届いたミッキーからの挨拶状

 3月1日
 松永幹夫調教師から挨拶状が家に届きました。
070314_1  この度、3月1日付をもちまして 新規開業することになりました
 全く無縁だった競馬の世界で今日あるのも貴殿をはじめ多くの方々のお陰と深く感謝いたしております
 これから新しい慣れない立場ではありますが 初心に戻って全力を挙げてご期待に添うべく努力する所存です
「零」からの出発ですが これからも末永くご支援 ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます

 実に丁寧な文面でした。彼の性格の律儀さがよく出ているものでした。
 あれからどのくらい立つでしょうか、京都、都ホテルで行われた彼の結婚式に招待を受けました。多くの招待客、来賓客が列席している中で、帰り際、彼はボクの手を取って、
「わざわざ京都まですみません。これからもよろしくお願いします」と、送り出してくれました。とても心地よい気分で帰京したことを覚えています。
 騎手当時、レース後のインタビューでは実に丁寧にコメントしてくれる、記者仲間でも評判のジョッキーの一人でした。常に相手のことを思いやるような優しさがありました。

 そういえば、忘れられないこんなエピソードがあります。
 それは1992年の菊花賞。この年、大変な馬がクラシックの主役にドーンと、居座っていました。デビューから7戦7勝、無敵の快進撃を続けるミホノブルボン(松元茂きゅう舎)です。むろん、皐月賞、ダービーも連勝し2冠馬。いよいよ4歳(現3歳)最後の砦、菊花賞を迎えようとしていました。
 ミホノブルボンの父はマグニテュード。その産駒は短距離戦で活躍、スプリンター系というイメージから、3000mの距離に不安視する向きもあったのです。
 菊花賞で松永幹夫騎手はキョウエイボーガンに騎乗してきました。
「いやあー、ビックリしましたね~。こんなスピード馬がなんで3000mなんて使うのだろう、無茶やるなあ、と思いましたよ」

 ブルボンよ、ガンバってくれよ~!

 「そこでね、ボクはみんなの、ブルボンの邪魔をしないように、1200mの競馬をしてやろうと思いましたよ」
 レースは松永ボーガンが思い切って飛び出し、11秒台の速いラップが刻まれていく。ところが、ところがなのです。
 彼はこういいます。
 「いやあ、参りましたよ、だって迷惑かけないように、ボクのだけ違う競馬をしようと思って乗っていたら、なんとブルボンが一生懸命に追いかけて来るんですよ。わあ、ブルボン、ボクに構わないで・・と思ってもブルボンは来るんです」
 「それでね、4コーナーでブルボンに交わされていくときに、手綱を追いながら、ブルボン、ミホノブルボン、頑張ってくれよ~!って、ブルボンの後ろ姿を見ながら応援していました」
 ところが、結果はダービー2着のステイヤー、ライスシャワーにゴール前で交わされ3冠の夢が消滅。とはいえ、ゴール前でインから伸びてきたマチカネタンホイザに完全に交わされながら、なんとゴール寸前でまた盛り返し2着に浮上。このガッツ、この勝負強さにスタンドから大歓声と拍手の嵐。
 「2着でしょう。なんか乗っていた小島貞さんに申し分けなくて、しばらく顔も合わせることが出来ませんでしたよ。でも、挨拶しておかないと、という思いから、決断して謝りに行きましたけどね。ああ、いいよいいよ、と言ってくれました」
 「だから菊花賞と聞くと、ブルボンを思い出しますねー。いまだに小島貞さんの顔を見ると、ああ申し訳ないって・・」と、苦笑いを見せながら、当時のことを振り返ってくれたことを、思い出します。私は彼の言葉の随所に、彼の優しさを感じたものです。

