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札幌記念で単勝1.7倍と圧倒的人気のダークシャドウは作戦ミスではなかったのか?

No1  秋の天皇賞を狙うGI級のダークシャドウとヒルノダムール。両横綱が参戦ということで、札幌記念は大いに注目されました。
 なかでも、ドバイ遠征から帰国初戦となったダークシャドウ。昨秋の天皇賞は2番人気と、その成長ぶりをアピールしましたが、レコード勝ちのトーセンジョーダンの強襲にあって惜しくも半馬身差2着。
 そのトーセンジョーダンは今年も札幌記念に登録があったのですが、直前で裂蹄のために回避。これで俄然、ダークシャドウの注目度がヒートアップ。むろん、昨年の春の天皇賞馬ヒルノダムールとて離された2番人気の5.0倍のオッズとはいえ、逆転できるチャンスは残されていました。
No2 No3
 強力な逃げ馬を欠いて流れはスローと予測されたのですが、レジェンドブルーが主導権を取りに出て、すぐ外からアリゼオが変わって先頭に立ち、ミッキーパプキンがこれに続きます。そのとき、やや行きたがる素振りを見せてダークシャドウが積極策で2番手グループ。これをマークするように内からヒルノダムール。外にはフジマサエンペラー。前半の1000m通過が59秒5で、よどみない平均ペース。アリゼオの直後にミッキーパンプキン、外の2番手にダークシャドウ。内にフジマサエンペラーとレジェンドブルー。その外にヒルノダムールがダークを徹底マーク。中団のインにヒットザターゲット。その後ろをハナズゴールとマイネルスターリー。さらにその直後にはロジユニヴァースとフミノイマージン、ネオヴァンドームが並んで追走。
No4  そして、3コーナーのところで事態は急変。外からまくるように進出したマイネルスターリーを追うように、ヒットザターゲットが外から急追。さらに4コーナーでは逃げたアリゼオを早めにのみ込んだダークシャドウが先頭。マイネルスターリーが外から並びかけます。ヒルノダムール、フジマサエンペラーも遅れまいと懸命の追い出し。そのとき大外をまくるようにフミノイマージンが一気に好位置に接近。
No5  追走する周りの馬を振り切るように直線入り口で先頭に立っていたダークシャドウ、追うヒルノダムールの人気2頭で決まりか、と思われた矢先、ダークシャドウの外から直線弾丸のように突き抜けた馬がいました。フミノイマージンです。太宰騎手とのコンビで重賞を3勝。ここ2戦は池添、藤田騎手で不発でしたが、相性度抜群のコンビが復活。見事な札幌記念の優勝でした。
No6  一方、6歳牝馬に屈したダークシャドウ。せわしない展開の中で、強気と思える2番手の正攻法。4角では力で押さえつけにかかるかのような福永騎手。4年前のタスカータソルテが記録した1分58秒6のレコードに、4ヵ月半ぶりの実戦で0秒2差まで迫ったのですから、素直にダークシャドウを誉めるべきかも知れませんが、ヒルノダムールくらいの位置で、競馬が出来ていたら結果はまた違っていたような気もします。
No7 No8
 一方で、絶好の展開となりながら3着に惜敗したヒルノダムール。春の天皇賞以来の実戦ということを考えれば、この3着は時計的にも上々かも知れませんが、ダークシャドウを徹底マークして行き、かつ絶好の展開になりながら捉え切れなかったことから、今秋のGI戦線で優勝という二文字が、少し遠のいたかなという気がして淋しい思いです。

1番人気レコード勝ち!2番人気ドンジリ!越後関屋の戦い!

