衝撃!エピファネイアはこんなに強い馬だったのか!!
例年になく凄い顔ぶれが揃った34回「ジャパンカップ」。ジャパンC3連覇を目指す女傑ジェンティルドンナ。凱旋門賞で日本馬最先着、女傑への頂点を目指す若きハープスター。そしてレイティング世界ナンバーワンのジャスタウェイ。そして昨年の菊花賞馬エピファネイアに、秋の天皇賞馬スピルバーグ。春の天皇賞2連覇のフェノーメノ。そしてダービー1、2着のワンアンドオンリーにイスラボニータ。ここにゴールドシップが出てくると日本最強軍団が揃い踏みとなったでしょう。
1番人気は過去のジャパンC連勝のジェンティルドンナ。ただ、牝馬にジャパンC3連覇は厳しいだろう、まして昨年などと比べて一枚も二枚も相手のレベルが違います。今年はいかにムーア騎手とはいえ勝てないと、私は推察しました。
ポイントは前走の秋の天皇賞が休養明けで、なおかつ2000mよりは2400m向きのタイプと判断。それは長距離戦に定評があるエピファネイアとフェノーメノの2頭。このうちエピファネイアは、前走の天皇賞でも折り合いを欠いていたので、スタンド前のスタートは疑問があるとみたのです。従って◎はフェノーメノ。天皇賞は14着と敗走しましたが、状態さえ戻ってくれば十分巻き返すチャンスはあると考えたのです。9番人気でした。ジャスタウェイは当日のパドックの最前列で見ていて、どっしりとした雰囲気。オーラさえ感じたほどです。ああ、この馬に勝たれるかも・・と、その姿を眺めていました。
前日の夜半からの雨が未明まで続き、晴れ間がのぞいてメインのジャパンCの頃には馬場状態は良馬場に変更。とはいえ、ロング開催の最終日とあって、明らかに時計を要するコンディション。
そういった中で、主導権を取ったのがサトノシュレン。川島騎手が手綱をしごいて先手を取りました。これにタマモベストプレイが続きます。それをエピファネイアが正攻法で3番手をキープ。その後ろにトーセンジョーダンがいて直後にはジェンティルドンナ。
中団にはイスラボニータがいて、その真後ろにジャスタウェイ。外に並んでフェノーメノ。これを後ろでワンアンドオンリー。ドイツのアイヴァンホウが続いて、ハープスターは真後ろに控えます。そしてスピルバーグはこの後で末脚を温存。デニムアンドルビーは最後方グループ。
前半の3ハロンの入りが36秒0で、半マイルが47秒9。1000m通過が59秒6。馬場状態を考えると緩みない流れでした。こういった展開で3コーナーを迎えました。
必至で逃げるサトノシュレン。2番手がタマモベストプレイ、3番手にエピファネイアは変わらず。アンコイルド、トーセンジョーダンと続いて、ジェンティルドンナ。そしてこれをマークするようにジャスタウェイ。その外にイスラボニータ。後方にはハープスター、フェノーメノ、スピルバーグが順に続きます。
そして4コーナーに先頭のサトノシュレンが向かっている途中で、中団にいたアイルランド馬トレーディングレザーに故障発症。ズルズルと下がって行きます。この煽りをまともに受けた形になったのがハープスター。交差する形でバランスを崩す手痛い不利。
4コーナーを先頭でまわったサトノシュレンをタマモベストプレイ、そして外からアンコイルドが並びかけます。内にはエピファネイア。ジェンティルドンナが内から迫って来ました。その斜め後ろにはジャスタウェイが進出。アイヴァンホウも内で外にはイスラボニータ。その後ろからフェノーメノが不利のあったハープスターを引き連れて接近。その右後ろがスピルバーグ。
直線では抜群の手応えで我慢できないとばかりにエピファネイアが先行2頭の間から抜けて来ました。1馬身2馬身と差を広げて行きます。
直後に迫っていたジェンティルドンナのムーア騎手は、速い流れで前が止まると確信していたらしく後ろを警戒。馬場中央に出したイスラボニータの外からジャスタウェイ。その後の馬込みからフェノーメノとスピルバーグ。ハープスターは進路を大外に取り、必死に前を追います。
一気に先頭に立ったエピファネイアは、ますます快調に末脚を繰り出し、後続のつけ入るスキを与えませんでした。なん後続に4馬身差の独走劇。
馬場の中央からジャスタウェイが末脚を伸ばして2着。内からスピルバーグがジェンティルドンナを捉えて3着。大外から迫ったハープスターが5着。フェノーメノは直線で馬込みの中に入り、ゴール前でしぶとく伸びていましたが本来の瞬発力に欠け8着。イスラボニータはその後でした。
2着ジャスタウェイからフェノーメノまで0秒4差の接戦。それゆえエピファネイアの独走が際立ちます。不良馬場の菊花賞で5馬身ちぎった道悪巧者。馬場が味方したとはいえ圧倒的でした。
右手を唇に当て、独特のパフォーマンスを披露するスミヨン騎手。スタンドの観衆には右手を高々と上げて勝者のアピール。さながらスミヨン騎手のショータイム。
2分23秒1は昨年のジェンティルドンナの勝ちタイムを3秒も上回る時計。この馬場でビックリするタイムでした。
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高速決着でインを強襲した岩田Jがゴール前の離れ業!!
