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オークスの結果は出走停止になった馬に起因していた!!
東京GIのファンファーレが場内に響き渡ります。第76回「オークス」は、1頭取り消した(トーセンナチュラル)17頭の精鋭3歳牝馬によって行われました。
圧倒的1番人気に推されたルージュバック、桜花賞で4馬身ちぎったレッツゴードンキが2番人気で続いていました。ともにピカピカの毛ヅヤ。落ちつきがあって上々の仕上がりという印象を受けました。
スターターの旗が振られると同時に、ファンファーレが定刻通り鳴り響きます。スタンド前の輪乗り状態から、まず先入れの奇数番号の馬たちがそれぞれの枠に収まったのが、ファンファーレから1分後。
ところが、1頭だけ17番の馬がゲート入りに手こずらせています。クルミナルでした。なかなか入ろうとしないので、ゲートの前扉が開けられ、ゲート入りを促しますが、これにも無反応で入ろうとしません。
時計の針は刻々と刻んで行きます。奇数番の馬はクルミナル以外すべてゲート入り。やむなく頭から布頭巾で被せられて、尾を池添騎手が持ち上げ、ゲートの前に来てもダメ。ならばと、後ろ向きでゲートに向かうとクルミナルは反抗。そして、クルミナルがゲートに入ったのが、ファンファーレ後、3分15秒という時間をクルミナルのために要しました。
大観衆を前にして、この異常事態に真っ先にゲート入りして、ずっと辛抱させていた奇数番の馬と騎手。進境はいかがだったでしょうか。
定刻を大きく遅れてスタートしたオークス。1番という最内の馬番を引き当てたレッツゴードンキ。スタートでややもたついたスタート。岩田騎手は「今回もこの枠順でしたから、桜花賞のように逃げるつもりでいたのですが、どうもポンと行けませんでしたね」。
外枠のノットフォーマルの黛騎手が主導権を主張。これに内からシングウィズジョイ、それにローデッド、ディアマイダーリンと好位を形成。レッツゴードンキはそれらを前に見てラチ沿いを走ります。岩田騎手は背中を丸くし、手綱を力いっぱい引き、両足を前に突っ張るようにして、ブレーキを踏んでいるような仕草。その外には早くもレッゴーをマークして進むルージュバック。
そして、そのルージュバックをピッタリと直後でマークするクルミナル。アースライズが中団の外を追走。内にはココロノアイ、その直後にミッキークイーン。後方にはアンドリエッテ。私の本命馬です。クイーンズリング、最後方をポツンとキャットコインが追走。
そして勝負どころの3角ではルージュバックがレッツゴードンキの前に入ります。外からクルミナル、直後にミッキークイーンが浮上。アースライズが中団のイン。アンドリエッテはまだ後方。
4コーナーを先頭でまわるノットフォーマル。2番手がローデット、ディアマイダーリンが続きます。その直後にシングウィズジョイの外から抜群の手応えでルージュバックが上昇。外にはクルミナルも接近。内を見るとミッキークイーンがいます。大外に出したのがアンドリエッテ。先頭のノットフォーマルから絶望的な位置。
ジリジリと接近してきたルージュバックが、残り200mでレッツゴードンキがいないのを確認するかのように、一気に先頭に躍り出て来ました。その外からクルミナルが肉薄。そしてミッキークイーンが直線中程で外に出し、ルージュバックに猛然と接近。そしてゴール前寸前で並びかけます。そうはさせまいと懸命に左ステッキ入れる戸崎・ルージュバック。クルミナルが真ん中で遅れます。並びかけたミッキークイーン。追われるものと追うもの。やはり追うものが強く、ミッキークイーンが力強くゴールへ駆け抜けました。
大外からアンドリエッテがグングン肉薄してきましたが無念の5着。アンドリエッテに騎乗した川田騎手は「流れも向かなかったけど、ゲートであんなに待たされたこの娘が可哀想ですよ。もう走る気がなくなったようでゲートから前に進んで行きませんでした」
続けて「まともに上位に来た馬のなかで、奇数番号の馬は僕だけでしょう。それを見てわかるはずです」。9着までに入った奇数番号の馬は2頭だけ。1頭がクルミナルでご迷惑馬でした。
同様に1番枠のレッツゴードンキの岩田騎手も「状態は桜花賞以上のように感じました。今回もこの枠だし、行ければ行こうと思っていたのですが、桜花賞のようなスタートが切れませんでした。道中は力みぱなしでしたね」とコメント。
12着のキャットコインは「ずいぶん待たされて扉を蹴ってしまいました」と柴田善騎手。
オークスの結果を左右した犯人クルミナルは5月25日から6月14日まで出走停止。発走試験を受けることになりました。
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衝撃の2000万円!江田照男も面白いことをやるよな~!!
