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新年おめでとうございます。午年に思いを馳せて……

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 皆様、新年おめでとうございます。2014年がスタートしました。昨年の競馬界は“日本ダービー80周年記念”。アニバーサリーイヤーで1番人気キズナが優勝。そのキズナは菊花賞には向かわず、凱旋門出走という大胆な方針を発表。ファンの目はヨーロッパに注がれることになったのです。

 その凱旋門賞では1年前の惜敗を返すべく「忘れ物を取りに行く」と公言していたオルフェーヴルが、まさにラストチャンスに賭けて虎視眈々。日本馬の対決!との見出しが躍る日本の競馬史に新たな1ページを書き加えることになったのです。

 凱旋門賞の結果はオルフェーヴルが昨年に続いて2着。キズナが4着。優勝したフランスのトレヴから5馬身差。世界の壁、凱旋門賞の大きな壁を痛感させられました。この着差がオルフェーヴルに引退を決定的にしたのかも知れません。

 2頭の主役はキズナが有馬記念を早々にキャンセル。一方のオルフェーヴルはグランプリ有馬記念に出走。同時にオルフェーヴルの引退式と発表。

 最後の一戦、負けられない一戦、1.6倍と言う圧倒的な人気に推された有馬記念は、まさに独り舞台のような歴史的な強さで8馬身差。同期で戦友のウインバリアシオンが2着に入り、オルフェーヴルのファンのみならず多くのファンの歓喜の声を響かせました。

 ところで、短距離界では高松宮記念、安田記念を制して、スプリンターズSを連覇。そして日本調教馬として初めて香港スプリントを優勝したロードカナロア。GI6勝を引っ提げて第二の生活に入ります。1月13日、京都競馬場で引退式です。

 平成25年の今年はオルフェーヴル、ロードカナロアが引退。ひとつの時代を背負った王者の姿がありません。寂しくなりますね~。

 また、4月には消費税が導入。何もかも料金が上がります。電車やバス、タクシーといった交通手段の運賃。新聞や週刊誌、月刊誌。競馬場内の物販。

 競走の賞金。競走馬の預託料に育成料。そして競走馬の値段。まさに値上げラッシュ。現在の株価は高騰していますが、消費税導入後の買い控えによる経済への悪影響が懸念されます。

 実際、そういった事態になれば、また1年後の来年の消費税の再値上げ、10㌫は再考するという安倍首相。それなのに、よく海外に出向いてバラ撒き外交と揶揄されている我が国のリーダー。国民の大半以上が反対した特定秘密保護法案を、急いで与党単独で強行採決した蛮行。私たちが経験したあの暗い時代へ突入するのではないか、と危惧している人が少なくないことも確かです。

 今年は様々な観点から時代の大きな曲がり角に差し掛かっているような気がします。なんとか人と人が、ほっとするようなニュースが流れる一年であるよう、新年にあたり祈念するものです。

12万の観衆が酔いしれた「オルフェーヴル」という馬の迫真の演技!!

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「オルフェーヴルが引退だろう?!有馬記念に行こうぜ!ラストランを応援しようぜ!」

という競馬ファンが多かったせいか、12月23日、日曜日の中山競馬場は昨年を上回るファンが詰めかけて、場内はその熱気でムンムン。師走の空に向かい湯気が立っているように感じたほどでした。

この日の主役、オルフェーヴルにとって有馬記念は最終戦。「オルフェーヴル物語」の最終章、完結篇で主役は主役らしい走りをしなくてはならない、負けることは絶対許されない、多くのファンはそう考えたはずでした。

ところが、そのオルフェーヴルの追い切り動向を伝えるマスコミが、あるスポーツ紙などは1面で「オルフェは負ける」と大見出しで伝えます。それに調教師が80点と評価したと報道。これを受けて体調不安説が流布。

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そんな状況下でもオルフェーヴルの人気は1.6倍。ファンの目の確かさ、思いは揺るぎませんでした。過去に坂路調教でヨレながら走っていたときでも、3冠を積み上げてきたオルフェーヴル。一方で真っ直ぐ坂路調教で走ったにもかかわらず敗れてしまったオルフェーヴル。そんなオルフェーヴルの姿も現実にあったのです。そういった過去を覚えているファンには不安説など一笑ものだったと思われます。

今年の有馬記念は典型的な逃げ馬が不在。強敵オルフェーヴルと相対するには同じ位置にいてはダメ。前で競馬させよう、他が来なければ主導権だと、福永騎手のルルーシュが思い切って飛び出します。これを金鯱賞と同じく2番手を私の◎カレンミロティックがすんなりと確保。最内枠のダノンバラードが3番手。ラブリーデイ、ナカヤマナイトも接近。中団の内にウインバリアシオンがいて、その真後ろにムーア騎手がしごき詰めでゴールドシップ。そしてオルフェーヴルがそれらを見ながら後方でのんびり追走。

前半の1000m通過がおよそ60秒7、1200m通過でおよそ1分13秒3。時計を要する馬場としては比較的早めの流れ。そんな流れの中で、並ぶように先頭に躍り出たのがカレンミロティック。3角手前でした。これを見てナカヤマナイトが2番手に進出。3番手は5頭が横一線に並ぶ形。ゴールドシップが早めの仕掛けで中団の外に進出態勢。その後ろにウインバリアシオンとオルフェーヴル。

状況が激変したのが3角過ぎのことでした。快調に逃げるカレンミロティックに何かを感じたのか、オルフェーヴルの池添騎手が外をまわって一気にスパート。それはゴールを1ハロン間違えたのではないかと思うくらいグングン上昇。

そして4角ではあっという間に先頭のカレンミロティックに並びかけているのです。しかも、ここで脚を温存することなく、懸命に追い出しをかけました。これには他の騎手も唖然。直線で早々に先頭に立ったオルフェーヴルは、後続を1馬身、2馬身、3馬身とみるみる差を広げて行きます。直線中ほどでは他の馬と決定的な差。独走状態となったのでした。

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「菊花賞でも同じような競馬をしたので、差されることはないと思って行きました」と池添騎手。

続けて「僕はオルフェーヴルが世界で一番強い馬だと今でも思っています。今日もそう思って乗りました」と、スタンドに向かって高らかに勝利の宣言!その顔にはキラキラと自信が満ち溢れていました。

結局、8馬身差のワンサイド。「オルフェーヴル物語」の最終章・完結編は8馬身差の独走劇という記憶に深く残る見事なストーリーとなりました。スタンドの観衆はオルフェーヴルのコールと、池添コールで大合唱。我らがオルフェーヴルと池添騎手を称えたのでした。

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ダービー、菊花賞とオルフェーヴルと一時代を築き上げた同期のウインバリアシオンが懸命に2着。オルフェーヴルのラストランに花を添える形となりました。

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