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こちらも3歳馬エピセアローム会心の一撃!(^o^)/

1  中山競馬最終日に予定されているGI「スプリンターズS」の前哨戦、「セントウルS」が阪神競馬場で行われました。
 ある予想家がBSテレビ中継で、セントウルSをスプリンターズSのトライアル戦、という言い方をしていましたが、これは正確には間違いで前哨戦というべきなのです。トライアル戦は3歳クラシック限定のみ。天皇賞のトライアル戦?有馬記念のトライアル戦?ジャパンCのトライアル戦?耳にしたことがあるでしょうか?
 些細なことですが、競馬を報道携わる者、発信する者にとっては、より正確さが求められるのです。また間違いに気づいたら直ぐに訂正する義務が課せられています。
2  さて、そのスプリンターズSの前哨戦、セントウルSはゴール直前で劇的なドラマが待っていました。
 圧倒的な支持を受けたのがロードカナロア。高松宮記念3着、函館スプリントS2着と、ともに1番人気。惜敗した前2戦から今回こそは・・との思いが、ロードカナロアの人気を後押ししたのでしょうか。
 2番人気がマジンプロスパーで、優勝した高松宮記念以来の実戦となるカレンチャンが3番人気で追う形。
3_2  スタートがカギでしたが、内枠のマジンプロスパーがいくらかダッシュが鈍かったのですが、これはマズイと考えた浜中騎手が、ステッキを入れ懸命にしごいて主導権を奪取。ところが、スタートで気合を入れスピードに乗ったカレンチャンもグングンと加速。この2頭で後続を引き離して行きます。ロードカナロアとエーシンヴァーゴウが離れた3番手でこれを見る形。エピセアローム、エーシンヒットマンが好位置をキープ。さらに中団にはヘニーハウンドとアンシェルブルー。2番枠のサンカルロもなんとか中団をキープ。北九州記念を勝って目下2連勝中のスギノエンデバーは、8番人気で評価が上がらず、後方の定位置。
4  4角を内にマジンプロスパー、その外に馬体を合わせんとするカレンチャン。離れた3番手のロードカナロアも出撃態勢。直線中程でマジンプロスパーの脚色が鈍りだし、一気にカレンチャンが先頭に踊り出ると、3番手のロードカナロアが待っていましたとばかり先頭をもぎ取りに行きます。そのときでした。
 好位置で気を窺っていたエピセアロームが、ひと追いごとに急接近。武豊騎手が一瞬、カレンチャンとロードカナロアの間を狙おうとしたのですが、急遽、ロードカナロアの外に進路変更。先頭に立ったロードカナロアをゴールで頭差差しきって小倉2歳S以来の重賞制覇。ここ2年1分8秒台の決着でしたが、今年は1分7秒3とレベルの高さを見せつけてくれました。
5  それにしても、カレンチャンは5ヶ月半ぶりの実戦で、馬体がプラス22K。明らかに調整不足は否めませんでしたが、マジンプロスパーと競り合って、なおかつこれを競り落として先頭。0秒1差の4着は大収穫だったと思います。 
 来るスプリンターズSでは、キチッと研ぎ澄まされた馬体で、巻き返しを狙ってくるはずです。
 一方で、ヘニーハウンドに注目していたのですが7着。出負けして直線もこれといった伸び脚が見られませんでした。2走目の反動でしょうか?期待の成長株としてイチオシの1頭でもあり、反撃に注目しています。

驚愕のタイム!遂に競走馬は1分31秒台の壁を突破した!!

 厳しい残暑が残る中山競馬場。なんとなく傍の木立の葉も、この暑さで元気がなさそうにうな垂れている感じです。
 各地では記録的な連続真夏日を更新中。記録といえば、天候に恵まれた新潟開催もそうでしたが、高速馬場で凄い時計がポンポンと連発。とくに開催後半の「新潟2歳S」で、ザラストロの1分33秒5、ラスト33秒4のレコード勝ちは衝撃的でした。
 中山、初日の2歳500万でミヤジタイガが芝1800mを1分46秒4のレコード勝ち。9頭立てで今ひとつパッとしない組み合わせだったことから、レコード決着とは考え辛かったのですが、まさかでした。そして、1000万の木更津特別でもコスモソーンパークが芝1600mを1分32秒3で快勝。重賞級のタイムを1000万クラスの馬がアッサリと計時したことで、これは凄いことになった、これまでの常識を破る高速決着になるかも知れないと、武者震いしたものです。
 まさに、それは案の定でした。日曜日の10レース、セプテンバーS。準オープンによる一戦でしたが、4番人気のニシノステディーが、芝1200mを1分6秒9のレコード。トロットスターの持つ時計を11年ぶりに書き換えたのです。

