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やはり格が違ったダービー2着のSリチャード!!

ピッタリと中団インに待機し、抜群の手応えでGOサインを待っていたスワーヴリチャード。4コーナーで先行したマイネルサージュ、カレンミロティックに接近すりと、ラスト400mでスパート。一気に先頭に立つと後続をあっという間に突き放し、あとは余裕綽々でゴールイン。2馬身半差の圧倒劇!堂々1番人気に応えました。

また、2分30秒0の時計は、過去10年のアルゼンチン共和国杯で、2分29秒9のルルーシュに次ぐ2番目に速い(トーセンジョーダンと並んで2番目)タイム。さすがにダービーでレイデオロと大接戦したポテンシャルの高い馬。56kでは格が違うよ、と言わんばかりの圧勝劇でした。

馬体もダービー当時よりも10k増加。間違いなく夏の成長が窺えます。この後はジャパンCに直行でしょうか。世代の代表格が力強く戦列に復帰して来ました。

2着は7番人気のソールインパクトが飛び込みました。53kの軽ハンデをフルに生かし切った印象ですが、福永騎手も「スタミナ勝負に持ち込む狙い通りの競馬ができたと思います。少し脚が上がりかけていたのですが、よう粘り強く頑張ってくれました」。7番人気馬、これは福永騎手も納得の2着でしょう。とはいえ、2番が利くかどうかは微妙なタイプ。過信はできません。

  スワーヴリチャードに続き3番人気に推された同じ3歳で、キャリア3戦セダブリランテス。終始3番手、4番手のインサイドを追走。直線入り口でうまくスワーヴリチャードに足元をすくわれた印象ですが、ゴール前でもジワジワと伸びていました。もう少しキャリアを積んで行くと、大きなところが望めそうな1頭です。 そして、2番人気のアルバートが4着。58.5kのトップハンデ。中団の外々をまわる形。スワーヴリチャードには完敗でした。ステイヤーズS優勝、ダイヤモンドS1着。叩き良化タイプで、長距離戦で持ち味が生きそうなタイプ。今年もステイヤーズSが狙いかも知れません。

私の◎がカレンミロティック(8番人気)。結果は5着でした。マイネルサージュの2番手に付けて、うまく流れに乗った印象でしたが、スタミナ戦の持久力勝負の形に持ち込むことはできませんでした。もう少し流れがはやくなるとか、思い切って先手を取り、大逃げのほうが持ち味を生かせたかも知れません。それでも3着のセダブリランテスと半馬身・クビ差。あと一息で3連複をゲットでした。

京都大賞典で5着だったレコンダイト(5番人気)が15着。休養明け2走目、反動が出たのかも知れません。

 

まさかの台風・豪雨・不良馬場で助かったキタサンブラック!!

「助かったー!」と、笑顔で胸を撫で下ろしたのが、この日の「天皇賞」で1番人気に推されたキタサンブラックでした。

中距離の頂点、伝統の「天皇賞・秋」は、前週の「菊花賞」に続いて、台風の襲来に、寒冷前線とダブルで日本列島を襲いました。

それでなくとも、10月はほとんど雨降り続き。10月の連続雨降り日としては、なんと127年ぶりの異常気象だそうです。

この日、午後になって雨足が強くなり、みるみるうちにダートに水が浮かんで、まるで水を張った田んぼのような状態。

そして、天皇賞がスタートを迎える頃には、ときに横殴りの雨が人馬に容赦なく打ちつけます。 そして、定刻通りに天皇賞がスタート。ところが、スタンドから悲鳴が聞こえそうだったのが1番人気キタサンブラック。武豊騎手が言う「ゲートで突進して遅れてしまいました」と、コメント。これで後方に置かれる大きなアクシデント。

一気に飛び出したのが予想通りロードヴァンドール。最内からサクラアンプルールが続きます。ネオリアリズムとリアルスティール、ミッキーロケット、シャケトラが並んで3番手を争います。その後に内からサトノクラウン。ヤマカツエース、ソウルスターリングが追走。その背後のインにレインボーラインで、真後ろにキタサンブラック。ステファノスと続き、その後が内にグレーターロンドン、外にマカヒキ。サトノアラジンが最後方。

各馬一団の展開でインサイドを大きく開けて雨の中を走り抜けて行きます。

そして、3コーナー、前半1000m通過タイムが64秒2。さすがにスローで展開。そしてポッカリと開いた内から、追い込みのグレーターロンドンが前に馬がいないのでスルスルと2番手。これも内から労せずにキタサンブラックが好位に浮上。

4コーナーで大きく外に広がる中で、内から押し出されるようにグレーターロンドンが先頭に立ちます。続く直後にいたキタサンブラックが2番手。外にサトノクラウンとサクラアンプルール。内からレインボーラインと、それに馬体を併せたリアルスティール、外に主導権を取ったロードヴァンドール。インサイドのネオリアリズムとシャケトラはステッキが入ります。

ステファノス、ソウルスターリング、ミッキーロケットが中団から懸命に前を追いますが、不良馬場に脚を取られてなかなか思うように前に進んで行けません。後方はマカヒキ、サトノアラジンもこの馬場で厳しい戦いです。

直線早めに抜け出しかけるキタサンブラック。内のグレーターロドンはさすがに脚色が鈍くなってきました。サクラアンプルールもギブアップ。

抜け出したキタサンブラック。外のサトノクラウンが2番手。そして先頭に立ったキタサンを必死に追います。ところが、苦しいのか内にモタレながらキタサンの内側に入り、Mデムーロ騎手が懸命のステッキ。これにキタサンブラックはGIで培ってきた二枚腰で応戦。なんとかクビ差サトノクラウンを振り切り天皇楯をゲット。

3着が2馬身半離れてレインボーライン。そこから5馬身も離れリアルスティール、マカヒキがいました。

キタサンブラックは大変な道悪巧者でした。本来のスピード競馬を豪雨と不良馬場に助けられて、各馬インサイドを敬遠する中、ポッカリ開いた内を労せずして経済コースを走り、好ポジションを早めにキープ。不良馬場が味方したような一戦でした。

勝ちタイムが2分8秒3、ラスト3ハロンが38秒7。例年よりも10秒以上も遅い決着になりました。 もし、良馬場で行われていると、出遅れたキタサンブラックは外をまわるしかなく、厳しい結果になったような気がします。武豊騎手の安堵の笑みは、そんなところにあったのでしょうか。