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これが筋書きのないドラマか!世界の女傑は失速!

単勝1.5倍!断然の人気を集めた女傑アーモンドアイが直線で大失速。9着に凡退する事件が起きました。

今年最後のグランプリ「有馬記念」。圧倒的なファン投票で選出されたアーモンドアイ。矢作調教師は「アーモンドアイは世界一強い馬だと思っている」と。その矢作師が有馬記念に送り出した馬がリスグラシュー。アーモンドアイより1歳年長の夏のグランプリホース。この有馬記念がラストランと言明。それゆえ「時代を代表する女傑と初めて対戦することが何よりも幸せだ」と語りました。

そのリスグラシューがアーモンドアイに続く2番人気。珍しいことに牝馬同士が人気を形成。これも時代を反映しているのでしょうか。

主導権を主張したのは予想通りアエロリット。先頭に立つと1週目のスタンド前で一気に後続を引き離した大逃げ。大歓声の中で中団の外に待機したアーモンドアイが、やや掛り気味。その真後ろにフィエールマン。リスグラシューもこの位置でアーモンドアイを徹底マーク。その背後に控えたのが3番人気のサートゥルナーリア。出遅れたキセキは後方で展開。菊花賞馬ワールドプレミアは最後方で末脚を温存。

前半の5ハロンが58秒4。離して逃げるアエロリットが緩みないペースで飛ばします。このペースに先行した各馬は追走に四苦八苦。にもかかわらずアーモンドアイが3コーナー過ぎに動きます。これにフィエールマンもピッタリと付いて行きます。背後にいたサートゥルナーリアも仕掛けて出撃態勢。

直線に入り仕掛けてアーモンドアイが先頭に立ちかけます。その外にフィエールマン。さらに一番外に出したリスグラシューが急接近。この展開に内のアーモンドアイがギブアップ状態でジリ貧。中から一旦、フィエールマンが先頭に立ちかけましたが、外に並んだサートゥルナーリアが前に出ようとしています。これに満を持していたリスグラシューが切れました。抜群の切れ味で一気に先頭。その勢いで後続を突き放してグングンと加速。なんと後続に5馬身も突き放す独壇場。宝塚記念に続く怒涛の圧勝劇でした。

2着争いはサートゥルナーリアがゴール前で大外から追い込んだワールドプレミア(3着)をクビ差振り切り2着。一旦、直線先頭に立ちながら、最後の踏ん張りが利かなかったフィエールマンが4着。不本意な形で直線追い込んだキセキは5着でした。

  ゴール前で下がってしまったアーモンドアイは9着に無念の敗退。軽い発熱でドバイ遠征をキャンセル。その影響が出たのでしょうか。それとも初めての中山、初めての2500m。速い流れの中で早めに動くことになったアーモンドアイ。ルメール騎手も最後は無理をしませんでした。距離はベストが天皇賞の2000mかも知れません。

ジャパンCを快勝したスワーヴリチャードは中団のイン。直線では伸びを欠いて12着と敗退。右回りよりも東京のような左回りに良績。目一杯にアクセルを踏んだジャパンCの直後で疲労もあったのかも知れません。

私が期待したフィエールマンはアーモンドアイを意識してか、池添騎手も早めに動く形になり、結果的に厳しい展開となりました。それでも、直線先頭と見せ場十分。惜しい4着でした。 5馬身もちぎり捨てたリスグラシュー。今年5歳を迎えて、本格化著しいこれがラストラン。なにかもったいない気がする独演会でした。

圧倒!ケタが違った評判の大器!ムーアJも絶賛!!

「こんな素晴らしい馬に乗せてもらえて光栄です!」と、クールな表情で語るRムーア騎手。注目の今年の2歳チャンプを争う「朝日杯フューチュリティS」。

サウジアラビアRCで圧倒的な強さでレコード勝ちしたサリオス。むろん下馬評通り断然の1番人気。初めての右回りの阪神と課題があったにもかかわらず、彼の評価を引き下げる材料にはなり得ませんでした。

  持ち前のダッシュ力で内からさっと先頭に立ったビアンフェ。本来であればこの馬のペース、一人旅に楽に持ち込めるはずでした。

  ところが、本馬場入場前に転倒するアクシデントがあったとされるメイショウチタンが、外から必死に松山騎手が手綱をしごきながら並びかけようとします。これでグンとペースアップ。前半3ハロンが33秒8。ここ3年が35秒台。ケタ違いに速いペース。そして前半の半マイルが45秒4。先々週の「阪神JF」をレコードで独走したレシステンシアと、同じようなペースで流れて行きます。もっとも、2週レースを消化して、高速馬場でもいくらかコンディションが劣化したような印象。

この超ハイペースでもサリオスはトリプルエースと共に3番手の正攻法策。対して2番人気のタイセイビジョンは中団の外をキープ。内には3番人気のレッドベルジュール。それらの前には内ラチ沿いにペールエール(4番人気)。ルメール騎手のラウダシオンは外枠から3コーナーで中団の内に取りつきました。

  5ハロン通過が57秒2。ペースが落ちません。そして4コーナーを先頭でまわるビアンフェ。2番手のメイショウチタンがここでギブアップ。それを見たサリオスが一気に動きます。そして直線中程でビアンフェに並びかけると、ここから次元の違う脚で突き抜けて行きます。

中団から直線外をまわり追い上げて来たのがタイセイビジョン。とは言えサリオスの前には明らかに力負け。内でしぶとく頑張るビアンフェでしたが、プリンスリターンの外から外に出したグランレイ、タガノビューティーが肉迫。結局、そこがゴールでした。

優勝したサリオスの勝ちタイムが1分33秒0。むろん逃げたビアンフェの速い逃げによって、もたらされたものですが、過去の朝日杯FSのレコード。

また、同年代でサリオスの538kを越える馬が、重賞を勝ったケースの記憶がありません。異例ずくめのサリオス。このままクラシックロードを走り続けることが出来るのか、鞍上のムーア騎手は「このまま今の状態をキープ出来ていければ、将来的にも大変期待できると思う」とコメント。

先週のレステンシアといい今回のサリオスといい、2歳戦線はこれまでの競馬との分岐点に差しかかって来ているのかも知れません。