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キャリアか能力か!?今年も1番人気が沈んだ劇的ドラマ!!

012   今年も来春のクラシックの夢を乗せて2歳牝馬の決定戦「阪神ジュベナイルF」が、阪神競馬場で行われました。

注目の1番人気は新馬戦を勝ったばかりのロカ。京都のデビュー戦で大外から豪快に抜け出し、ラスト33秒2の強烈な破壊力で後続を圧倒。その大胆な内容を評価されたのでしょう。とはいえ、キャリア1戦ですからレース経験のある馬に、足元をすくわれる可能性があります。

その不安がまさにモロ出てしまいました。1番枠を引き当てたロカ。この枠でスタートミスをすると最悪。和田騎手もその辺のことは十分承知のはずだったのでしょうが、タイミングが悪く出遅れてしまいました。そればかりかダッシュがつかず大きく取り残されてしまったのです。ああ、絶体絶命!離れた最後方から外に出して行きます。

002_2 001_2 このときもう1頭出遅れたのがショウナンアデラ。ただ、持ち前のダッシュ力で直ぐに前に取りつきました。

私はデビュー戦の内容にドキドキするものがあった11番人気のアルマオンディーナを◎に指名。ところが、この馬も3番枠から出負け。それでも仕掛けるとスーッと前に出て一気に先頭立ちます。外からスマートプラネット、アカリアイドルが並んできました。大外からムーンエクスプレスが出てきたので、アルマオンディーナは控えて3、4番手。

コートシャルマンが好位置。その後にクールホタルビで直後には内にココロノアイ。それに馬体を並べてレッツゴードンキ。これをマークするダノングラシアス。そして出遅れたショウナンアデラ。最後方には3頭並んだ外にロカが追走。

主導権を取ったスマートプラネット、アカリアイドルが2番手。少し離れてムーンエクスプレス。内にアルマオンディーナが折り合って追走。前半が35秒0、半マイルが47秒2。ここ2年よりも1秒近く遅いタイム。それゆえ各馬一団という形。

004_2 4コーナーを先頭でまわったスマープラネット。エフェクトが2番手に進出。少し離れた内の4番手にいたムーンエクスプレス。その直後のアルマオンディーナが進出態勢。

ここがひとつのポイントでした。ムーンエクスプレスが外に進路。それを追ってムーンエクスプレスのさらに外に出すアルマオンディーナ。このとき内がガラッとあきます。そこにココロノアイがスルスルと進出。これにピッタリとレッツゴードンキが続きます。

直線は内にスマートプラネット、ムーンエクスプレス、その外にアルマオンディーナ。その後に肉薄してきたココロノアイとレッツゴードンキ。直線中程でムーンエクスプレスの外にいたアルマオンディーナが先頭を窺う勢い。ところが、まわりに馬がいないことから若さを出して止めようとする素振り。フラフラしながら手前を変えます。そこで少し遅れました。

そうした間に抜け出しかけたココロノアイを、レッツゴードンキが馬体を並べて競り合いから抜け出してきました。

006007008 その時でした。4コーナーで中団の外にいたショウナンアデラがグングンと伸びて来ます。そして、ゴール前で猛然と大外から襲い掛かり一気に抜けたのです。

ラスト34秒0というメンバー最速の見事な末脚でショウナンアデラが優勝。2着が半馬身差でレッツゴードンキ。ココロノアイが3着。ムーンエクスプレス、アルマオンディーナと続きました。

1番人気のロカは4角で最後方。大外に持ち出しましたがスタートの手痛いミスが応えて8着がいっぱいでした。

010011 私のアルマオンディーナは4角で、そのまま内を突いていたら若さを出すことはなかったと思われます。ゴール前で再び伸びてきて優勝したショウナンアデラと0秒3差。本当に惜しかったですね。

ロカは失礼ながら和田騎手とは相性が良くない印象。あと2戦の内に賞金を積み上げないとクラシックが遠くなります。

ショウナンアデラは後手にまわりながら直線の破壊力は際立っていました。これまでは好位置から抜け出す理想的な競馬。今回はこれまでとは一変した劇的な追い込み勝ち。ポテンシャルの高さは、まさにクラシック級の逸材ですね。

                 

初GI制覇!幸騎手久しぶりの会心レースに納得のガッツ!!

