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JC好走組の有馬凡走は蓄積疲労!

 有馬記念。その瞬間、そう、ほんの僅かな一瞬、中山競馬場は水を打ったような静けさになりました。
 マツリダゴッホが優勝したのです。9番人気でした。もちろん、マツリダゴッホが優勝したことに、驚いたファンの方がいたと思います。それよりも、それ以上に1番人気、2番人気、ファン投票1番人気の馬たちが総崩れ。あまりにも走らなさすぎたことにショックを受けたファンの方が多かったようです。
 有馬記念で単勝2・4倍。断然人気のメイショウサムソンは武豊騎手を配してきたにもかかわらず8着と惨敗。とくに不利らしい不利もなく、直線は前を捉えようとする脚もなく、ただただ疲れきった選手のように、8番目でゴール。敗因は何か、高橋成調教師はレース前、報道のコメントで「きっちり仕上げられた。レースで思う存分走って欲しい」と。
 それなら何故、8番目だったのか。私はメイショウサムソンの敗因は、2つあると思います。ひとつは昨年の有馬記念で5着。4角で大きな不利があったドリームパスポートに突き放されたように、寒季はよくないように思います。
もう1点はサムソンが疲れきった蓄積疲労によるものだと思います。前走のジャパンCで圧倒的な人気で3着。内から抜け出したアドマイヤムーンを追って、ゴール寸前で一瞬2番手、その内から馬群を割ってポップロック。その外へ後方からウオッカ。激しい叩き合い、凄いデットヒート。サムソンはデビュー以来2度目のラスト33秒台。昨年のジャパンCよりも時計を1秒2も更新する激アツ走。これで有馬記念に臨んでくることが、正解なのかどうかはわかりませんが、このジャパンCの蓄積疲労が出たことにより、それがこの結果に繋がったと私は見ています。
そもそも、サムソンは春の天皇賞で優勝したとはいえ、エリモエクスパイア、トウカイトリックといった程度のクラスの馬と、鼻・首差だったわけで、秋の天皇賞は2着以下が大きな不利を受けたレース。武豊騎手の腕で勝った、といっても過言ではありません。それゆえ抜けた馬ではないのです。

疑問!体調は本当にわかっているのか?
さて、ファン投票1位のウオッカ。なんと11着と大惨敗。ファンの悲鳴が聞こえるようでした。私に言わせれば、これもジャパンCの疲れによる凡走だと思います。ダービー優勝とはいえ3歳の牝馬。かかる負担は想像以上だったように思います。それに大きな走法から中山は明らかに不向き。
レース前の関係者のコメント「精神面で本当に成長しているし、すべて順調。この秋一番のデキといえます」が、なんとなく空しい。日々、担当する馬を見ている関係者にも、本当の体調はというのは、わかりづらいのかも知れません。
それにしても、このウオッカ、ダービーで最高のパフォーマンスを披露したあと不運続き。究極はなんの意味があったのかわからない宝塚記念の無意味な1戦がありました。あのあとから歯車が空回りしているように思います。
 優勝したマツリダゴッホは、中山の2500mが最適だったことと、ラッキーな雨で馬場がマツリに向いたこと。蛯名騎手が3番手に付けたら、流れが前残りになったことも幸運。ジャパンCで15着。レースをしていないことも結果的にプラス。昨年暮れの中山から連勝。AJCCでは5馬身ちぎる優勝。寒い時季は強い馬なのでした。
2着のダイワスカーレットはチョウサンに外から行かれたときに、口を割り、難しい面を見せましたが、初めての中山、初めての2500mでこの快走。3歳牝馬、素晴らしい馬です。同様に、スカーレットの兄ダイワメジャー。いつもより消極的なレースながらしぶとく3着。見事なラストラン。拍手拍手です。
ダイワメジャーの引退式で上原師とばったり。「3着だけどよく走ってくれました。彼のような馬を、また作らないと、食べていけないから」と、皮肉も忘れませんでした。
で、私の本命ラインは◎ロックドゥカンブ、○ポップロック。4着、5着でした。ロックドゥカンブは、キネーン騎手が大事に乗りすぎた印象があります。ダイワメジャーを目標に乗ったそうです。メジャーがもっと前に行くと考えたのでしょう。それでも、後方から直線よく伸びてきました。3歳馬、立派です。
ポップロックも中団で折り合っていましたが、もう少し位置取りが前々でも良かったように思います。
また、復活を期待していたドリームパスポートは4角で躓く不利。昨年と同じ場所で同じ不利を重ねてしまったようです。この件と高田騎手を乗せたことからか、ドリームパスポートは馬主側の強い要望により関東の稲葉きゅう舎に移籍。まさに人生の縮図をみているようです。

ここが不安だ、有馬記念有力馬!!

