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Archive for 競馬

ひとつの神話がまたひとつGIに加わったカナロア伝説!

7   GIを勝つ馬って、どっか他の馬とは違うよね。サクラゴスペルはGIを勝つだけの、ここ一番のワンパンチが足りないんだよな。高松宮記念にしても、安田記念にしても、ここでガツンと弾ける何かが足りない。そこが歯がゆくてね」とスプリンターズS直後のレースビデオを見終えたばかりの横山典騎手が私にポツリ。 8

注目のGI「スプリンターズS」は、1.3倍と圧倒的な人気に推されたロードカナロアが優勝。GI5連勝を達成しました。

抜群のスタート、まさにロケットダッシュを決めたハクサンムーン。逆に「何が何でも主導権は譲らない」と、言っていたフォーエバーマークは、なんとスタートでモタついて、村田騎手が必死にシゴいて2番手に上がったものの不本意な競馬でギブアップ状態。パドトロワ、サクラゴスペルが2番手グループを争う形。

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少し離れたところの内にマヤノリュウジン。その直後にドリームバレンチノ、馬体を併せる感じでダッシュがつかなかったロードカナロア。その外にはマジンプロスパー。ダッシュがつかなかったグランプリボスと、アドマイヤセプターが後方の内々を追走。

前半の3ハロンが32秒9。昨年が32秒7だったことから、ほとんど同じようなペース。ただ、好ダッシュから単騎逃げに持ち込んだハクサンムーンにとっては最高の形。ロードカナロアが直線で外から来るまで、追い出しを待つ余裕さえ感じられました。

直線でフォーエバーマーク、パドトロワが脱落。逃げるハクサンムーン、懸命について行こうとするサクラゴスペル。その時でした。グーンとロードカナロアがハクサンムーンに馬体を寄せて行きます。

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それは弾よりも早く、機関車よりも強く、スーパーマンのようでした。

ハクサンムーンも目下の充実ぶりをアピールするかのような最後の抵抗を見せていましたが、大相撲で言えば、横綱白鳳。GIを勝ちまくってきた貫録、役者が数段上でした。昨年のスプリンターズSと同じく1馬身近く突き抜けて優勝。GIでは負けないロードカナロア神話が、また1ページ加わりました。

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敗れたといっても崩れないスプリンター、ハクサンムーンも2着と拍手ものの頑張り。内からしぶとく伸びたマヤノリュウジンウジン。大外から猛追したマジンプロスパーが馬体を併せて3着争いでしたが、マヤノリュウジンが頑張って3着。

またドリームバレンチノ、グランプリボスが詰め寄ったものの伸びきれず5、6着。勝ち馬と0秒3差でしたが、GIの短距離戦では、この差が実に大きいのです。ロードカナロアが短距離界のトップホースでいられるのも、ここにあるのです。

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横山典騎手と話していると、スーッと横にやってきたのが岩田騎手。「おめでとう」と手を差し出す横山騎手。「ありがとうございます。いやあ、半完歩出負けしたので、ヒヤヒヤでした」と、汗を拭う岩田騎手。手に取った冷やしてあるペットボトルを、ゴクゴクと音を立てて飲み干すと、重圧からと解き放たれた表情が印象的でした。

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さすがダービー2着の貫録!圧巻だったエピファネイア。いよいよ天下獲り!!

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昨年のゴールドシップ、一昨年がオルフェーヴルと、本番の菊花賞に大きな影響を与えてきた菊花賞トライアル「神戸新聞杯」は、圧倒的な1番人気に支持されたエピファネイアが圧勝。さすが日本ダービーでキズナと半馬身差の大接戦。その地力の違いを見せつけてくれました。

 折り合いだけが課題というきゅう舎陣営でしたが、中団で前を行くタマモベストプレイをカベにして折り合い、勝負どころの4コーナーで好位。直線外から2番手に上がり、抜け出すという完璧なストーリー。

それはまさにエピファネイア陣営の思い浮かべた青写真通りでした。これまでは、ともするとカーっとして一気に行ってしまう気性の持ち主。そのことがこの馬の大きなネックになっていたようで、コンビを組む福永騎手も不安として挙げていたのですが、この神戸新聞杯の1勝は実に収穫多い優勝だったに違いありません。

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時計が2分24秒8、ラスト34秒5。昨年のゴールドシップが2分25秒2、ラスト35秒8。一昨年のオルフェーヴルが2分28秒3、ラスト33秒6で、3年前のローズキングダムの2分25秒9、ラスト33秒8と比較しても、なんら見劣ることはないのです。

ところが、今回の神戸新聞杯はダービー出走組が5頭だけで、ダービーで掲示板に載ったのがエピファネイア1頭。対戦相手に恵まれたことも事実でした。

レース後の勝利者インタビューで「馬込みに入っていなくても折り合いがついて、本当にリラックスして走っていました。しっかりコミュニケーションを取れたことがなによりですね。やっと乗りこなすことができました」と福永騎手。

プランとして天皇賞⇒ジャパンCという案もありましたが、順当にキズナ不在の菊花賞に向かうことも十分です。万一、菊花賞に不参戦ともなれば、ダービー上位馬のいない菊花賞となり、3冠目の菊花賞の存在意義が問われかねない事態に陥ってしまうことになりそうです。

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今回の神戸新聞杯で2着だったマジェスティハーツ。最後方を進み、直線勝負に徹して大外から一気に飛んできました。ラスト3ハロンが33秒6という凄い破壊力。過去10年、連対馬はすべて前走が重賞だった“鉄の掟”があったのですが、それを打ち砕く快挙的激走。騎乗した森一騎手は▲の減量騎手で、クラシックは騎乗できず、残念ですがこれも彼には試練なのかも知れません。

私はそのマジェスティハーツと同じくらいの脚が使えたはずのテイエムイナズマに期待したのですが、主戦で予定していた幸騎手が負傷で乗り替わり。急遽、四位騎手にバトンが渡りました。テイエムイナズマも難しい気性の馬で、幸騎手がようやく手の内に入れかけたときの乗り替わり。出遅れて最後方。直線勝負賭けたのですが、そこにはダービーで見せたような鋭さはなく、8着に押し上げるのがやっと。なんとか菊花賞で巻き返しを期待しています。

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