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あの白い馬体で日馬冨士もビックリするような圧勝劇を見せつけた横綱!

No1_2  2場所連続全勝優勝という快挙を成し遂げた日馬冨士。全15日制となって、貴乃花以来、なんと2人目の快挙だそうです。これで白鵬と共に東西の二人横綱が、朝青龍が引退して以来、久しぶりに誕生。ただし、この3人はいずれもモンゴル人。ああ、日本の国技でもある大相撲。数々の日本人大横綱の看板は遠くなりにけりなのでしょうか。

 競馬は秋開催がスタートして、クラシックの足音が高くなってきました。今年は春の既成勢力がトライアル戦で地力を発揮。ローズSの牝馬陣しかり、牡馬陣もセントライト記念でダービー2着馬フェノーメノが完勝。
 そして、菊花賞最終便ともいうべき注目の一戦「神戸新聞杯」。皐月賞馬でダービーでも多くの支持を集めたゴールドシップが人気の中心。これに同じ単勝2倍台で続いたのがマウントシャスタ。古馬のトップクラスが勢揃いした宝塚記念で、直線先頭という見せ場十分のパフォーマンスを披露。この2頭が3番人気のヒストリカルを大きく離して、さながら本番前のマッチレース的様相。
No2  日曜日の未明の降雨で、ダートはやや重で、芝は良馬場。主導権を取りたいフミノポールスターかメイショウカドマツ。距離が2400mということもあって、速い流れは考えづらく、坦々としたペースで、3角から出走権を取りに各馬目まぐるしく動くと予測。最後はスタミナがモノをいう競馬だろうと見ていたのですが・・。
No3  予想通り飛び出したフミノポールスターを追ってメイショウカドマツが2番手。前半の1000mを1分0秒7で、半分の1200m通過が1分13秒2。いくらか時計を要していた馬場ということを考えると平均に近いペース。中団の外にマウントシャスタ、その直後でマークするようにゴールドシップ。ヒストリカルは例によって後方待機。
No4  流れが動いたのが3角過ぎ。離して逃げていたフミノポールスターを追ってメイショウカドマツの手が動きます。離れた3番手以下の馬も遅れまいと懸命の追走。そこから大きく離れた中団の外にマウントシャスタとゴールドシップが並んで追撃態勢。
No5  4角で先頭を奪い取ったメイショウカドマツ、後退したフミノポ-ルスターの外にユウキソルジャーが好位から進出。大外をまわる形でゴールドシップが凄い勢いで前を追ってきます。このときマウントシャスタの手応えは十分なのに、置いていかれる形でインコースに進路。これが結果的に裏目。
 直線外から役者が違うとばかりにゴールドシップが突き抜けていきます。それはまさに横綱相撲。結局、余裕綽々と2馬身半差のワンサイドショーでした。
No6  一方、マウントシャスタは直線で前が壁になり、なんとか2頭の間をこじ開けるようにして出たのですが、ゴールドシップの直後で、これをマークしていたロードアクレイムの末脚が、内からようやく抜け出たマウントシャスタの末脚を上回り、2着に食い込んで菊花賞のチケットをゲット。
No7  3着とゴールドシップに完敗したマウントシャスタ。こちらも菊花賞出走の権利を取ったものの応援したファンをガッカリさせる内容。窮屈なところを、やっと割って出るような厳しい競馬に自ら落ち込んで行く騎乗に、川田騎手、彼自身はは何点をつけたのでしょうか。それと一瞬に間を突き抜けなくてはならない事態に、あのスローモーションを見ているような独特のフォーム。なんとも違和感を覚えました。
No8_1  ともあれ、収穫もあったのです。プラス18Kの馬体重。宝塚記念が450Kだったことで、多少余裕残りだったにしても、秋本番に向けて明るい材料だったことは間違いないでしょう。
 ところで、私は武豊騎手に乗り替わったカポーティスターに注目していたのですが、後方追走から直線外をチョロチョロと伸びてきただけ。青葉賞で2番人気、2300mの新緑賞がラスト33秒0で大楽勝。ハーツクライの素晴らしい逸材と見ていたのですが、好スタートだったのにどんどん下げて後方。この消極策で菊花賞の権利は無理。菊花賞の穴馬の1頭が消えた残念な一戦でした。

右回りは克服したものの14番人気馬に1馬身差まで肉迫されたセントライト記念!