  あのミホノブルボンの菊花賞から、14年半という歳月が流れました。松永幹夫ジョッキーは、こだわったステッキを置き、今年の3月にきゅう舎を開業。その中の1頭、ハギノルチェーレが、先週の桜花賞トライアルのフィリーズレビューで3着に好走。桜花賞出走のチケットを手にしました。桜花賞は過去に、キョウエイマーチ、チアズグレイスで優勝。再び、あのミッキー(松永幹夫騎手当時の愛称)スマイルを、ウイナーズサークルで見たいものだと思います。ファンの一人として・・。

クラシックはこれで決まり!との声

 ウオッー、驚愕的強さ

 いやあ、驚きました。何がって、そりゃチューリップ賞ですよ。そう先週の桜花賞トライアル。強い強いとはわかっていたもののウオッカダイワスカーレットで、後続に6馬身差。GⅠ阪神JF4着のローブデコルテが武豊騎手で臨んだにもかかわらず、はるか離された5着。何もこれはローブデコルテが走らなかったわけではなくて、ウオッカとダイワスカーレットがたまげるような強さ、震撼させる強さ、驚愕的な強さ、まあ、形容しきれないくらいの強さだったというわけ。
 なんと言っても凄かったのは時計。2頭の壮絶な叩き合いで、勝ちタイムが1分33秒7にビックリ。昨年の優勝馬アドマイヤキッスが1分36秒5で、あのスイープトウショウが1分35秒5。比較にならないくらいの速さ。しかも、驚いたことに、ラスト3Fが共に33秒台。ウオッカにいたっては33秒5の神ワザ的破壊力。
 ちなみに、同じ阪神の初日に行われた重賞、アーリントンCはトーセンキャプテンと、ローレルゲレイロでゴール前の激しい死闘劇。トウショウが首差勝って、皐月賞の有力候補にのし上がったのですが、その時計が1分33秒9の優秀さ。とはいえ、チューリップ賞の2頭には見劣りました。それも、トーセンキャプテンのラスト3Fが34秒7と、1秒以上も遅いのです。チューリップ賞の2頭がアーリントンCに出ていれば、ちぎっていた計算になります。
 今年の3歳牝馬戦線には、阪神JFでウオッカと首差渡り合ったアストンマーチャンという凄い牝馬がいます。当時の勝ちタイムが1分33秒1というビックリ時計。
 新阪神コースだからこれだけの時計が出ているものなのか、わからない面もありますが、いずれにしても、阪神で行われる桜花賞。クラシックは3頭で決まりだ、という声も納得させられますね~。

 さあ、皐月賞に王手

 アドマイヤオーラがほとんどの人が予測していた通り(1・7倍)弥生賞を優勝。ゴール前でココナッツパンチの急襲にあいましたが、武豊騎手によると先頭に立ってふっと気を抜いたものだとか。
 それにしても、アドマイヤオーラは前からブログでも、クラッシックとして取り上げていましたが、文句なしに今年のクラシック大将格です。弥生賞の前までの3戦はスローペース。それゆえラスト33秒台の強烈な破壊力を見せつけてきたのですが、流れが一転して変わると、資質の高い馬でも力を出し切れず、敗れ去っていくケースがままあること。弥生賞で注目していたタスカータソルテ(7着)もそのいい例でしょう。4角では大外にはじき飛ばされてしまいました。そういった経験のない流れでも勝ち上がったあたりに、アドマイヤオーラの素晴らしさがわかります。
 勝ち時計も凄いです。2分0秒5です。昨年のアドマイヤムーンが2分1秒5ですからジャスト1秒も速いのです。大変な馬です。
 これで距離の2000㍍でも問題ないことを実証。京都、中京、そして今回の中山の急坂を克服。いよいよ皐月賞では無敗のフサイチホウオーの対決が。いやあ、今からドキドキします。
 でも、私は穴党ですから、対アドマイヤオーラ、フサイチホウオーのウイークポイントをついて、抜け出てくるような馬を探してみます。強さの影に欠点も発見しましたから、楽しみにしていて下さい。