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今年も「T」という名の馬が来襲!ディープインパクトにはやはりT・Y騎手が似合う!(^^♪

 アドマイヤムーンにアドマイヤオーラ。ブエナビスタとトゥザグローリー。ここ6年でGI級の実力馬クラスが優勝している注目の一戦「京都記念」。

 今年はトップクラスの参戦の予定がなく、そろそろGIに手が届きそうなジャスタウェイが順調さで多くの期待を集めました。

次いで、これもGIは未勝利ながらGI級の破壊力を持つショウナンマイティが、宝塚記念3着以来、実に7ヵ月半ぶりの実戦ながら2番人気。

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菊花賞で4着とその素質の片鱗を見せてきたベールドインパクトが票を集めていましたが、それぞれにウイークポイントを抱えて、出走の11頭中、なんと6頭が5ヶ月以上の長期休養明け。しかも、京都の馬場状況が、近年ないくらいの悪化したコンディション。これには競馬ファンも不安を隠せず、昨年比よりも馬券の売り上げが大幅ダウン。

過去10年の勝ち馬は2ヵ月以内に出走していた馬ばかり。長期休養あけで優勝した馬がゼロ。今年の冬はことのほか寒さが厳しく、各調教師も仕上げは例年以上に苦労をしているとか。そういった状況下では、久しぶりという馬は一枚下げて考えるべきだろう。私の見解はそうでした。

そこで、データ的にも優勢を見せている前年の有馬記念出走馬に着目。それが1頭だけ。ビートブラックでした。考えてみれば、有馬記念でも逃げ切りに期待したのですが、同じ馬主のアーネストリーに先に行かれたら、2番手で納得して4角からヨーイドンの形。こんな消極策では逃げ、先行馬の宿命。まったく持ち味が生きないのです。いわゆる人気の後続馬に対してかく乱戦法で臨むべきでした。

このことが頭にあり、今回はおそらく顔ぶれから、間違いなく単騎逃げが期待できるはずでした。たぶん2番手が7ヶ月ぶりの実戦になるヤマニンファラオだろう、これがうまく後続馬の壁になってくれるかも知れない。私はそう考えたのです。

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さあ、スタートです。ビートブラックが主導権。2番手にヤマニンファラオ。うん、そうだ、よしよし。少し離れてインに早くもジャスタウェイ。内田博騎手がスローを見越して前に出る作戦か。さすがだな。ジャスタウェイの外に4番人気のカポーティスター。前にジャスタウェイを見てサクラアルディート。外にリッツィースター。さらに中団のインにトーセンラーが追走。ベールドインパクト、ジョワドヴィーヴル、ショウナンマイティ、ジャミールが後方グループ。

このままの形で坦々と流れるはずでした。ところが、その静寂を破ってある1頭の馬がたまらんという勢いで、引っかかるようにグングン上昇。追い込みのショウナンマイティでした。3角のはるか手前でビートブラックに代わって、何と先頭に立つ形でレースの主導権を奪取。これには速い脚を欠くビートブラックの石橋脩騎手は面食らう形。

直線はショウナンマイティを先頭に、内からビートブラック、ヤマニンファラオ、カポーティスター。ジャスタウェイも接近。その真後ろにトーセンラーが迫ってきました。ベールドインパクトは4角を最後方で外に出します。

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しぶとく頑張るショウナンマイティ。その内にいるビートブラックもしぶとく頑張りを見せます。トーセンラーが直線入り口で外に出し進撃態勢。ベールドインパクトは大外。ヤマニンファラオとカポーティスターは失速気味。先頭で粘るショウナンマイティ。そこに満を持していたトーセンラーがケタ違いの末脚で一気に突き抜けて行きました。それはあのオルフェーヴルを破った一昨年のきさらぎ賞を、まるで彷彿させるような強烈な破壊力でした。

