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無敵キングダムを一蹴したアリゼオは、またまた横山典の神がかり的手腕!!

1003254 「馬に乗っていることが、こんなに楽しいときはなかったな・・」と、言っていた横山典騎手。その彼の騎乗したアリゼオが意表をつく逃げの手に出て、見事な逃げ切り勝ちを決めたのです。
 「これまで騎乗していたルメール騎手が、他の馬を気にすると言っていたので、横並びのレースにならないように、集中して走ることが出来るよう心がけて乗りました」と、横山典騎手。さすがです!
 昨秋の毎日王冠や天皇賞で女王ウオッカを撃破したときの、いわゆる一流の“勝負勘”のようなものが、現在の横山典騎手には備わっているようです。
 スタートは平凡でしたが1003252二の足が速くて5番枠から難なく主導権。逃げると思われていたカワキタコマンド、バーディバーディが来ても、まったく動じずスイスイとマイペース。というよりも、前半の5ハロン通過が60秒2。内回りの芝1,800mにしては遅いほうの流れ。この流れが幸いしたのが2着で皐月賞の優先出走権を得たゲシュタルト。好位置キープから3角で3番手。終始経済コースを通り追撃体制。フルに力を出し切りました。
 主導権を楽に取れたアリゼオはまさに一人旅の形で、直線も後続を寄せ付けず快勝。共同通信杯ではゴール前で3頭の間にサンドイッチされる形で叩き合い。不覚の3着だったことが、この日のスプリングSで生かされたような気がします。1003253
 1分48秒2、ラスト35秒6は重賞クラスとして決して優秀な時計ではありませんが、全体的に芝は時計を要している馬場コンディション。メイショウサムソン、フライングアップル、スマイルジャック、アンライバルドと、ここ5年の勝ち馬のうちでは最高タイム。
 さあ、次は皐月賞、芝2,000mは2戦2勝。この距離適性も大きな武器。そして中山芝は2戦2勝。期待馬がまたスケールアップして本番に挑みます。

 それにしても、1・4倍のローズキングダムが3着。それもゴール前でゲシュタルトと馬体が合い激しい叩き合い。それで頭差遅れたのは能力か、体調が完全ではなかったのか、それとも騎乗ミスか!?
 そもそも、皐月賞が最大目標なら1003251ば、スプリングSよりも皐月賞と同じ弥生賞に駒を進 めるべき。そのほうが本番までローテーション的にゆとりができたはず。ヴィクトワールピサとの直接対決を避けたかったのかも知れませんが、クラシックはサバイバル。本番前であっても強力な相手を打ち破って自信を得たり、あるいは例え敗れたにしても、本番まで逆転を狙い、秘策が考えられようというものです。
 馬場コンディションを考慮して、ローズキングダムは皐月賞を回避。ダービー1本に仕上げていく、という報道も耳にしますが、ヴィクトワールピサとの皐月賞対決を待ち望んでいるファンの気持ちに、是非応えて欲しいものです。

 私はスプリングSで2戦2勝のサンライズプリンスに期待していました。前日の17時現在の単勝オッズが12倍くらい。ところが、当日は7・1倍。猛烈な勢いで票数を伸ばしました。2勝とも圧倒的な横綱相撲。いずれも2,000m。非常にフットワークが大きく、また迫力があることから器の大きさに期待していたのですが、初めての右回り、初めての急坂で1,800m。いろいろ課題はあったとはいえ、出走権をゲットするにはここが最後の舞台。何 とかと思ったのですが無念の4着。スタートが悪く、中団の後ろで展開。しかも、前残りの流れで内回りでは無理でした。北村友騎手にはもう少しローズキングダムを負かすくらいの気持ちで、臨んで欲しかったと思います。恐らくこの馬は滅多にバテないタイプだと考えています。本来は皐月賞よりも東京の良馬場で長距離向き。是非とも日本ダービーにその名があることを期待しています。

