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当然の復活!長かった1年ぶりの美酒に酔う!!
春を告げる「中山牝馬S」は、あらゆる意味で注目すべき一戦でした。京都牝馬Sを逃げ切ったケイアイエレガントが、ハンデを嫌って早々に回避。さらに前日の土曜日の午前中にスイートサルサが右肩跛行で急遽回避。人気を分けそうな2頭が戦列を離れて、レースは混沌としていました。
そういった思いもよらぬ事態があっても、私は戦前から一貫して◎をバウンスシャッセに打とうと思いを寄せていたのです。
予想上でも記載したのですが、寒竹賞、フラワーCと連勝したときが昨年の1月と3月のこと。その勢いで桜花賞ではなく皐月賞に駒を進め、オークスではヌーヴォレコルト、ハープスターとクビ・クビ差。強力牝馬世代を代表する牝馬陣の一角なのです。
ところが、夏の函館記念で3番人気に支持されたものの16着と大惨敗。レース後、きゅう舎ではフケとコメント。私はおそらく真夏というシーズンが、この馬にはむかないだろう。夏負けと考えていました。
実際、函館記念を走った後遺症で、秋初戦は不良馬場も重なり、秋華賞トライアルの紫苑Sで12着に敗退。
ところが、その秋華賞では好位置で頑張り、見せ場十分の7着に善戦したのです。さらに暮れの愛知杯に駒を進め、重馬場の中で好位を踏ん張って0秒6差。3着のスイートサルサと0秒3差。これは明らかに復活していると判断。
とすれば、次は待望の中山、フラワーCと同じ1800mの中山牝馬Sだろう、ハンデも恵まれるぞ!と内心ほくそ笑んでいたのです。
そして中山牝馬Sの直前の追い切りで先行した馬を、直線で軽々と突き放し復調をアピール。ハンデが54K。私は復活走、1年ぶりの勝利を確信のような思いでいました。
当日の中山競馬場は、いくらか水分を含んだ馬場コンディション。内回りの1800mで何が主導権をとるのか、ミナレットが好スタートを決めたマイネグレヴィルを制して先頭に立ち、そこへサクラプレジールがピッタリと寄せて来ます。人気を分けたブランネージュとシャトーブランシュが好位置を確保。中団にアイスフォーリス。後方にはバウンスシャッセ、ケイティバローズで、最後方には追い込みのパワースポット。
2コーナーをまわると、逃げるミナレットにサクラプレジールが外に馬体を併せに行き、一気にペースが上がります。離れた3番手の外にブランネージュ。それを前に見る形でシャトーブランシュ。アイスフォーリスが中団で縦長の展開。後ろから4頭目がバウンスシャッセ。
1000m通過が59秒2。速くはありませんが馬場コンディションを考えると、まずまずの平均ペース。勝負どころの3コーナー過ぎに、後続馬がギュッと迫って来て、バウンスシャッセも外をまわり抜群の手応えで中団に進出。
4コーナーをまわって、ミナレットに並びかけたサクラプレジールの外からマイネグレヴィルが一気に先頭。続いてブランネージュが先頭争いに加わる形。そんなときに中団から真っ白な馬体が飛び出してきました。アイスフォーリスです。ここがラストランになるアイスフォーリス。三浦騎手のロスのない最高の騎乗でゴールを目指します。
そのときでした。大外に出したバウンスシャッセが猛然と追い込んできて、内のアイスフォーリスとの争い。さすがにバウンスシャッセの末脚がまさりグイと抜け出したところがゴールでした。最後方から直線勝負に賭けたパワースポットが大外を強襲して3着。
フラワーC以来、実に1年ぶりの勝利を手にしたバウンスシャッセ。この1年は苦労の連続でした。鞍上には主戦の北村宏騎手(騎乗停止中)ではなく、田辺騎手とニュー・コンビ。今年は昨年の経験を踏まえて、相当活躍が期待されます。
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栄光の皐月賞!最短距離に立つ!福永騎手の新たな悩み!!
