fbpx

ルメールはこんなところが違う!舌を巻いた日経新春杯のサトノノブレス!そしてあの騎手のあの馬は・・

 日経新春杯をご覧になりましたか?サトノノブレスが主導権を取ってそのまま首差アドマイヤフライトを振り切って優勝。この1勝は手綱を取ったルメール騎手によるところが大でした。

 それというのも、10月以来の実戦で、2番人気サトノノブレスは馬体がプラス20K。成長分を見込んでも明らかに余裕の造り。これは勝てないかも知れない、という考えはスタンドのファンにもあったと思われます。

 ところが、騎乗したルメール騎手は誰もが考えていなかった大胆な“逃げる”という形で活路を開いたのです。

009

 「ペースが遅かったので無理には抑えずにリズムよく走らせることに一番に心がけました」とルメール騎手。

 まずスタートで内からジワジワ先頭に立ったのがサフランディライト。これを追ってサトノノブレス。他が来るのを待っているようなレース。

 実は、ここで鍵になった馬がステラウインドでした。あのオルフェーヴルの援軍として、わざわざフランスに渡り、フォワ賞では逃げまくって5着に頑張った馬なのです。欧州帰りをひと叩きして、今回は強力な同型がまったく見当たらず、楽な一人旅ができるものと、考えていたのですが、正直これにはビックリしました。行かないのです。主導権を取りに出て行こうとしないのです。

010011

何故に幸騎手は行かなかったのか、前半3ハロンが35秒9。高速馬場の京都では明らかに遅い流れ。行こうと思えば行けたでしょう。よしんば主導権を取ったにしても、他に競り込んでくるような馬が見当たらないわけですから、当然ながらここは主導権を主張すべきだったと思います。3番手でサトノノブレスを前に見る形。これで直線ヨーイ・ドンでは明らかに不利。それをわかっていて騎乗したのなら、レースを捨てているようなものです。ステラウインドから馬券を手にした私をはじめファンには、なんとも解せない、納得のいかない不本意な競馬だったことでしょう。

012

ステラウインドが控えて、あまりの遅いペースに内から楽に先頭に立ったルメール騎手のサトノノブレス。あとはこの馬のペースでした。

1000m通過が60秒2、1600m通過で1分37秒7。そして、ラスト3ハロンを34秒7でゴールへ一目散。この遅い流れに気付いたアドマイヤフライトの福永騎手。いつもより早めに動き出し、4角では好位置に進出。直線で馬体を離すように外から迫ったのですが、馬体が内と外と並んだところがゴールでした。わずか首差だけ出て優勝。その着差から考えて控えていたら、アドマイヤフライトに差し込まれていたかも知れません。さすがに世界のトップクラスの騎手です。それゆえ今回は騎手の力で勝ったような気がします。

2着アドマイヤフライト、3着フーラブライド。3番人気に推された有馬記念4着のラブイズブーシェは8着。馬体が14K増。有馬記念4着で、その後、お疲れ様ということもあって、一息入れさせたことが急仕上げになった印象です。

013 014

コスモバルクより上というプレイアンドリアルが2馬身差!この強さは本物か?!

008

 ニッポン放送のSアナが「アベコーさん、プレイアンドリアルをどう見ていますか?なんでも関係者に言わせると、あのコスモバルクよりも上らしいんですよ」と、訊ねてきました。東スポ杯2歳Sの直前でした。

 結果はややかかり気味に先行。直線で内から強襲されイスラボニータの前に首差2着。レコード決着だったことからも一躍その名を馳せるようになりました。

 その評価は朝日杯FSで2番人気となって大いに注目されたのですが、初めての急坂の中山、外枠から先行したものの直線で力尽きて7着。北海道、門別から川崎に転厩という環境面での不利もあったとも思われます。

 とはいえ、何としてもクラシックを目指すプレイアンドリアル陣営にとっては、京成杯に駒を進めて来ました。中山は2度目でしたが今回は初めての2000mという距離。かかり気味に行く同馬にとっては、この京成杯が今後を占う大きなターニングポイントでもあったのです。

 朝日杯FS7着と敗退したことにより、株価はダウンして5番人気で7.3倍。やや見放された評価でもありました。

001

 スタートして逃げるアグネスドリーム、2番手の内からホルボッシュ、外にマイネグレヴィル。その直後のアルバート、ショウナンラグーンの後ろを陣取ったプレイアンドリアル。その真後ろには外目を1番人気のキングズオブザサン。その内側には2番人気のエアアンセムが追走。それらを見る形でラングレーがいて、その外にピオネロ。そして、ポツンと最後方をスタートでモタついたアデイインザライフ。

002 003

 前半3ハロンの入りが36秒3、半マイルは48秒8。1000m通過が60秒6と、例年に比べるとやや遅い流れ。3コーナーで中団からジリジリと好位置に上がりかけたキングズオブザサンの直後で、そこから外に出したプレイアンドリアル。その後ろの内にラングレー。ピオネロもいます。ところが内で予想外にモマれたせいかエアアンセムは後退気味。離れた最後方は変わらずアデイインザライフ。

 直線に入って先頭のアグネスドリームに2番手のマイネグレヴィルが並びかけると、後続が一斉に迫ってきました。外に出したキングズオブザサンの外からプレイアンドリアルがグングン接近。坂を上がってから一気に抜け出し、最後方から大外に出したアデイインザライフが直前で猛然と強襲。

004 005 006 007

 優勝はプレイアンドリアルで2馬身差の圧勝。キングズオブザサンが何とかアデイインザライフの追い込みを振り切って2着。ピオネロが4着でした。

 2分1秒1は3年前のフェイトフルウォーの2分0秒9、2年前のベストディールの2分0秒6よりも遅かったのですが、昨年のフェイムゲームより上回っていました。京成杯の勝ち馬は4年前のエイシンフラッシュからクラシックに直結するような馬が出ていませんが、とにもかくにもプレイアンドリアルにとっては、価値あるJRAの1勝だったに違いがありません。

 春のクラシックまでまだ関門があります。疲労をとりながらどう羽ばたくのか注目したいところです。