2場所連続全勝優勝という快挙を成し遂げた日馬冨士。全15日制となって、貴乃花以来、なんと2人目の快挙だそうです。これで白鵬と共に東西の二人横綱が、朝青龍が引退して以来、久しぶりに誕生。ただし、この3人はいずれもモンゴル人。ああ、日本の国技でもある大相撲。数々の日本人大横綱の看板は遠くなりにけりなのでしょうか。
競馬は秋開催がスタートして、クラシックの足音が高くなってきました。今年は春の既成勢力がトライアル戦で地力を発揮。ローズSの牝馬陣しかり、牡馬陣もセントライト記念でダービー2着馬フェノーメノが完勝。
そして、菊花賞最終便ともいうべき注目の一戦「神戸新聞杯」。皐月賞馬でダービーでも多くの支持を集めたゴールドシップが人気の中心。これに同じ単勝2倍台で続いたのがマウントシャスタ。古馬のトップクラスが勢揃いした宝塚記念で、直線先頭という見せ場十分のパフォーマンスを披露。この2頭が3番人気のヒストリカルを大きく離して、さながら本番前のマッチレース的様相。
日曜日の未明の降雨で、ダートはやや重で、芝は良馬場。主導権を取りたいフミノポールスターかメイショウカドマツ。距離が2400mということもあって、速い流れは考えづらく、坦々としたペースで、3角から出走権を取りに各馬目まぐるしく動くと予測。最後はスタミナがモノをいう競馬だろうと見ていたのですが・・。
予想通り飛び出したフミノポールスターを追ってメイショウカドマツが2番手。前半の1000mを1分0秒7で、半分の1200m通過が1分13秒2。いくらか時計を要していた馬場ということを考えると平均に近いペース。中団の外にマウントシャスタ、その直後でマークするようにゴールドシップ。ヒストリカルは例によって後方待機。
流れが動いたのが3角過ぎ。離して逃げていたフミノポールスターを追ってメイショウカドマツの手が動きます。離れた3番手以下の馬も遅れまいと懸命の追走。そこから大きく離れた中団の外にマウントシャスタとゴールドシップが並んで追撃態勢。
4角で先頭を奪い取ったメイショウカドマツ、後退したフミノポ-ルスターの外にユウキソルジャーが好位から進出。大外をまわる形でゴールドシップが凄い勢いで前を追ってきます。このときマウントシャスタの手応えは十分なのに、置いていかれる形でインコースに進路。これが結果的に裏目。
直線外から役者が違うとばかりにゴールドシップが突き抜けていきます。それはまさに横綱相撲。結局、余裕綽々と2馬身半差のワンサイドショーでした。
一方、マウントシャスタは直線で前が壁になり、なんとか2頭の間をこじ開けるようにして出たのですが、ゴールドシップの直後で、これをマークしていたロードアクレイムの末脚が、内からようやく抜け出たマウントシャスタの末脚を上回り、2着に食い込んで菊花賞のチケットをゲット。
3着とゴールドシップに完敗したマウントシャスタ。こちらも菊花賞出走の権利を取ったものの応援したファンをガッカリさせる内容。窮屈なところを、やっと割って出るような厳しい競馬に自ら落ち込んで行く騎乗に、川田騎手、彼自身はは何点をつけたのでしょうか。それと一瞬に間を突き抜けなくてはならない事態に、あのスローモーションを見ているような独特のフォーム。なんとも違和感を覚えました。
ともあれ、収穫もあったのです。プラス18Kの馬体重。宝塚記念が450Kだったことで、多少余裕残りだったにしても、秋本番に向けて明るい材料だったことは間違いないでしょう。
ところで、私は武豊騎手に乗り替わったカポーティスターに注目していたのですが、後方追走から直線外をチョロチョロと伸びてきただけ。青葉賞で2番人気、2300mの新緑賞がラスト33秒0で大楽勝。ハーツクライの素晴らしい逸材と見ていたのですが、好スタートだったのにどんどん下げて後方。この消極策で菊花賞の権利は無理。菊花賞の穴馬の1頭が消えた残念な一戦でした。