アベコーの有馬記念いんふぉめーしょん(^o^)/

☆「有馬記念予想検討会」☆
 JRA関東広報コーナーで12月21日(金)「有馬記念検討会」があります。
 内容はステップレースの映像を見ながら検討、また有馬記念出走馬の調教状態。そして有馬記念の予想と、他のレースの特注馬。最後にファンの皆さんからの質問コーナー等、この私、不肖、アベコーがお答え致します。
 何かすごいプレゼントも用意しているそうです。お時間がある方は是非ともお立ち寄り下さい。ただし、定員が80名様限定。先着順だそうです。
場所は新橋駅近くのJRA新橋分館1F  TEL03-3434-2620
時間は18時から19時まで   アシスタントは小島友実さん

☆「ファイナルドリーム2007 IN ウインズ後楽園」で有馬記念検討会
 有馬記念当日の12月23日(日)に、ウインズ後楽園で有馬記念の検討会があります。
時間は午前11時40から12時30分くらいまで。
 なお、この日は、有馬記念ファン投票の人気上位10頭をパネルで展示。それを来場されたファンで馬券を500円以上買われた方に、抽選で10枚プレゼントという競馬ファンには嬉しいニュース。是非ゲットして下さい。
 出演は私アベコーと、須田鷹雄さんとタレントの黒崎リコさんです。

01 今年もいよいよファイナル、グランプリ「有馬記念」です。昨年のあのディープインパクトの伝説の快走劇から早1年を迎えました。今年は昨年と異なって強力な主役が不在。そんな中でファン投票1番人気を獲得したのは、3歳牝馬のウオッカ。同期GI3勝のダイワスカーレットを抑え、今年の春秋・天皇賞を制覇したメイショウサムソン、昨年の有馬記念3着、GI5勝のダイワメジャー等の古豪も抑えてファン投票トップ。3歳春のクラシック以降、1勝しかしていない馬がファン投票1位に推されるのも大変珍しいケースです。
 とはいえ、その1勝が歴史を書き換える日本ダービーの圧勝劇。ラスト3Fが33秒0の神業的破壊力。牝馬3歳、64年ぶりの偉業でした。それゆえ、この強烈なインパクトはファンに定着。何のための出走だったかわからない宝塚記念でさえ堂々1番人気。当然、秋華賞も1番人気。エリザベス女王杯取り消し後のジャパンCこそ、さすがにメイショウサムソンに1番人気は譲ったものの差のない2番人気。
 ところが、成績は8、3、4着。期待を裏切る結果となっています。それでも、今度こそ、と思わせるものは、ダービーでの最高のパフォーマンスと、次に期待を持たせるようなレースをしているからです。前走のジャパンCでも最後方から、アドマイヤムーン、ポップロック、メイショウサムソンの外からグイグイと詰め寄ってみせたのです。頭・首・1馬身差の4着。これを復調の一戦ととらえると、十分勝算の圏内なのですが、逆な見方をすれば、ジャパンCは走りすぎた、無駄な4着力走だった、という考え方もあるのです。
 私も後者の見方をしています。その年の有馬記念は、いかに疲れを残さずにグランプリを迎えることができたか、だと思います。まして、ウオッカは3歳牝馬、古馬の牡馬よりも疲労の度合いは大きいはずです。
02  ちなみに、昨年の優勝馬ディープインパクトは直前のジャパンCが2分25秒1、ラスト33秒5で、ドリームパスポート以下に2馬身差。全体の時計は今年のウオッカよりも遅く、ラストはウオッカと同じくらい。となると、やはり、ジャパンCを走りすぎによる疲労が気になるところです。また、初めての中山コース、フットワークの大きな馬ゆえに広い東京向きなことは間違いありません。
 さて、馬連などの馬券はこの馬から売れるかも知れないと思うのが、武豊騎手騎乗のメイショウサムソン。ただ、前走のジャパンCで首差3着なのですが、あの着差は2着ポップロックも伸びていることから変わることがなかったと思います。春の天皇賞でエリモエクスパイア、トウカイトリック、アイポッパー相手に、鼻・首・半馬身差。いかにも相手に恵まれながら大接戦。また、秋の天皇賞では2着以下のほとんどの馬が大きな不利があったもので、武豊騎手の好判断によるところが大。
 昨年の秋、レコード決着の菊花賞で離された4着。ジャパンCがフサイチパンドラに先着を許す6着。そして、有馬記念が5着。大崩れはないものの何か強烈なパンチ力に欠ける印象があります。また、一方で寒い時季はよくないのかも知れません。武豊騎手の手腕でどこまで不安をクリアできるのか、という見方をしています。
 また、ダイワスカーレット、ダイワメジャーの偉大なる兄弟対決。各有力馬が早目、早目に動く中で、どうしても距離と展開上の不安が残ります。
 私にはドリームパスポート、ポップロック、ロックドゥカンブの3頭が大いに食指が動きます。