
3歳マイル王決定戦
「NHKマイルカップ」。昨年に続き1分32秒台の決着となりました。東京は今回も無観客レース。東京の2日目と同様に春の強風が白い砂埃を舞い上げて芝コースに降り注ぎます。
誰もいないサイレントなスタンドに場内アナウンスが響きます。1番人気は
阪神ジュベナイルFでレコ―ドで独走したレステンシア。
鞍上にGI請負人・ルメール
騎手を配し、願ってもない3番枠。左回りが初めてというウイークポイントがあるとはいえ、圧倒的な
阪神JFの
スピードから、難なく押し切れるはず、多くのファンはそう考えたようでした。

スタートと同時に内から当然のように先頭に顔を出して来たのが、予想通りレシステンシア。他の馬たちはこのレシステンシアの直後を狙って内、外から殺到。このとき内のタイセイビジョンと
プリンスリターンが接触。

結局、2番手を占めたのが
デムーロ騎手のラウダシオン。そしてストーンリッジ、タイセイビジョン、
プリンスリターン、ギルデッドミラーが、ごちゃついた3番手グループを争います。
中団にサクセッション、
シャインガーネット。さらに出負けしたルフトシュトローム、さらに遅れたサトノインプレッサは、ウイングレイテストと同様に後方グループ。
マイペースで一人旅の手に出たルメール・レシステンシア。半マイルが46秒0。5ハロン通過が58秒0。強風の影響があったとはいえ、レコードホルダーのレシステンシアにとっては願ってもない平均したペースで流れて行きます。

そして直線に入りまだまだ快調な逃げ脚を打つレシステンシア。その直後2番手で追い出しを待つラウダシオンの
デムーロ騎手の手応えが抜群。その直後の内に2番人気のタイセイビジョン。その外にストーンリッジ。さらに背後からギルデッドミラーに
プリンスリターン。4番人気のルフトシュトロームは最後方で馬群の後ろ。3番人気のサトノインプレッサは最後方で大外をまわります。

抜群の手応えで2番手からラウダシオンがラスト200m手前から仕掛けます。あっという間に先頭のレシステンシアに並びかけると一気に先頭。勢いは断然ラウダシオン。2番手に下がりながら懸命に頑張るレシステンシア。

そこへラチ沿いにいたギルデッドミラーが、前のタイセイビジョンの外に出すと、先行2頭に迫りましたが時すでに遅し。
また馬込みの中を割るように進出して来たルフトシュトロームが、鋭く迫って来ましたが5着まで。
一方で最後方から大外に出したサトノインプレッサ。ようやく追い出しにかかりましたが、なんとも歯車が狂ったような走りで13着。その後が5番人気のサクセッション。

勝ちタイムが1分32秒5。昨年優勝したアドマイヤマーズが1分32秒4。ラスト3ハロンも同じような34秒台のタイム。奇しくも2年続けて
鞍上はM・
デムーロ騎手。
彼、
デムーロ騎手は
NHKマイルCで3年連続連対。まさにNHKマイル男の形容にピッタリの
騎手です。

大きなマスクをしながら「スタンドにファンがいないので、ガッツポーズが出来なかった」と、少し悔しそうな表情でした。