ディープインパクトの鳴き声は難しいなあ・・と猫八さん

1003241  「ディープインパクトですか~!? 普通ね、走る馬というものは、まず鳴かないんですよ。パドックなんかでさ、GIのときにヒーンヒーン鳴いている馬がいる? ほとんど聞いたことがないよね。でもさ、折角だから、ヒッヒーン、プッフォー、ブルブル、プッフォー、こんな感じかな」と、猫八さん。
 この日のTBSラジオ「アベコーのモリもりトーク」のゲストは江戸家猫八さん。猫八さんは昨年、11月に先代を引き継いで襲名披露。江戸家子猫、改め第4代目、江戸家猫八を襲名。
 「師匠、お久しぶりです。11月の襲名披露は行けなくてすみません」と私。
 「いやいや、立派な御花を頂戴致しまして、かえって申し訳ございません。あのときは横山典騎手、田中勝騎手、それに岡部幸雄さんなどに沢山ご出席して頂きました。感謝しております」と猫八さん。
 「それにしても、やっとですよ。以前からこの番組に師匠を、お願いしていたんですが、お忙しくて来ていただけなくて・・」と、私。
 「ホントにアベコーさんごめんなさい。なかなかうまく時間が取れなくて・・。本当にすみませんね」と師匠。
 「4代目の猫八師匠とは、先代を通じて知り合えたのですが、それにしても師匠と私は同い年。これもご縁ですねー」
 「本当にそうですね~。随分時がたちました。先代はホースニュース馬社の亡くなった角田二郎さんと友達でしたから、一緒に馬を持ったりしてね。そこからのご縁つながりですよ」と、師匠。
 「先代といえば、生前、僕も随1003242分とお世話になりました。浜町のご自宅にお邪魔して、昔の競馬についてお話を窺ったものです。何でも、先代は競馬の成績を自ら1頭1頭書き込んでいたらしいですね」と私。
 「そうなんですよ、競馬新聞というちゃんとしたものがない時代、あるいはあっても成績らしい成績が掲載されていない時に、自分で書き込んでいましたね。巻物にして・・」と師匠。
 「そうです、そんなことを言っていましたね。宝の巻物だから・・と自慢されておりました」
 「そうでしょう、まあ、よほど好きじゃないと出来ません。その巻物も今はないんですよ」と師匠。
 「そうなんですか、それは勿体ない。競馬の歴史的価値も十分あると思いますよ。江戸 家猫八製作ですからね。師匠! もう1回探して下さい。お願いします」と私。
 「随分探したのですが、まあ、そこまで言われるなら、もう1度探してみます」と師匠。
 
馬名の冠に“キャット”を付けた先代の持ち馬で、とくに有名だったのは中距離以上にすこぶる強かった、その名もずばり“キャットエイト”
 「本当にキャットエイトは良く走りました。先代の親父もこの馬が出るときは格別、力が入ってましたね。まるで自分が走るかのように・・。そんな姿を昭和30年代から親父の後にくっついて見ているわけですからねー。ブッシャンとかシンザンもこの目で見て、よく覚えていますよ」と師匠。
 「わあ、そうなんですか! 4代目が中学の頃ですね。それにしても、先代は競馬場でお会いするたび、どんな時にも本当に嬉しそうなお顔をしていましたよ。競馬ってなんて楽しいの! という表情が今も忘れられません」と私。
 「競馬場で馬が走る姿が、なにより好きでしたから・・。自然に身についていたのでしょうね」と師匠。1003243
 
 「江戸家猫八さんといえば、やはりウグイスの鳴き声ですか?」と私。
 「そうですね、ウグイスは江戸家の伝家の宝刀のようなものですから。やってみましょうか?」と、師匠がいきなり、指を口の横に入れるや
 「ほ~ほけきょ! ほ~ほけきょ。けきょけきょけきょ、ほ~ほけきょ!」いやあ、十八番とはいえ、実に見事なものです。
 「リーン、リーン、リーン」鈴虫です。もちろん犬あり、猫あり、キリンまでも。
 数々の動物たちの鳴き声、鳥に虫と、鳴き声は赤坂のスタジオからリスナーの方に届けられました。
 ここでマリンちゃんが「師匠! 鳴き声の出し方を教えて下さい。動物の鳴きまねが出来る声優になりたいんです!」と提案。
 これを快く「了解!じゃ、いいですか、人差し指の小さい穴が少し見えるくらいに、人差しの指をコの字型にして、ほっぺたにつけないように息を吐くいいですよ」指の場所は一番トーンが出るところ。いいかな?」と師匠。
 「フーっ、フーっ、フーっー」と真剣なマリンちゃん。なかなか音が出ず、悪戦苦闘のマリンちゃん。やはり、にわか仕立てでは無理なようです。
 「浅草演芸ホールや上野の寄席でやってますから、是非、遊びに来てください」と、優しい江戸家猫八師匠でした。