皐月賞トライアル「弥生賞」。皐月賞と同じ舞台、同じ距離で行われる、まさに注目の一戦でした。
人気の中心は新馬→GⅡ「ホープフルS」を圧勝した2戦無敗のクラリティスカイ。そして新馬→GⅢ「東スポ杯2歳S」と、これまた2戦2勝のエリート、サトノクラウンが2番人気で続きます。
中山2000mの葉牡丹賞の勝ち馬トーセンバジルが3番人気、札幌2歳Sの勝ち馬でひと叩きしたブラックエンブレムが4番人気でした。
顔ぶれから単騎逃げが打てる展開で、当然のようにタガノエスプレッソが飛び出して行きます。それぞれの騎手はそのことを十分承知で、外からコメートが2番手に顔を覗かせたのですが、内からそれを制してシャイニングレイが2番手をキープ。4番手に内からベルラップ、その外にサトノクラウン、それに外から並びかけるようにクラリティスカイ。
そして、そこから少し離れてタガノエスプレッソ。また少し離されてトーセンバジル、グァンチャーレ。控えたブライトエンブレムが最後方から2番手を追走。
前半5ハロンが61秒3。稍重馬場で時計を要する馬場コンディション。おそらく1秒近く遅いパワフル馬場だったような気もします。そんな中、それぞれのハロンで13秒台がゼロ。平均ペースよりやや速い流れで展開して行きます。
正攻法で2番手に付けたシャイニングレイ。外に併せてきたコメートが前に出ようとすると、それに押し込められては大変とばかり後ろに引くことをしません。それで4コーナーから直線に出てきて真っ先に先頭に立ったシャイニングレイ。外にはコメート。その背後で気を窺っていた福永サトノクラウン。すぐ後ろまで接近してきています。内からはクラリティスカイ。その後ろから菱田騎手のタガノエスプレッソ。そして4コーナーで、膨らむように大外をまわったブライトエンブレムが追撃態勢。トーセンバジルとグァンチャーレも前を追います。
直線でシャイニングレイに並びかけたサトノクラウンが、これを一気に抜き去るとあとは独壇場。真っ先に余裕をもってゴールイン。直線外からブライトエンブレムが際立つ末脚で1馬身半差まで詰め寄ったところがゴールでした。
皐月賞の最後のイスをめぐって3着争いが熾烈。内からクラリティスカイでしたが、最後でギブアップ。トーセンバジルを中に内からタガノエスプレッソ、外のグァンチャーレの叩き合いは、内のタガノエスプレッソがクビ差で3着を確保。なんとか皐月賞の権利を取りました。
優勝したサトノクラウンの勝ちタイムは2分1秒8。昨年のトゥザワールドが良馬場で2分1秒4。レースの上りタイムがともに36秒4。良馬場であれば当然、昨年の時計を上回っていたはずです。まさに皐月賞につながる圧勝劇だったように思われます。
ただし、道悪の馬場コンディションを苦にしていたとしていたら、シャイニングレイ、クラリティスカイの巻き返しがあっていいです。
隣で弥生賞を観戦していた元騎手の佐藤哲三さんは、私に「シャイニングレイは追い切りの時から頭を上げ、引っ掛かる面を見せていたんです。だから弥生賞は勝てない、2着もどうか。でもこの相手に3着はあるだろう。まさか菱田のタガノエスプレッソに差し込まれるとは・・」と、ポツリと語っていました。
サトノクラウンに騎乗した福永騎手は、共同通信杯で快勝し、2戦2勝と凄い素質を感じさせるリアルスティールにも騎乗。当時もクラシックが楽しみだ、とコメントしており、どちらを選択するのか、まさに嬉しい悩みの悲鳴です。リアルスティールは来週のスプリングSを目指します。
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