高速馬場では枠順が大きくモノをいった女王杯!!
顔触れから強力な逃げ馬が不在の「エリザベス女王杯」。おそらくヴィルシーナがヴィクトリアマイルのときのように、楽に主導権を取って一人旅に持ち込むのだろう。流れは明らかにスロー。私はそう考えて今年のエリザベス女王杯の推理を考察しました。
京都の馬場は雨でもない限り、少しでも経済コースを走れる馬が有利。だとすると内枠の馬たちはプラスアルファをして考えなくてはいけない、私そう読んでいたのです。
また、エリザベス女王杯は過去の歴史が物語るように、3歳馬が圧倒的に有利。昨年がいい例で、上位5頭のうち4頭が3歳馬。この傾向は秋華賞レコードだった今年も強いと推察。秋華賞と同じく◎ショウナンパンドラ〇ヌーヴォレコルトの3歳馬で、4歳▲ラキシスという順になったのです。
「何が何でも今回は行く」とばかりに、ステッキを入れてサンシャインが主導権を主張したので、仕方なくヴィルシーナが2番手。遅い流れを意識していたのか2番人気のメイショウマンボが3番手。秋華賞の二の舞いは踏むまいと、1番人気のヌーヴォレコルトが5番枠と言うこともあってか4番手の正攻法。これをキャトルフィーユ、ホエールキャプチャ、その真後ろにインをラキシス。その1頭置いてフーラブライト。後方には折り合い重視したショウナンパンドラ、外にディアデラマドレ。離れた最後方にポツンとアロマティコ。
前半3ハロン35秒4、1000m通過が60秒3。超スローではないもののゆったりとした流れ。先頭のサンシャインとヴィルシーナが3番手以下を離し気味に先行。第二グループはメイショウマンボを先頭に、ヌーヴォレコルト、直後にキャトルフィーユ、ラキシスが内ラチ沿い。これらが列車のように続いて行きます。その後ろにはフーラブライトで直後にショウナンパンドラ。並んで外にディアデラマドレ。
さあ、勝負どころの4コーナー。3番手にいた内からヌーヴォレコルト、外にメイショウマンボが仕掛け気味に動いてきました。これを見てキャトルフィーユ、直後のラキシスも接近。後方からインを通るフーラブライト、その後ろからショウナンパンドラとディアデラマドレが並んで前を追撃開始。
直線は内から一気に抜け出したヌーヴォレコルト。ここでメイショウマンボは息切れ。キャトルフィーユとその後ろからラキシスが猛然と追い上げてきます。直線外をディアデラマドレと、うまく外に出したショウナンパンドラが切れ味勝負。
ラスト3ハロンが11秒5-11秒3-11秒3。ラスト34秒1の争い。外をまわった後方一気のタイプには絶望的な展開。
直線内から飛び出したヌーヴォレコルト。岩田騎手の独特のアクションが目立ちます。そのアクション以上に激しい追い方でグングンと詰め寄ってきたのが川田・ラキシス。ゴール前100mで先頭に並びかけました。とはいえ、ヌーヴォレコルトもクラシック馬としての意地。懸命に盛り返します。外にラキシス、内はヌーヴォレコルト。2頭の激しいデッドヒート。3歳VS4歳の息詰まる死闘。結果は外のラキシスに軍配。クビ差でした。
逃げたサンシャンを除いて、1着から10着までがラスト33秒台の末脚比べ。ということは前に行っている馬も33秒台。物理的に届きません。
それゆえ、ディアデラマドレのラスト最速の33秒1で3着は、外をまわったもので実に優秀です。同様に私の期待したショウナンパンドラも4角で内からサッと外側に出し、ラスト33秒3懸命に浜中騎手も追ったのですが僅差の6着。やはり、こうした展開ではポジション、枠順の有利不利は大きかった気がしました。
ちなみに、ディアデラマドレ以外の上位陣のゼッケンは、1・5・2・3番。内枠の馬で決着。是非、来年の参考にして下さい。
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あまりにもスケールが違ったFと、あまりにも走らなさ過ぎたHの天と地!!