絶好の好天に恵まれた京都競馬場。この日は秋のマイル王決定戦、31回「マイルチャンピオンシップ」が、芝1600mに17頭が集結しました。
3歳馬ミッキーアイルにとって初めての古馬相手のGI。それでも、京都は3戦3勝とファンはその潜在的なスピードを支持して1番人気。
ところが、15番枠という外枠。仮に主導権をとったとしても、NHKマイルCではゴール前が大接戦。2番手追走したホウライアキコが5着で、ミッキーアイルと、わずか0秒1差。その内容から古馬相手の今回はかなり厳しいだろうと私は推察。
2番人気のトーセンラーは昨年の優勝馬ですが、当時の5歳時の勢いがどうしても感じられませんでした。
そこで、私はワールドエースに胸をときめかせていました。なんといっても、春のマイラーズCで長期休養明け2戦目ながら、なんと好位からアッサリ抜け出してフィエロ以下を圧倒。1分31秒4のレコードで駆け抜けた内容が決め手でした。前走の毎日王冠は出遅れ、直線のロスと不利が重なったことが敗因と考えた私は、毎日王冠の13着で人気が下がるだろうし、これは妙味と、ほくそ笑んでいたのでした。
で、マイルCSは様々な思いを背負いながらスタートを切りました。注目のミッキーアイルが好スタート。ところが、最内から強引に主導権を奪いに出たのがホウライアキコ。何が何でも行くぞ!という気配にミッキーアイルの浜中騎手は2番手で妥協。
外からサンレイレーザー、内枠のグランデッツァ、ダイワマッジョーレも好位置に押し上げてきました。中団のインにはフィエロ。外にロゴタイプがいます。
そしてレッドアリオンの後ろにスタートで出遅れたワールドエースが、引っ掛かり気味に上がってきました。同じ位置にはダノンシャーク。落ち着きがあり気持ちよく内を追走しています。その後ろに外にグランプリボス、内にエキストラエンド。トーセンラーはその直後のイン。エクセラントカーヴは最後方。
ホウライアキコの逃げで前半の3ハロンが33秒7、半マイルが45秒3と厳しい流れで流れて行きます。
勝負どころの4コーナーでミッキーアイルがスパート。グランデッツァ、サンレイレーザー、ダイワマッジョーレが続きます。そのとき先行馬の直後に迫っていたフィエロが抜群の手応えで迫って来ました。そして、ミッキーアイルをフィエロが一気に仕掛けて、あっという間に並びかけると、容赦なく突き放しにかかります。外から伸びてきたのがグランデッツァ。
と、そのときでした。内から迫っていたダノンシャークが、岩田騎手のアクションに応えて肉薄。進路を最内に取るとそこから爆発的な末脚でフィエロに内から並びかけて先頭。ところがフィエロもここから勝負強さを発揮して、再び先頭を奪い返しにかかります。ゴール前は2頭の激しいデッドヒート。3番手のグランデッツァが少し遅れます。
両馬の争いはゴールに入るまで続き2頭がピッタリ並んでゴールイン。写真判定はダノンシャークがハナ差勝ち。昨年3着(福永騎手騎乗)の雪辱を、岩田騎手で成し遂げました。
岩田騎手はゴールに入る寸前で、自分の持っている手綱を前に出す瞬間に、一瞬、離したようにも見えます。競走馬のアクションを利用して、手綱を緩めるように離すと、反動でグンと前に出るのですが、かなり高等テクニック。あのシャダイカグラの武豊騎手、その父の邦彦師がロングエースで、ここ一番、同じように披露したことがありました。岩田騎手ならではの高等技術。見事でした。
3着にグランデッツァ。トーセンラーが4着。注目していたワールドエースは8着。勝ち馬から0秒6差。3着と0秒4差。スタートの出負け、一気に巻き返そうと仕掛けたぶん引っ掛かり気味になったこと。直線のゴチャついたところに入る不利。あまりにもブドー騎手の甘さにガッカリ。そんな今年のマイルチャンピオンシップでした。
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