
凄い馬が、当然と言わんばかりに大デモンストレーション。注目の3歳馬による『
ラジオNIKKEI賞』が、今年も福島で行われました。
過去10年で1番人気が1勝だけ。ハンデ頭は2着1回がやっと。まさに波乱の連続だったのです。
そんな中で、今年のハンデ頭はアンビシャス。56.5Kのトップハンデ。単勝2.8倍の圧倒的な1番人気に推されました。2番人気が2戦2勝のレアリスタ。以下、ロジチャリス、ミュゼゴーストと続く人気でした。

主導権を取ったのが前走の
プリンシパルSは大差負けながら、福島の
ひめさゆり賞を逃げ切ったマルターズアポジー。それにミュゼゴースト、ロジチャリス、その横にブランドベルグで外から
キャンベルジュニアも接近。横並びで2番手争いです。
レアリスタは、これらを見る形で中団の内を追走。その外にはグリュイエールが追走。その真後ろのインサイドにアンビシャス。小回りの福島でこの位置は後ろ過ぎしないだろうか。後方にはアッシュゴールドがいます。
前半3ハロンが35秒0、半マイルが47秒3。そして1000m通過が59秒5。超スローではないもののゆったりした流れで進んで行きます。
そして福島の勝負どころの3コーナー。各馬が少し凝縮してきました。ギューッと詰まった4コーナーでは、内から逃げるマルターズアポジーを先頭に、それに並びかけようかというロジチャリス。直後に内からミュゼゴースト、その外に馬体を併せようとブランドベルグ。その外からグラン
アルマダ。

アンビシャスが内から馬群を縫うように先行馬に接近。外には
キャンベルジュニアが懸命に前を追います。その外からレアリスタとアッシュゴールド。
前を追っていたブランドベルグが内からミュゼゴースト、外からグラン
アルマダに挟まれそうになり、馬自身が躊躇する仕草。手前が一瞬、歩様がモタついている間に、直後に迫っていたアンビシャスが、もの凄い勢いで前に出て来ます。そして、一気に外から先頭に立つと、そのまま次元の違う脚色で、あっという間に突き放し3馬身半差の
ワンサイドレース。余裕綽綽でゴールを切るルメール
騎手のアンビシャス。少し水分を含んだ馬場で1800m=1分46秒4、ラスト34秒3。完璧な内容でした。
これで6戦4勝、3着2回。
共同通信杯でリアルスティール、ドゥラメンテに続く3着だったときよりも、グンとパワーアップしたアンビシャス。2000mの
プリンシパルSを快勝したことからも距離は問題なし。中距離路線という見方もあるのですが、ドゥラメンテが不在の
菊花賞。是非とも
菊花賞を睨んで、無事夏を越して欲しいものです。

ミュゼゴーストがマルターズアポジーを捉えて2着。ロジチャリスが4着で、私が狙ったブランドベルグは4コーナーのモタついたぶん5着。それでも直線外から盛り返して2着馬と0秒2差。広いコースでもう一度追いかけたい1頭です。
2番人気のレアリスタはシンガリ負け。最後は流し気味でした。キャリアと小回り、初めての右回り。ラスト33秒台の決め手を見せられませんでした。
5番人気だった
キャンベルジュニアも2戦2勝ながら、初めての右回り、小回りの福島で持ち味を生かせずブービーの15着。夏の成長が待たれます。