例年、波乱含みのハンデ戦「アルゼンチン共和国杯」。今年も1番人気が大凡走となる結末を迎えました。
この日、1番人気に推されたのが日経賞2着、春の天皇賞3着のホッコーブレーヴ。宝塚記念でも5番人気に推された馬です。
ところが、過去10年で宝塚記念の6月から、ぶっつけでアルゼンチン共和国杯に臨んできた馬で優勝した馬はゼロ。2着が7年前のトウカイトリック1頭だけ。優勝馬、上位馬のほとんどが9月、10月に出走していた馬が圧倒的に多数なのです。1番人気の宝塚記念以来のホッコーブレーヴは、本当に大丈夫なのか、私にとっては戦前から不安が先行していたのです。
さらにこのレースは強力な典型的な逃げ馬が不在。となると、私はある1頭の馬に引きつけられたのでした。
それがネオブラックダイヤ。前走の新潟、準オープンのレインボーSで圧勝。それまでとは一転し、主導権を取るとマイペースの一人旅。外回りの2000mでしたが、なんと直線で再び加速。ラスト33秒6という最速の末脚で独走。加えて、当時は5月の京都、烏丸S以来、4か月ぶりの実戦で、馬体がプラス24K。この状態で圧倒的なパフォーマンス。今回は54Kという魅力のハンデ。そしてリーディング1位の戸崎圭太騎手。
ポンと主導権を取ると、まず競り込んで来る馬はいないはず。デスペラードに騎乗する横山典騎手も、前走のレインボーSで騎乗して、ネオブラックダイヤの強さを手応えで感じとっていることから、無理に競り込んで来るようなことはしないはず。となると、ペースは必然的にスローになると見ていたのです。
これはネオブラックダイヤで押し切れる!逃げ切れるとの推察から自信の◎という気持ちでいたのでした。
ところが、競馬と言うものは実にやっかいなもので、ほぼ自信をもってレースを読んでいるにもかかわらず、アッサリと裏切られることがあるのです。人はこれを不運ともいいます。
スタートでした。内で1頭赤い帽子の馬が躓いて、前にガックリと崩れるような仕草。騎乗していた騎手が頭から落ちそうになるアクシデント。ネオブラックダイヤでした。体勢を整えてレースに向かおうとしたときには、周りの馬たちは一足先に失礼。最後方に置かれたのです。以前、控えた形でも、東京2400mでホッコーブレーヴに勝ったことがあるといっても、現在は逃げるという形がベスト。
「もう腹をくくりましたよ。こうなっては折り合いに気をつけて直線勝負に徹するしかありませんからね」と、戸崎騎手。
私はスタートのアクシデントでしばし呆然。砂糖菓子が崩れて落ちて行く感覚にとらわれたのです。
ネオブラックダイヤのアクシデントを隣の枠で見た横山典・デスペラードは、それじゃかわりにということからか、主導権を取って我が道を行く、スイスイと逃げ脚を伸ばして行きます。2番手にクリールカイザー、外からラブリーデイ。サイレントメロディの外に併せた追い込みのスマートギア。直後にスーパームーンが陣取り、中団より後ろには内にフェイムゲーム。外側をホッコーブレーヴ。アドマイヤケルソが後方4番手。そして最後方を出遅れたネオブラックダイヤ。
先頭のデスペラードは2番手のクリールカイザーとの差をグングンと広げて行きます。ラブリーデイが3番手。そこからまた離れてスマートギアとサイレントメロディ。そしてまた離れてスーパームーン。中団のインにフェイムゲーム。外にホッコーブレーヴ。そこらまた離れてアドマイヤケルソ、最後方はネオブラックダイヤが追走。
3コーナーで大きく後続を離しながら逃げるデスペラード。2番手をクリールカイザー、ラブリーデイのポジションは変わらず。縦に長い展開で、中団のインにスーパームーン。少し離れて内からフェイムゲーム。その外にマイネルメダリストがいて、またその外をホッコーブレーヴ。後方は変わらずアドマイヤケルソ。最後方にネオブラックダイヤ。
そして、4コーナーをまわり快調に大きくリードを取って逃げていたデスペラードも、さすがに脚色が乱れてきました。そこを直後でじっとしていたクリールカイザーが一気に仕掛けて前に出ます。これを見たラブリーデイが追い出しました。そしてスーパームーンが外へ出ます。
4角を内でまわったフェイムゲームが馬込みの中で進路を探しています。直線大外にホッコーブレーヴ。後方にアドマイヤケルソ。最後方にいたネオブラックダイヤが馬群に取りつき内を狙います。
直線先頭に立ったクリールカイザーがゴールを目指して真一文字。そこへ内から外へ一気に進路を変えたフェイムゲームが、鋭い脚で迫って来ました。もうゴール前50mであっという間に抜き去ると脚力の違いは歴然。差を広げにかかります。
2番手争いに絞られて、クリールカイザーが粘るところにスーパームーンが接近。その外からアドマイヤケルソが強襲。結果はクリールカイザーが2着を死守。3着にスーパームーン。
一方、ネオブラックダイヤも馬込みを縫うように追い上げたのですが7着。スタートのアクシデントが惜しまれます。
また、1番人気のホッコーブレーヴは14着とぼろ負け。あまりにも負け過ぎ。ファンをガッカリさせました。
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