GI「スプリンターズS」。好スタートを決めたスリープレスナイトの内から、しごいてしごいてウエスタンビーナスが強く逃げを主張。これを見て2、3番手のエムオーウイナーとビービーガルダンが、ウエスタンに競りかけず、直後で抑える形。それでも速いだろうと思ったところ、なんと前半3ハロン、600m通過が33秒6なのです。
 ハアー? マジ!? GIで~?? 33秒6ですか! これは条件戦なの? 良馬場だよね。通過ラップが間違えていない?「オソーイ!!」GIの短距離決定戦が1,000万クラス並に遅いペース。本当に双眼鏡を覗いて目を疑いました。
 オイオイ、開幕週だとはいえ、2日目の京成杯オータムハンデ(芝1,600m)で、逃げたゴスホークケンが32秒8だよ。半マイルなんか44秒0。スプリンターズSの半マイルが45秒0だから、スプリンターズSとしては遅いくらいの流れ。この時点で、後方待機馬はほとんど無理。絶好の位置取りで手応え抜群だったスリープレスナイトが、突き抜けてしまいました。ラスト3Fが33秒9。文句なしです。
 CBC賞を4番人気で快勝したときに、私は芝でも対応できると断じて、自信の◎だったのですが、当時からまた一段とパワーアップした印象です。
また、キンシャサノキセキは、またしても2着。GIに手が届きそうでなかなか掴みきれません。前走のキーランドSの失敗から、今回はもっと積極的に動くとみていたのですが、やや消極的過ぎた感じです。器用貧乏という言葉がありますが、キンシャサノキセキは、その枠に入りつつあります。
 4着のスズカフェニックス。この前残りの流れで後方14番手では、スリープレスナイトと同じ末脚を駆使しても、4着がいっぱいだったような気がします。
当日、5番人気から3番人気に急激な売れ行きを見せたファイングレイン。内枠をあまりにも意識した幸騎手が、手綱をしごいて行こうとしたことで、馬が中団でもまれ、折り合いを欠くシーン。待機しても今回の流れでは無理だったような気もしますが、スズカフェニックスと、キンシャサノキセキの着差が首・半馬身。この仲間には入れたかなと思います。それにしても、幸騎手と中山コースは相性がどうもよくないです。今回でもそれがよくわかりました。
 それにしても、上村騎手が苦節17年目でのGI制覇。インタビューでも涙涙・・。イベントでもまた涙。万感胸に迫るものがあったのでしょう。この日は橋口調教師の誕生日と重なり、二重の喜びとなりました。
 イベントで直接、橋口師に今後の予定を振ると、スリープレスナイトはこれからも芝を中心に路線を組んでいくとのことです。ダートのスリープレスナイトも見たい気もするのですが、まずは思い出深いスプリンターズSとなりました。

神戸新聞杯のラスト12秒6は、ナナナなんだ!??

 大きなウエイトを占める菊花賞トライアル「神戸新聞杯」は、ダービー馬で1番人気のディープスカイが優勝。ダービー3着のブラックシェルの猛追を首差振り切りきりました。
 ディープスカイはこれで4連勝。菊花賞に王手をかけた形ですが、一応、距離を考えて古馬が相手でも天皇賞・秋を視野にいれているとか。神戸新聞杯のディープスカイの勝ちタイムが2分25秒3。昨年のドリームジャーニーの2分24秒7の時計より0秒6も遅い時計。これは、前半のペースが大きく左右していたと思われます。
 つまり、昨年のドリームジャーニーのときは、半分の前半1,200m通過が1分11秒3。今年は1分13秒7。このペース、流れの違いが結果に大きく結びついているように思います。要するに、今年の流れは大変なスローペースだったということです。
 であるならば、ドリームジャーニーのラスト34秒5に対して、ディープスカイが35秒1。いったいこれは、どういうことなのでしょうか? 流れが速かったほうが、ラストのタイムが速いのです。
 ディープスカイは四位騎手が抜群の位置取り、仕掛けも満点で優勝に導いた会心のレースだったはずです。終始、中団の経済コースを走らせて、4角手前で外に出す。まさに心憎いプレー。ところが、スローペースなのにラスト1ハロンで12秒6も要しているのです。これはどういうことなのでしょうか。
 この失速気味のディープスカイ。それが、ブラックシェルに首差まで詰め寄られた要因だったように思います。しかも、体重がダービー時よりマイナス6K。完璧に仕上げてきました。この着差は他の馬と能力差がないことを言い表わしているように思います。
 間を掻き分けるように伸びてきた2着馬、ブラックシェル。春の末脚が再び火を放ちそうです。
驚いたのは3着オウケンブルースリ。3角ラストに位置、直線では最後方にいながら、直線では1頭抜きん出た脚色で、グイグイ伸びてきました。キャリア6戦、バテつらい・能力から、いかにもマラソンレースの菊花賞向き。トライアルで差のない4着。大きく変わりそうです。