やはり、というのか、なるほどと言うべきか、皐月賞で1・7倍と圧倒的な1番人気だったロジユニヴァースが衝撃的な大惨敗! 何故、こうなったのか? ファンにしてみれば、疑問だらけでしょう。当然です。圧倒的な強さで、まさに無敵の快進撃。ほとんどが楽勝に次ぐ楽勝。スケールが一枚も二枚も違うレース。これほどの馬が、よもや14着に失速するとは思いもよらなかったはずです。
私は顔ぶれを見たときに危ない、と直感。それは同じようなタイプのリーチザクラウンにサトノロマネ、ゴールデンチケット、アーリーロブスト、ミッキーペトラなど、余りにも似たような脚質の馬が勢揃い。しかも、ロジユニヴァースは過去に楽なレースばかりで、中団の馬込みでもまれた場合にどうなるのか、といった厳しいレースを経験したことがなかったのです。直前の弥生賞も楽に先手を取り、マイペースに持ち込んでそのまま逃げ切り勝ち。課題を積み残したままの皐月賞でした。
更に、1番枠を引き当てたときに不安は増幅しました。この枠では外から同型馬がどっとやってくる。内で控えた場合、前に行っている馬からのプレッシャー、横にへばりつく馬からのプレッシャー。初めて経験する事態に、いつものような競馬ができない恐れがある。大外枠を引き当てた2番人気リーチザクラウンの武豊騎手も、リーチが追って味がないことをわかっているはず。ゆえに大外枠でも前に前に行く形を取るしかないだろう。
前半5ハロンが59秒1なので、特別速いというわけではありませんでした。それでも4角でロジユニヴァースの横山典騎手は、好位置の外に出したのですが、そのとき後続が外からどっとやってきて、またまたロジユニヴァースは初めての恐怖に似たプレッシャーからか、抵抗できずお手上げの失速。同様にリーチザクラウンも追い比べでズルズル後退。
私は、ロジユニヴァースが勝つチャンスは、枠順から考えて思い切って逃げることしかない。主導権を取ったときのロジユニヴァースは間違いなく一番。オーバーペースを覚悟で逃げるしかないだろうと考えていましたが、やはり、そこまでの大胆さは見られませんでした。次なる日本ダービーもロジユニヴァースとリーチザクラウンの出方が大きな鍵を握っているのです。
さて、優勝したアンライバルドは京都、若駒Sでの強烈な末脚、そして前走のスプリングSの馬群から抜け出す脚の速さが抜群。これまでのレースから前に馬がいても、馬込みにもまれても、まったく動じない卓越した精神力。これを最大の武器に、直線早めに突き抜けました。1分58秒7は、過去10年で、ノーリーズン、ダイワメジャーに次ぐ優秀な時計。このあとダービーに直行であれば、初めての東京、左回りという課題はあるもののダービー1番手には違いありません。
馬体が絞れた昨年の年度代表馬セイウンワンダーが3着も嬉しいニュース。ただ、2着のトライアンフマーチはまったく予想外。1勝馬で2走前に未勝利勝ち。若葉Sで運よく2着に入り、出走にこぎつけた印象があったものですから、未だに不明の2着でした。
ところで、私が狙ったフィフスペトルが7着。安藤勝騎手は後方待機。「距離が微妙だったからじっくり乗って、末脚にかけようと思っていました。一瞬、3コーナー手前で外に出すチャンスがあったけど、外を回って勝てるとは思ってなかったから、内で脚を残しているうちに、外から後ろの馬に来られてポジションが悪くなってしまった。それでも最後はいい脚を使っているし、距離は大丈夫のようだね」
朝日杯、スプリングSで素晴らしい脚を見せたフィフスペトル。セイウンワンダーの3着から考えても、外に出していればもう少しなんとかなったのでは・・と思わせました。それでも、関東在籍馬の最先着です。
やはり、危ないと思った皐月賞1番人気ロジユニヴァースの惨敗劇!
今年の3歳クラシックは無風!カチンカチンのテッパンという声に!!
12年ぶりの決着となった桜花賞。優勝馬は単勝1・2倍、断トツ人気のブエナビスタ。わずかに半馬身遅れて2番人気のレッドディザイア。1、2番人気の決着は、1997年、12年前のキョウエイマーチとメジロドーベル以来のこと。
確かにブエナビスタは強烈な強さでした。出負けして最後方に置かれる苦しい展開。4コーナーを回って、前に馬がおりスムーズに捌けなかったものの、大外に出すと1頭次元の違う脚で襲いかかってきました。それは獲物を追って疾走する草原のピューマ。ラスト33秒3の破壊力で見事な一気差し。
あの2年前のウオッカ(1番人気・2着)が、優勝したダイワスカーレットを追って33秒6の豪脚を駆使。それ以上の切れ味を見せたわけです。勝ち時計は1分34秒0で、ウオッカよりわずか0秒1遅かったのですが、内容的にはウオッカ以上の桜花賞だったと思います。
となると、ウオッカ同様に、再び日本ダービーへの果てしない壮大な夢が広がります。ただし、オーナーを含めて、きゅう舎サイドは、オークスにという考えのようです。もっとも、ウオッカがダービーで圧勝したときは、牡馬陣が比較的手薄な世代。ダイワスカーレットの活躍でも牝馬の層の厚さを実証しています。今年はロジユニヴァース、アンライバルドと言った強力な牡馬陣が健在。手堅くオークスは無理からぬところでしょう。
ところで、桜花賞で2着だったレッドディザイアも大変な好素材。敗れたとはいえ半馬身差。しかも、四位騎手が完璧なレースをして、ゴール前で先頭に立ったところを差し込まれたもの。キャリア2戦でフラフラ走っていて、それで1分34秒1、ラスト33秒7は、ウオッカと比較しても遜色なし。今回の桜花賞で培った経験をバネに、オークスでは打倒ブエナビスタも十分です。
いずれにしても、オークスは強力2頭の争いが濃厚。ただし、1、2番人気の決着となった12年前のオークスの結果は、桜花賞2着のメジロドーベルが優勝。ところが、2着に13番人気のナナヨーウイング。馬連は万馬券でした。
その前の、1987年の桜花賞1、2番人気マックスビューティ・コーセイの1、2着は、オークスではマックスビューティが優勝したものの2着が10番人気のクリロータリー、3着が11番人気タレンティドガール。
ということは、オークスではとんでもない馬が、2頭の人気馬に割って入るという可能性も考えられます。穴党ファンは、これからこのとんでもない馬の探しの旅です。