雨の中で、それはまさに起死回生の快走劇!!
それは見事な起死回生の快走でした。ルミナスウォリアーです。先週の函館記念に参戦したルミナスウォリアー。55kのハンデを背負って、今回もそうたやすく勝てないと言ったイメージでしたが、その馬が直線ゴール前でアッサリと抜け出し、タマモベストプレイ以下を突き放して快勝。初重賞を遂に手にしたのでした。
それは昨年の6月の東京で準オープンを勝ち上がって以来、オープン入り6戦目で掴んだ栄光でもあります。6歳という年齢から厳しい見方もありましたが、堂々1馬身半も突き放す快勝。まさに起死回生の快走でもありました。
函館は土曜日の未明から降り出した雨が降り続き、洋芝で力を要する馬場コンディションに変貌しておりました。
これで面食らったのが、若い3歳馬のサトノアレス。直前の巴賞を勝った勢いと成長力を買われて、1番人気に推されたものの初めて経験するパワフルな競馬。中団のインから直線は一番外に出すことができましたが、鋭く反応することはできませんでした。
一方、鳴尾記念をゲットして勢いに乗っていたステイインシアトルも好位置をキープしたものの重馬場に脚を取られて加速できず、直線は精根使い果たした内容でギブアップといった印象。
3番人気のアングライフェン。終始先行勢との距離を計り、4コーナー手前から仕掛けてインを通り、逃げ込みを策すヤマカツライデンに馬体を併せることができたもののゴール前の叩き合い(2着争い)で、4頭が並ぶ大激戦。結果はアタマ・アタマ・ハナ差の4着。最内のコースを手いっぱいに粘るヤマカツライデンを、一旦は捉えたようにも見えたのですが、ヤマカツライデンの二枚腰にあってしまいました。
そして、昨年のこのレースの覇者マイネルミラノ。ヤマカツライデンはステイインシアトルなど同型がいることを踏まえて、意識的に3、4番手辺りをキープ。4コーナー手前でゴーサイン。一旦はヤマカツライデンを外から捉えて先頭に立つ勢いでしたが、直線は外から後続が押し寄せると、もうギブアップ状態でズルズルと後退。11着と大敗しました。
そして、優勝したルミナスウォリアー(5番人気)は中団の外目を追走。3コーナー過ぎからから進出開始。4コーナーでは先頭馬群の一番外をまわり、一気に畳みかけに行きます。内で頑張るヤマカツライデン、外のアングライフェン。その外のから猛然とスパート。一気に抜き去り初重賞制覇。
好位からタマモベストプレイもしぶとく伸びて肉薄。こういった馬場条件下で、しぶとさを生かしたいタマモベストプレイには、ピッタリの舞台だったような気がします。
昨年の2着ケイティープライド。中団待機からゴール前で、良く伸びたもののワンパンチ力が一息。5着がやっとでした。
また、昨年夏の函館記念(3着)あたりから力を付けていたツクバアズマオー。吉田豊騎手が言うように「馬場を気にしているようでした」とのコメント。重馬場が致命的だった印象で10着と凡退。
私の注目していたサクラアンプルールは、道悪を意識してか、まったく流れに乗り切れず9着と敗退。中山記念でトップクラスの重賞ウイナー相手に2着と好走したもののその時の走りがまったく見られず。休養明けをひと叩きして、主戦の横山典騎手で大変身を楽しみにしたいと思います。
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伝統の七夕賞は3頭のドラマだったのか!結末は・・・
夏のローカル競馬、注目の一戦「七夕賞」。ハンデ戦で波乱含みの様相でした。
1番人気が前日からゼーヴィントと、マルターズアポジーが、時間ごとに変わる2頭のデッドヒート。
当日、結局は1月以来の実戦でしたが、4歳馬ゼーヴィントが1番人気。マルターズアポジーと共に、この2頭は福島の重賞を制していることで共通。本来は、有馬記念、大阪杯などGIを走っているマルターズアポジーが人気の中心となるべきだったのですが、大阪杯のあと休養させて、函館記念に向かうと言われていました。
ところが、厩舎サイドで仕上がっている、と判断されて、急遽、七夕賞に矛先を向けて来たのです。厩舎サイドは仕上がっていることを強調されていましたが、私には、やはりいくらか急仕上げの印象は拭えませんでした。
結果から七夕賞を総括すると、今年は3頭の七夕賞だったような気がします。その1頭が優勝したゼーヴィントであり、2着のマイネルフロスト。そして逃げたマルターズアポジー。この3頭の七夕賞だったような気がします。
スタートと同時に先頭に立つはずのマルターズアポジー。内からフェイマスエンドに張られて、先頭に立つまでにかなり脚を使ったのです。ようやく先頭に躍り出たのが1コーナー。前半の2ハロン目が10秒5、そして3ハロン目が11秒4。前半3ハロンは33秒9。思わぬペースでマルターズアポジーは厳しい展開を強いられてしまったのです。
しかも、マルターズアポジーはハミが掛り、2番手のフェイマスエンド以下を離してポンポンと逃げます。このとき3番手で様相を窺っていたマイネルフロスト。仕掛け詰めのゼーヴィントを確認したフロストの柴田大騎手は、3コーナーで大芝居に打って出ます。なんと逃げるマルターズアポジーに外から並びかけて、これを一気に突き放しにかかったのです。
こうなると、マルターズアポジーも逃げ馬の宿命でもうギブアップの走り。そこをすかさず外からゼーヴィント。前半は速い流れに苦労していましたが、4コーナーをまわり前にマイネルフロストが射程圏に入ると、恐ろしいくらいの勝負強さを見せたのです。
前を行くソールインパクトを外から捉えて、マイネルフロストに襲い掛かり、これを見事に仕留めたのでした。
昨夏のラジオNIKKEI賞以来の勝ち星が重賞2勝目。福島、及び夏に強いと言うことを見せつけました。
キャリア10戦で4勝、2着3回。父がディープインパクト。騎乗した戸崎騎手も秋が大いに楽しみと、コメントしていましたが、なんとなんと故障が発症。
「左第一指骨剥離骨折」と診断。好事魔多しとはいうものの、これから秋に向けてと、一歩踏み出したときのアクシデント。一日も早い奇跡的な回復を願うばかりです。
そして「以前の強い時のマイネルフロストに戻って来ました」と、柴田大騎手が言うマイネルフロスト。大胆な攻め戦法が功を奏したかのように見えました。惜しい2着です。この夏は新潟記念にでも顔を出して来る可能性がありますが、目を離せない1頭になりました。
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