J・モレイラという世界一流の騎手の凄さを見た!!
夏の札幌競馬の短距離部門の呼び物「キーンランドC」をご覧になられましたか。芝1200mで勝つにはこういった乗り方をしなければならない!と言った手本になるような騎乗でした。
この日、1番人気に推されたのがナックビーナス。強力な逃げ馬を欠いて、オールインワンが逃げるかな、と思われましたが、一番外枠だったこともあって、飛び出したのがナックビーナス。ゲートを出ると他馬よりも1馬身出ていました。しかも、モレイラ騎手は仕掛けてスピードに乗るように指示。普通なら1番人気なので、2、3番手で脚を温存する騎乗をするような乗り方が一般的ですが、そんなことはお構いなし。そこで追走する後続は競り合わないようにポジションをキープ。その中には直後に私の◎ダノンスマッシュ。外にタマモブリリアン、オールインワンがいました。同じ位置にはペイシャフェリシタ。
2番人気のレッツゴードンキは中団の内に位置。その前にデアレガーロ。キャンベルジュニアは中団で直ぐにでもスパートできる態勢。
ルメール騎手人気もあったか3番人気のムーンクエイクは出遅れて最後方。58kのハンデを背負っていて厳しい位置でした。
前半3ハロンを33秒7(稍重馬場)の緩みないペースに持ち込んだモレイラ・ナックビーナス。4コーナーを先頭でまわり、インの直後でナックビーナスをマークしていたダノンスマッシュがゴーサイン。そしてペイシャフェリシタ、進出したキャンベルジュニアが続きます。追いかけたオールインワン、タマモブリリアン、デアレガーロはここでギブアップ。
驚いたことにナックビーナスは、直線に入って二段ロケットの加速力で、後続を突き放し2馬身半差の圧勝劇。ゴール前は右手で軽くガッポーズをしながらゴールイン。圧倒的な強さを見せつけました。
2着争いが大激戦。2番手に上がったダノンスマッシュがしぶとく粘り、ペイシャフェリシタをクビ差振り切り2着。2番人気のレッゴードンキは中団の内々を追走。直線で一番外に出したもののスターオブペルシャと同着の5着。こういうケースの6ハロン戦は持ち味が生かせないようです。むろん年齢的なこともありますが、少しズブくなった印象が感じられました。
それにしても、モレイラ騎手のメリハリの利いた騎乗。さすが世界的な騎手であることは確かです。彼は腰を据えて、ルメール、デムーロ騎手のように、日本を舞台に活躍したいと、日本で騎手試験を受けようとチャレンジしています。
問題は日本語の問題ですが、それをクリアーすれば日本デビューは時間の問題。日本人騎手にとっては、騎乗機会が少なくなり、もろ手を上げて賛成とはいかないというのが日本人騎手の本音。とはいえ、モレイラ騎手を良き教材にする、という考え方に立てば解決する問題です。
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ラスト37秒6!バタバタだった札幌記念の評価度!!
夏の札幌競馬最大の呼び物伝統の「札幌記念」。凱歌をあげたのが2番人気のサングレーザー。初めて2000mで優勝。1400、1600mを中心に走って来たサングレーザーにとっては、これから秋の中距離戦線に向かって、大いに収穫ある一戦となりました。
ところが、勝ちタイムが2分1秒1。稍重馬場の影響が大だと思われますが、レースのラスト3ハロンが37秒6。これがあまりにも平凡。
この日、マルターズアポジーにアイトーン、マイスタイル。それにスティッフェリオとクロコスミアと、主導権を取りたい馬がズラリと揃って、激しい流れが予測されました。
実際、スタートでマイスタイルが先頭に立ったのですが、そんなことは許さない、とばかりに内ラチ沿いから強引にマルターズアポジーが主導権。そして一番外からアイトーン。ネオリアリズムとマイスタイルが並んで追いかけます。クロコスミアとスティッフェリオが好位を並んで追走。
前半の半マイルが46秒5、半分の1000mで59秒1。馬場状況を考えると緩みないペースです。そこへ3、4番手にいたマイスタイルがマルターズアポジーに並びかけて先頭。なんと3コーナー手前でのことです。巻き返そうと懸命にしごくマルターズアポジー。一昨年の優勝馬ネオリアリズムのモレイラ騎手もスパート。
中団のインに構えたサングレーザー。1番人気のマカヒキは後ろから2頭目。最後方がモズカッチャン。中団の後ろにいたのがミッキースワロー。その後ろがサウンズオブアース。
昨年の優勝馬サクラアンプルールは中団追走から4角でスルスルとスパート。そして直線でスティッフェリオ、クロコスミアの背後から先頭に立ちかけたサクラアンプルール。ラスト100mで先頭に立ったサクラアンプルール。その外からサウンズオブアースと一番外にマカヒキ。そんな中で内をこじ開けるように末脚を温存したサングレーザーがグイと割って出て来ました。
外からマカヒキ、内からサングレーザー。そして一番外に出し、強襲して来たのが3歳のモズカッチャン。激しい叩き合いは内のサングレーザーの末脚が勝り待望の2000mで優勝。着差がハナ差。そしてアタマ差。大激戦でした。
マカヒキが2着で、大外から強襲した4番人気モズカッチャンが3着。先行した馬たちは、マルターズアポジーを筆頭にアイトーン。一昨年の優勝馬ネオリアリズム、マイスタイルなど総崩れの大敗。駆け引きの難しさを露呈した印象です。
ほとんど(10頭)が休養明け。秋に向けての仕上げのステップ段階という見方もありますが、それにしても時計があまりにも平凡。良馬場であれば2分台で決着した印象ですが、それにしてもラスト12秒6-12秒5-12秒5。37秒6の決着に少しがっかりしました。
ガッカリしたと言えば、◎で推したミッキースワローは13着。あまりにもひどすぎました。もっとも、4コーナーで中団から横山典騎手が手綱を持ったままで浮上。ところが、外のスズカデヴィアスがミッキースワローの内側寄れて、背後から割って入って来たモズカッチャンが、前に出ようとしたときに、ミッキースワローがそのアオリを受ける形。ここでミッキースワローにとっては撃沈。ほとんど追うところがなく入線。まったく不完全燃焼の一戦でした。馬体重の482kは昨秋のセントライト記念を制したときと同じ馬体重。次走は中山のオールカマーでしょうか。改めて追いかけます。
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