011舞台がこれまでの阪神から中京に移して、レース名も「ジャパンCダート」→「チャンピオンズカップ」に変更。 この記念すべきレースに多くの支持を集めたのがコパノリッキー。今年に入りいきなりGIフェブラリーSを快勝。さらにGIかしわ記念を圧倒。帝王賞は2着に敗れたものの迎えた秋初戦のJBCクラシックを独走。まさに本格化著しいものがありました。

ただ、ときおり見せるスタートの甘さが、この大きな一戦で深く影を落としていたのでした。

それは中京ダート1800mという特殊性。スタート地点が直線中ほど近くで、少し坂になっているのです。幸騎手も「スタートして直ぐ坂なので、脚が滑ったりして出遅れる馬がいる。注意をして乗りたい」とコメント。

そして、12月7日、その日を迎えました。注目のゲート地点に集まった16頭。さあ、ゲートが開くと、不安が的中してしまいました。1番人気コパノリッキーが出遅れ。最後方近くに置いて行かれました。そこから盛り返して何とか中団の位置まで押し上げてきました。

003 主導権を取ったのが予想された通りクリノスターオー。これにピタリとホッコータルマエが付きます。グレープブランデー、外には口を割るようにニホンピロアワーズ。その後ろのインにベストウォーリア。それに馬体を併せるナムラビクター、外にはローマンレジェンド。中団には米国から参戦したインペラティヴ、外にクリソライト。その外にコパノリッキー。ダノンカモンがその外を追走。

中団から後方にかけて内からサンビスタ、インカンテーションが追走。ワンダーアキュートはその後で、最後方をワイドバッハとカゼノコが待機するという展開。

2コーナーから向う正面にかけて、変わらず先頭のクリノスターオー。ホッコータルマエが2番手で、好位に内にナムラビクター、外にローマンレジェンド。サンビスタが中団で、外にはコパノリッキーが追走。それらの後ろには内で脚を温存するワンダーアキュート。

前半の半マイルは50秒4、1000m通過が62秒3。コパノリッキーが後手にまわったことで流れが落ち着いたのです。それゆえ先頭のクリノスターオーから最後方のワイドバッハまで、ぎゅっと凝縮した展開となりました。

004 005 006 勝負どころの4コーナーを先頭でまわったクリノスターオーを目がけて、ホッコータルマエが馬体を併せに来ました。それを相手はホッコータルマエだ、とばかり、岩田・ローマンレジェンドがスパート。先頭に立ったホッコータルマエ。並びかけようとするローマンレジェンド。ところが馬体がなかなか合わし切れないでいると、好位置で展開していたナムラビクターが外からジワジワとにじり寄って来ました。

007 008 そして外に出したサンビスタの末脚も目立ちます。コパノリッキーはこの時点でギブアップ。後方から直線大外に出したワンダーキュート、ワイドバッハが一瞬鋭い脚を見せますが、上位3頭を脅かすには至りません。

直線先頭に立ったホッコータルマエがローマンレジェンドを振り切り、ゴール前で良く伸びたナムラビクターの追撃も振り払って堂々1着でゴールイン。初めてのJRA・GI優勝となりました。正攻法で強気に攻めた幸騎手の好判断がGI制覇につながりました。

009 010 昨年のジャパンCダートでは、極端な変則追いで1番人気に応えられなかった印象でしたが、今年は開眼したのか昨年のような極端な変則追いを封印。競り勝ちました。

ナムラビクターは調教ではまるで動かない実戦型のタイプ。ひどい坂路調教だった前走のみやこSで3着。そのときよりも今回は良いフットワークで坂路調教をこなしたナムラビクター。もっとも得意とする1800m、そして小牧騎手の最高のポジションで展開できたことが半馬身差まで追い詰めた成果となりました。

私の◎ローマンレジェンドは3カ月以上の休養明けで4勝。着外なし。必ず馬券の対象となっていましたが、優勝したホッコータルマエを4角から負かしに行って3着。敗れたとはいえ立派な内容でした。もし仕掛けを遅らせていたらあるいは2着だったようにも思えます。

コパノリッキーは中京ダートが初めて。そして肝心のスタートで後手。ここでリズムが狂ってしまいました。次走での巻き返しに期待がかかります。

それにしても、的中した3連複1万1730円は、予想以上の思いがけない嬉しいプレゼントとなりました。