 単勝2.0倍のダービー2着馬フェノーメノにとっては、当然ながら菊花賞でGI制覇が大目標。トライアルのセントライト記念はその過程にあるといっても、春の強力メンバーが不在ということを考えると、自らの力でねじ伏せなければならない一戦だったのです。ファンにしてみればダービーで勝ったかも知れないと思わせた、ハナ差という強烈なパフォーマンスを披露したわけですから、この一段下がったメンバー相手に、力強く横綱相撲をして、菊花賞につなげて欲しい、という気持ちが本心だったはずです。
 まず取りこぼせない一戦、取りこぼしてはいけないセントライト記念。レース後に蛯名騎手は自信があった、と言うものの、過去、中山で7着、そして6着。やはり、それなりにプレッシャーは感じていたはずです。
1  強力な逃げ馬がニューダイナスティ。先行タイプのサンレイレーザーが外目の枠を引いたために、ニューダイナスティにとっては楽な一人旅。岩田騎手の見事な演出に期待しようとするファンが、人気を押し上げたか6.6倍の2番人気。
 このことがフェノーメノの蛯名騎手に少なからず心理的影響を与えたことは否定できません。スタートから仕掛け気味に好位置のポジション狙い。中団、後方待機で末脚を生かす戦法だった春当時とは違いました。
 予想通り主導権を取って逃げるニューダイナスティ。ところが、前半3ハロンの入りが35秒2と遅かったために、2番手から先頭に立とうとするソルレヴァンテがいたので、少しスピードアップ。最初の1角では3番手のアーデント以下を、2頭でやや離し気味に先行。カナロア、ボーイフレンドが続き、その直後にフェノーメノ。その真後ろにスカイディグニティ、外にエキストラエンドとダノンジェラート。後方インに久々のベストディールとエタンダール、ラニカイツヨシ。
2  2コーナーで外に出したフェノーメノが、前に照準を合わせるかのように3番手のアーデントの外に進出。スカイディグニティもインの経済コースを通って好位置に進出。
 前半の1000m通過が60秒2。予測したスローペース。レース直前に強い通り雨があったとはいえ、馬場コンディションに特別変わったところも見られず。
3  3角で逃げるニューダイナスティの3番手に、もう早々とフェノーメノが進出し追撃態勢完了。これを追って外からダノンジェラートも進出態勢。そして4角をまわったところでは、もうフェノーメノが先頭に踊り出んばかりの勢い。内で頑張るニューダイナスティにとってこれは厳しい形。これをダノンジェラートが必死になって追いかけます。4角で外目に出したスカイディグニティ。
 早々と直線先頭に立ったフェノーメノ。ここで一気に後続を突き放すのか、と思えたところ、後続もジワジワと肉迫。なかでも、スカイディグニティの伸び脚が際立ち、あっという間に2番手に上がると、目指すフェノーメノ目がけて猛然と肉迫します。結果は1馬身差及ばず2着。
4  確かにフェノーメノは余裕を感じさせるレースではあったのですが、スカイディグニティの伸び脚、勢いが勝ち馬を勝っており、ダービー2着馬にしては、ややもの足りなさを覚えたことも事実。なにしろスカイディグニティは3走前に未勝利をやっと勝ち、前走の新潟1000万・阿賀野川特別では6着に敗退。納得の14番人気馬でした。
 このセントライト記念の結果をどうとらえるのか、その判断によっては、菊花賞の展望が大きく変わってきます。