No1 No2
 そして、注目の一番「京成杯オータムH」。優勝は3歳馬レオアクティブ。直線最内の経済コースをピッタリ走り、ゴール前で最内から一気に差し切って1分30秒7のレコードで快勝。ゼンノエルシドの持つ1分31秒5を、なんと0秒8も上回る衝撃の時計。これは日本レコードの樹立でもありました。
No3  そもそも中山秋の開幕週ということは、競馬ファンであれば誰の目にも、時計が速くなり、逃げ、先行馬には有利な舞台であることは先刻承知。そこで2、3番手で対応できるマイル巧者のエーシンリターンズが、前走の関屋記念2着からも1番人気として浮上。まあ、これは納得できましたが、2番人気が追い込みのレオアクティブ。2走前のNHKマイルCで8着だった馬で、前走の朱鷺Sを高速タイムで一気差した内容を評価されたのでしょうか。意外でした。そして、3番人気がコスモセンサー。ここ5戦で2勝、マイラーズS3着、安田記念3着、持ち前の先行力と、2番枠から1番人気に推されても当然のような馬。この3頭が単勝4倍台。
No4  私の予想は、開幕週を意識して狙ったポジション取りに先行馬が動くので、出入りの激しいペースになると読んでスマイルジャック。大きく出遅れた安田記念で最後方から直線だけで追い込み8着。人気のサダムパテックや関屋記念を勝ったドナウブルー、香港のラッキーナインに出走メンバー最速の33秒7の豪脚で先着。ただ出るだけだった宝塚記念のブービーは、このきゅう舎のご愛嬌のようなもの。そして関屋記念は超スローの展開で最後方近くからラスト32秒4という強烈な末脚で6着に肉迫。3着のスピリタスと0秒2差だったことからも、末脚を生かせられる流れなら差し切れると判断。1番枠でしたがむしろ内々の経済コースを走れることを重視。流れが速くなれば必ずバラける展開になるはず。それは追い込む馬にとって決して内枠がマイナス要因にはならないと分析。田辺騎手が中山マイルの1番枠を意識して、最初は仕掛けて中団くらいの位置を占めることが出来たら勝てる、と読んだのでした。
No5  まさにその読みはピッタリ!何が何でもとばかりに飛び出したゼロス。内からコスモセンサー、中からスペシャルハートが絡んで、ガンダーラと、キョウエイストーム、ファイヤーフロートも遅れまいと急追。
 そして私の◎スマイルジャックはスタートと同時に田辺騎手が、少ししごいて2コーナーを回ったときに中団の最内を確保。ここで折り合いに専念。そこにはスピリタスとエーシンリターンズ。エーシンは12番枠が応えたのか思ったポジションを取れず後手後手の対応。
 グングン飛ばすゼロスが2番手以下を引き離して大逃げの形。半マイルが45秒1、1000m通過は56秒2、1200m通過が1分7秒4。なんと1400mを1分18秒9という日本レコードで通過。信じられないような超ハイペース。
 4角でコスモセンサーとファイヤーフロートが先頭のゼロスに接近。エーシンリターンズはまだ中団。そのとき内からスマイルジャックが追撃態勢。直線ですぐ外の馬に併せて行ったために最内ががら空き。そこを通ってスマイルの直後で満を持していたレオアクティブがグングン肉迫。一旦、スマイルジャックが抜け出したのですが、そこを空いたインからレオアクティブが見事な一気差し。スマイルジャックが最内に固執していたら、際どい勝負になっていたはずです。3着に馬場中央から良く伸びたスピリタス。
 ☆レオアクティブ◎スマイルジャック▲スピリタスという予想で的中!となりました。
No6 No7

 それにしても、日本レコードの1分30秒7を、このクラスの馬がアッサリと叩きだしたということは、色々と考えさせられます。マイル戦の1分31秒の壁は険しいと言われながら、3歳馬のレオアクティブが塗り替えてしまったのですから、この衝撃は小さくないはずです。
 その反面、競走馬は速く走れば走るほど、脚元や大きな馬体を支える骨にかかる負担は計り知れません。地球という地面から受ける衝撃も尋常ではないはずです。むろん、急激な細胞破壊と疲労度も並みではないでしょう。競走馬は限界のタイムに近づけば近づくほど、その反動との背中合わせ。今回の京成杯オータムH組が、なんとか無事に秋競馬を乗り切ってくれることを祈るばかりです。