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ごうごうと強風が吹く中で沈着な若き獅子の騎乗が光る!!

開幕した春の東京競馬。春うららとは一変した天候に、走っている馬たちがビックリしていたようにも感じました。

ごうごうと内馬場からスタンドに向かって吹く風。つむじ風並みのものすごい強風です。そして直線は真っ白な砂埃で、直接に競走馬、そして騎手を襲います。

しかも、直線は向かい風で、キャリアの浅い3歳牝馬たちには気の毒でした。その3歳牝馬によるオークストライアル「フローラS」。2着以内に入ればオークス優先出走権。優勝したのが4番人気のウインマリリン。絶好の3番枠を引き当てて、当然ながら前に出て行き、直線早めに先頭に立つと、横山武騎手は構わず早めのスパート。そのまま後続の追撃を振り切り優勝。若き横山武騎手は初重賞制覇となりました。

主導権を手にしたのがシャンドフルール。内から好スタートのウインマリリンは直ぐに控えて4番手のインで折り合いに専念。これに2番人気のホウオウピースフル、レッドルレーヴ(3番人気)が好位を形勢。そして1番人気のスカイグルーヴはこれらをマークする形。

その背後に外からショウナンハレルヤとフアナが追走。シャレード、ヴォリアーモも差なく続きます。前半の5ハロンが58秒6。スタート直後は追い風気味でペースに緩みはありません。

4コーナーをまわると、ごうごうと砂塵まじりの強烈な白い強風が馬たちを襲います。逃げるシャンドフルールを風よけにしていたウインマリリンが2番手から、直線で早めに一気に抜け出しました。 そして2番手にレッドルレーヴ、その外からスカイグルーヴが迫って来ました。好位で満を持していたホウオウピースフルは前が開かず追い出しを待たされましたが、ようやく開くとレッドルレーヴと、スカイグルーヴの間から割るようにして伸びます。

その時でした。スカイグルーヴの外からフアナとショウナンハレルヤが肉迫。ゴール前でウインマリリンの外からホウオウピースフル。そしてフアナが猛然と強襲。3頭並んでゴールイン。からくもウインマリリンに栄冠。クビ・クビ差でホウオウピースフル、フアナの順。ショウナンハレルヤが4着で5着がスカイグルーヴ。レッドルレーヴは7着。

ウインマリリンとホウオウピースフルがオークス優先出走権を手にしました。16番枠、直線で前が詰まる不利がありながら、外から迫ったフアナは1勝馬で残念ながらオークス出走は絶望的。また1番人気のスカイグルーヴはマイナス14k。強風もあって小型の馬には応えた印象。

距離的に楽しみにしていたヴァリアーモはスタートで後手。2コーナー過ぎに他馬と接触。馬込みの中でほとんど力を出しきれないままで10着。残念でした。

1、2着した2頭は前半の位置取りが見事。なかでもまた若き獅子、横山武騎手の判断が素晴らしく、見事な初重賞勝ちにつなげました。

 

観衆はいないけれど史上に残る2頭のマッチレース!!

3冠への道、第1関門「皐月賞」。雨上がりの中山競馬場。無観客のスタンド前を走り抜けました。

コントレイルサリオスか!無敗3戦3勝のGI馬の対決。1番人気は2000mのホープフルSを制したコントレイル。そして朝日杯FSを圧倒したサリオスが激突。さて、軍配はどちらに上がるのか。

  日曜日は前日とはうって変わって、暖かな春の陽射しが嬉しい皐月賞日和。とはいっても、前日の大雨で、たっぷりと水分を含んだ馬場コンディション。道悪の適応力が大きな壁となって立ち塞がりました。

  この日、1番人気に推されたコントレイル。鞍上を任された福永騎手は1番枠を引いて、「前に出て行こう、何なら先行してもいい」と、作戦を巡らせていたそうです。

ところが、インサイドの悪い馬場に脚を取られたのか、前に行こうとしないので、中団の後方まで下がる展開となりました。

一方で、3番人気サリオスは好スタートを決めて、スンナリと4番手で流れに乗れました。そして2番人気のサトノフラッグは中団で機を窺う形。外から強引に主導権を主張したキメラヴェリテが、2番手のウインカーネリアン、ビターエンダー以下を、引き離した形で飛ばします。前半の5ハロンが59秒8。この馬場状態(稍重)ですから、緩みないペースです。

4コーナー手前で内からようやく外に出せたコントレイル。先にじわっーと動いたルメール・サトノフラッグに、背後からピッタリと付きます。その内側には抜群の手応えのサリオスが待機。それを追う形で馬込みの中にヴェルトライゼンデ。

そして、4コーナーでは2番手のウインカーネリアンが先頭に立ちます。すかさずサリオスが接近。外から追い出すサトノフラッグ。その外に馬体を併せようとするコントレイルが急接近します。

直線で先頭のウインカーネリアンに外から並びかけようとするサリオス。その外にはサトノフラッグ、そしてその外にコントレイル。

直線中程で抜け出したサリオスに外から馬体を併せて来たコントレイル。それは激しい叩き合いでした。そして追う者の強みか、福永騎手のステッキに応えて、ゴール前で半馬身抜け出したのがコントレイルに軍配。

福永騎手は史上、11人目となるクラシック完全制覇を達成。2着にサリオスで3馬身半離れた3着には中団から直線勝負に賭けたガロアクリークが飛び込んで来ました。

いよいよ次は日本ダービー。コントレイルの2冠目がかかります。一方で、敗れたとはいえ朝日杯FS以来となったサリオス。いきなりの2000mで、かつ初めての中山。そして道悪だったことを考えれば、半馬身差は勝ちに等しい内容です。さすがです。

来る日本ダービーは是非とも良馬場で、そしてスタンドから多くの観衆の喝采を受けて、ダービーを観戦したいものです。