「江田照男も面白いことをやるよな~。でも、競馬はこういうのがないと、つまらないよ。ね、そうでしょう。阿部さん!」と、GI連勝中の横山典弘ジョッキー。
5月17日、東京競馬場、15時45分。この日、場内アナウンスに驚きの声、悲鳴にも似た声が駆け巡りました。
3連単が2070万5810円!!GI史上、最高額が読み上げられたのでした。たった1枚の100円コインで2000万円台。筋書きのない競馬と言うドラマは、ときには衝撃的な結果をもたらします。
18番人気ミナレット。最低人気で単勝は3万円近いオッズ。重賞は未勝利。やっとオープン入りできたような馬でした。それゆえ、その程度の馬が大逃げを打ったからといって、後続の騎手は追いかけることはしません。それゆえノーマークで単騎一人旅。それも、騎乗した江田照男騎手は、スローペースに落とすことなく、半マイルが45秒5と、ポンポンと小気味のいいペースで飛ばして行きます。おそらくスローに落としていたとすると、直線ヨーイドンの競馬では、抜群の決め手を持った馬に軍配が上がっていたでしょう。
江田騎手は、そのことを十分に理解していたはずでした。「逃げても吉田豊のケイアイエレガントは競りかけて来ないだろう。思い切って行って、粘れるだけ粘ってやろう」江田騎手はそう考えていたはずでした。
抜群のスタートを決めたミナレットが躊躇せずに外から先頭に立ちます。このときケイアイエレガントの吉田豊騎手は、ミナレットが前に出て譲りそうもないことを察知すると、わかっていたように2番手で折り合いに専念。これでこのヴィクトリアマイルの劇的な結末の大半が決まりました。
3コーナーを大きく差を広げて先頭でまわるミナレット。離れて2番手のケイアイエレガント。そこからまた差が開いてリトルゲルダ、その内にレッドリヴェール。それを見るようにストレイトガールが、引っ掛かるくらいの気合で追走。中団に控えたベルルミエール、その外に1番人気のヌーヴォレコルト。いつもより消極的な位置取りです。さらに内にはカフェブリリアントがいて、後方に出負けした2番人気のディアデラマドレ。そして最後方にスマートレイアーが追走。
後続を大きく引き離して逃げるミナレット。ケイアイエレガントの吉田豊騎手も、あまりにもミナレットの差があるので“これはまずい”と思ったのでしょう。直線、ラスト400mあたりから懸命に前を追います。後続の馬たちもマークしている馬たちが近辺にいるので、追い出しが遅れてしまいました。
3番手以下が大きく離れています。ゴール前までラスト200m。まだミナレットが先頭。必死に追うケイアイエレガント。そして残り100m過ぎに先頭のミナレットに並びかけると、一気に抜け出しを計ろうとしたところ、外からもの凄い稲妻のような脚で飛び込んで来たのがストレイトガール。好位置で末脚を温存して、直線に勝負に賭けた戸崎騎手の作戦が見事に決まりました。アタマ差でした。
一旦先頭に立ってGIが手中に入ったと、一瞬考えた吉田豊・ケイアイエレガントが悔しい2着。3着には今回のある意味での殊勲賞的存在のミナレット。私の◎レッドリヴェールは4着。ちぎれた縦長の今日のような展開は向かないようです。
5着がカフェブリリアントで、ヌーヴォレコルトは6着。岩田騎手は「こういうことなら、もう少し前に出て行けばよかった」とコメント。後の祭りでした。
同様に最後方近くから直線大外を鋭く伸びてきたディアデラマドレが7着。ラスト32秒8はメンバー最速のタイムです。ショウナンパンドラは中団のまま動けず8着が精一杯。
春の日のドラマ、まさにメイ・ストーム。五月の嵐でした。
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