22日、東京競馬場。最終レースが終了。スタンドのファンは何かを待ちかねているように、固唾を呑んで、そのときを待っていました。
と、突然、東京競馬場のGⅠ入場ファンファーレ。すると、スタンドは大歓声のうず。過去の歴史の1ページが再現されようとしているのでした。
東京競馬場グランドオープンを記念して「ジョッキーマスターズ」芝1600m。過去の日本ダービー、オークスで優勝した引退ジョッキーによるマスターズ。
横山典騎手、後藤騎手、元騎手の細江純子さんが誘導馬で登場し、実に粋なはからい。
この日ばかりはオークス3勝、ダービー1勝の岡部幸雄騎手を筆頭に、オークス2勝、ダービー1勝の河内洋騎手。そして加藤和宏、中野栄治、根本康弘、安田隆行、的場均、松永幹夫、本田優の9人の各元ジョッキー。それぞれが、緊張感と最高の競馬場に招かれて、再びレースに乗れるという充実と名誉。本馬場に登場してきたそれぞれの騎手は、凛々しく、大きな存在感を放っていました。それが往年のファンにはたまらないのです。
騎乗馬は、白井の競馬学校で調整されていた同じくらいの力を持つ馬(元JRA所属)。岡部騎手の馬だけは美浦トレセンに運んで、岡部騎手が自ら調教していたとか。彼のあくまでも遊びではない、妥協しない、という真剣さに改めてプロ魂を痛感させられました。
そして、生演奏によるファンファーレが鳴り響くと、場内は大きな手拍子で最高潮。そして、柴田政人元騎手のスターターの合図で、ゲートが開くと、松永幹夫のモンテサファイヤが飛び出し、快調な逃げ脚。ところが、直線中ほどから、好位置でじっと脚をためていた河内騎乗のゴールデンメドウが、外から力強く伸びた本田騎乗のメイショウモリゾーと、安田騎乗のパスアンドゴーを抑えて優勝。場内は割れんばかりの大歓声。そして勝者の河内騎手に対し、カワチ・コールの大合唱。
競馬はギャンブル? 確かにそうですが、今回の「ジョッキーマスターズ」は、ギャンブルだけでは片付けるこができない、競馬と人のもつ感動やロマン、そして熱い思い出を呼び戻してくれたような気がします。大成功の企画でした。ぜひ、毎年続けて欲しいものです。
写真は左上から松永騎手、加藤騎手、安田騎手、岡部騎手、左下は的場騎手、細江純子さん、根本騎手、根本騎手と番組で競演中の津島亜由子キャスター。
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