
あのアーモンドアイも叶うことが出来なかった無敗馬による
オークス制覇。まさに歴史的な大偉業が、ついに
デアリングタクトによって陽の目を見ることになりました。
1957年のミス
オンワード優勝以来、実に63年ぶりの無敗馬による大記録の達成。それは必ずしも恵まれた競馬では決してありません
新型コロナの蔓延による無観客。まさにサイレントな
「優駿牝馬・オークス」となりました。予想通りスマイルカナが主導権。そのまま極端なスローには落とさず前半の5ハロンが59秒8。その2番手に外からウイン
マリリン。そして内から前で展開しようと
デムーロ騎手が仕掛け気味にクラヴァシュドール。そこには
アブレイズがいます。その背後にウインマイティーと、ホウオウピースフル。ミヤマザクラは中団をキープ。
2番人気に推されたデゼルがいつものように後方に下げます。そのすぐ前に
デアリングタクトがいます。同じところにリアアメリアが待機。後方にはルメール
騎手のサンクテュエール。

直線に入ると逃げるスマイルカナにクラヴァシュドールが並びかけ、その後ろのラチ沿いにウイン
マリリン。そして馬場中央から力強く伸びて来たウインマイティー。
一方、圧倒的1番人気に推された
デアリングタクト。スタートで中団のインに控えたのですが、2コーナーのところで外から寄られて接触。仕方なく後方近くまでポジションを下げました。
そして、
デアリングタクトはこのままの位置で直線を迎えました。後方馬群の中から外に進路を取ろうとすると、前にマルターズディオサ、外からリアアメリアがフタをする形で伸びて来て、仕方なく松山・
デアリングタクトは仕方なく、開いた内側の間を狙って、すかさずグーンと割るように前に出て来ました。

ゴール前は内からウイン
マリリン。その外にクラヴァシュドール。また外からウインマイティー。3頭が並びましたがクラヴァシュドールがまず脱落。
その時でした。
デアリングタクトは馬場の中央を通り、前を行くウインマイティーの外に接近。そして容赦なくこれを捉えると、すぐ前には栄光のゴールが待っていました。静かにウイニングランする松山・
デアリングタクト。

2着に内でしぶとく頑張ったウイン
マリリン。見せ場十分だったウインマイティーが3着。外から鋭く追い込んで来たリアアメリアが4着。同じく伸び脚が目立ったマジックキャッスルが5着。
キャリア2戦の2番人気デゼルは、後方から4コーナーで一番外。ラスト33秒8の末脚を駆使しながら11着。キャリアと流れが災いした印象です。
誰もいない競馬場。GI「
オークス」。ウイニングランの余韻を一人噛みしめながら、ゴール板前に来ると、その人は少しぎこちなさそうに、少し
ハニカミながら、左手を天に差し出すポーズで、静かに喜びを噛みしめる
松山弘平騎手がそこにいました・・・。
