キタサンブラック圧巻の強さはここにあった!!
ステイヤーとして最高峰、『天皇賞・春』は、終わってみれば1番人気に支持されたキタサンブラックが、2番手追走から早めに抜け出し横綱相撲。それもレコード勝ちという圧巻の内容でした。
キタサンブラックは昨春の天皇賞で、3番手のカレンミロティックにハナ差までに肉薄される薄氷の1勝。スローペースになったときに、危ういところを露呈しました。
ところが、今年は違いました。外から飛び出したヤマカツライデンが、一気に先頭に立つと、後続をグングンと引き離し、一時は10馬身以上も2番手のキタサンブラックに水をあける大逃げ状態。
1000m通過が58秒3、1600mで1分34秒5、2000mは1分59秒7。できるだけ後続を離して、ひと泡吹かせてやろうという思いから、大きな逃げを打つヤマカツライデン。
この玉砕的ペースに動揺されず、離れた2番手で自己のペースを守るキタサンブラック。先頭から後方まで30馬身くらいの縦長の展開。
2番人気のサトノダイヤモンドもキタサンのマークで、いつでも動ける外目の中団を追走。キタサンブラックの直後にワンアンドオンリー、内にアドマイヤデウス。
そして内からシャケトラ、外に並ぶシュヴァルグラン。サトノダイヤモンドはその直後に陣取りました。
中団にはアルバート、トーセンバジルがいます。出負けしたゴールドアクターとディーマジェスティが並んで追走。そしてポツンと最後方をレインボーライン。逃げるヤマカツライデンから離ればなれの長い展開です。
ヤマカツライデンに並びかけ4角で先頭に立ったキタサンブラック。それを見たアドマイヤデウスが内から2番手を狙います。その外からシュヴァルグラン。そのまた外からサトノダイヤモンド。後続が離れます。
先頭に立ったキタサンブラック。やや脚色が鈍りましたが、2番手以下もキタサンを上回る鋭さがなく、そのままキタサンブラックが押し切り春の天皇賞連覇を達成。
2着にシュヴァルグラン。その外から詰め寄ったサトノダイヤモンド。内から詰め寄ったアドマイヤデウスが4着。離れた5着にアルバート。ディーマジェスティ、ゴールドアクターと続きました。
3番人気のシャケトラは、この緩みない流れに早めに打って出たものの体力がついて行かず9着に後退。レインボーラインは12着に敗退。
私は単勝12.0倍のシュヴァルグラン。昨春の天皇賞でも良く伸びていましたが、流れが向いてなくて3着。緩みない流れなら差し切りも十分あると見ていたのですが、最後は力比べ、持久力比べに持ち込まれてしまいました。
ラスト1ハロンが12秒2。キタサンブラックにとっては最高のペースでした。仮にラスト33、34秒台、1ハロンが11秒台となると、抜群の切れ味を持つサトノダイヤモンドが浮上したことでしょう。
よってハイペースは望むところ。キタサンブラックの武豊騎手はそう考えていたはず。ヤマカツライデンの大逃げは大きな援護射撃になったはずです。速いペースに強いスタミナホース、それがキタサンブラックなのです。従って、囁かれる凱旋門賞向きではないような印象があります。
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クラシックは波乱の連続か衝撃のモズカッチャン
桜花賞、皐月賞と波乱が続いている3歳クラシック。舞台が変わりその延長にあるオークストライアルの「フローラS」。大波乱でした。
一躍、主役にノシ上がったのが12番人気のモズカッチャン。先の中山の500万を平凡なタイムで、接戦を勝ち上がったばかりでした。
絶好の開幕週の東京芝2000mの1番枠。中団のインの経済コースをピッタリ追走。直線でインをついて、ゴール前ヤマカツグレース、フローレスマジックの外に出し、ケタ違いの迫力で一気に差し切りました。
レースは主導権を取ったタガノアスワド。これにピッタリとヤマカツグレース。そして2番人気のフローレスマジックと続く展開。1番人気のホウオウパフュームが中団の後ろ。
前半37秒1-48秒9-61秒5。明らかなスローペース。この流れで折り合ったモズカッチャン。経済コースを走れたとはいえ、ラスト3ハロンがメンバー最速の33秒9。2400mのオークスに大きな弾みとなりました。
惜しかったのが応援していたタガノアスワド。結果4着でした。これは騎乗した国分恭騎手が、騎座がフラフラしてタガノアスワドに逆に負担をかける結果となった印象です。これは行きたがるタガノアスワドを懸命に抑えようとして、騎座が不安定となり、馬自身にストレスをかけてしまったことだと思います。
そのため2番手の横山典・ヤマカツグレースは、タガノアスワドの直後で動きを見ていて、早めに並びかけ、早めに動いて先頭に立つこととなりました。
なにやらオークスはまた一波乱ありそうです。そんな感じがする今年の春、3歳牝馬クラシックです。
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