2着争いは頑張るショウナンマイティに並びかけようとするビートブラック。そのとき大外から大きなストライドでベールドインパクトが2着にノシ上がってきました。

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優勝したトーセンラーはラスト11秒8-11秒3-11秒5の典型的な上がりの勝負で34秒1の末脚を駆使。6番人気と評価は低めながらも、久しぶりにトップクラスのパンチ力を見せつけてくれました。それも、新潟記念以来5ヶ月ぶりの実戦。藤原英きゅう舎渾身の仕上げ。過去のデータを打ち破る見事な快走劇。今年の春の陣が大いに楽しみな1頭です。ディープインパクト産駒は、やはり武豊騎手が一番絵になるな、と感じたのは私だけでしょうか。

典型的なラスト、ヨーイドンのきさらぎ賞から学ぶものはあったか!?

 一昨年の優勝馬トーセンラー、当時3着だったオルフェーヴル。そして昨年の優勝がワールドエース。ここ2年がハイレベルのきさらぎ賞でした。今年はそれに比べて小粒感は拭えません。

 顔ぶれから強力な逃げ馬が見当たらず、バッドボーイかマズルファイヤーがスローに持ち込んで、そのまま押し切りそうだ。私はそう考えて、未勝利戦を勝ったばかりでも、その圧倒的なパフォーマンスを買ってマズルファイヤーの奥深さに賭けました。

 今年は京都競馬場の馬場コンディションが最悪。今年に入り降雨、降雪と続いたために、芝コースのインサイドはボコボコ状態。そのため各騎手ともインサイドをガラ空きにしてレースを進める苦心の騎乗。総体的に逃げ、先行馬はスローで展開しても、直線大外から伸びてきた馬に差し込まれるレースが続いていました。

 それでも、先行策に出るはずのマズルファイヤーが狙える根拠のひとつが、この馬場にあると見ました。未勝利を勝ったときの馬体重が556K。数字からも相当なジャンボ。この巨漢を生かしきるには、こういったパワフルさを要求される馬場コンディションがピッタリだと考えたわけです。人気は5番人気。

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 スタートしました。主導権は相手を見ながら押し出される感じで、やはりマズルファイヤー。これにピッタリと張り付く形でタマモベストプレイ。インコースを空けて馬場の3分どころを走ります。その空いたインから引っかかるような仕種を見せてバッドボーイが2番手に進出。そのあとにクラウンレガーロ。またその直後には1番人気のリグヴェーダ。外にアドマイヤドバイが馬体を並べています。最後方には2番人気のラストインパクトが末脚を温存。

 前半の3ハロンが36秒6、半マイルが49秒6で、1000m通過が62秒2と、まさに超スローペース。この形で4コーナーをまわってきました。先頭のマズルファイヤーが直線もインサイドを空けてラストスパート。その外にタマモベストプレイ。内からバッドボーイですが、前半折り合いを欠いたせいか前の2頭に比べて今ひとつ。そのとき外に出せなかったアドマイヤドバイがインからグングン進出。クラウンレガーロは伸びを欠き、リヴェーダは早々とギブアップの白旗。ラストインパクトは最後方から仕方なくイン狙いでしたが、この馬場状態でラスト34秒台の決着。前と差を詰めるのがやっと。

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 逃げるマズルファイヤー、2番手から並びかけたタマモベストプレイ。激しい2頭の叩き合いは、シンザン記念3着の貫禄からか、クビ差捉えて優勝。一躍クラシック候補にのし上がりました。

 インパラトールが前日に出走取り消し。8頭立てで行われた今年のきさらぎ賞。1、2番人気が掲示板にも載ることが出来なかった特異な結果。クラシックの登竜門と称されるきさらぎ賞ですが、今年はクラシックに直結するかどうかは微妙です。それでもマズルファイヤーの馬格は魅力ですが、有力な3歳馬が多く予定している弥生賞での結果が注目されるところではあります。

 1、2番人気のリグヴェーダとラストインパクト。現在1勝馬。クラシックがはるか遠くに霞む一戦となったことは事実のようです。

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