 「今年も休養明けの馬が勝つ!」と、考えていた通りデータは生きていました。迎えて第47回目を迎えた新潟、関屋記念。年を重ねるごとに或るひとつの確実性を持ったデータが浮上していました。
No7  それが、ここ6年続けて勝ち馬は休養明けというパターンだったのです。昨年の優勝馬レインボーペガサスは2月以来の実戦で、一昨年のレッゴーキリシマが前年の11月以来の登板。カンパニーも秋の天皇賞からぶっつけ本番だったわけで、休養を十分に取ってきている馬が、順調に使い込んでいる馬よりも圧倒的な強さを見せつけていたのです。
 とくに今年の夏は7月に入るとグングン気温が上昇。そういった状況下では、充電して臨んできた馬のほうが、体調的により分があるだろうと考えるに至ったのも、しごく当然なことでした。
 しかも、直前で人気の中心になりそうだったトライフアンマーチが回避。となると、安田記念以来2ヵ月ぶりの実戦になるドナウブルーが1番人気に押し上げられた形。安田記念が14番人気で10着でしたが、支持の上ではなんら減点にはなりませんでした。2走前のヴィクトリアマイルで7番人気ながら半馬身差の2着。2番手をしぶとく粘りこんだ内容を高く評価されたようです。
 2番人気がエアラフォン。昨年の関屋記念2着馬で高速馬場の高速決着は望むところ。川須騎手から岩田騎手にチェンジして、いわゆる“勝負気配”?
 意外だったのはシルクアーネストの3番人気。直前のNST賞で大外からラスト33秒0の豪脚で肉迫。出遅れなかったら・・との思いをしたのですが、この猛暑の中、5月に走り、6月は2走、7月に入ってNST賞を使って中1週。こんな使い方で関屋記念は無理。過去のデータが示す通りです。私は自信の無印。
 ドナウブルーが最有力には違いないけど、同じヴィクトリアマイルに出走したマイネイサベル。「3ヶ月休養させてここ一本に狙いを絞ってきた」と、水野師の言葉に意気込みを感じ◎。ヴィクトリアマイルで手応え十分に直線に入ったものの最内が開かず、追い出しが遅れてしまい、ゴール直前で肉迫したものの及ばず6着。それでも1番人気のアパパネとクビ差。3着マルセリーナとわずか0秒2差だったことから判断して、同じ左回りのマイル戦だったら行ける!と考えたのです。しかも、新潟は新馬勝ちし、新潟2歳Sの覇者。ドナウブルーとマイネイサベルの4歳牝馬勢で決まりだ!くらいの心境でした。

No1 No2
 さて、レースは予想通りに一昨年の優勝馬レッツゴーキリシマが飛び出し、内のエーシンリターンズが直ぐに控えたために単騎マイペースの逃げ。ペースが遅いと判断したドナウブルーの内田博騎手が3番手から2番手を窺う勢い。昨年の優勝馬レインボーペガサスが好位4番手。その直後に早めのマイネイサベル。
No3  エアラフォンは後方の外側に位置。シルクアーネストとスタートでモタついたゴールスキーも後方。同じ後方グループにはスマイルジャックがいて、最後方はネオサクセス。
 前半の半マイルが47秒0で1000m通過が58秒7と、高速の新潟の馬場ではスローに近いペース。
No4  これで大きな明暗を分けたのです。2、3番手にいたドナウブルーとエーシンリターンズが、逃げたレッツゴーキリシマには気を取られず、追い出しは直線中程から。内にエーシンリターンズで外から馬体を併せたドナウブルーが、懸命の叩き合いを展開。ゴール前で好位置にいたマイネイサベルもよく伸び、インから鋭く追い上げたスピリタスがマイネイサベルを捉えて3着。
 ゴール前で激しい叩き合いを演じたドナウブルーとエーシンリターンズが、写真判定にモツれ込む激闘。結果はクビ差ドナウブルーが相手を競り落として優勝。
 夏は牝馬だ!とばかりに1、2着が4最と5歳の牝馬。マイネイサベルも位置取りは問題なし。ただ、レコード決着で前で展開した優勝馬にラスト32秒台で決められたのでは、4着でもやむなし、といったところでしょうか。
No5 No6 <br />  ゴールスキー、スマイルジャックとも最後にいい脚を見せてくれたのですが、今回の流れでは5、6着でも仕方ありません。
 3番人気のシルクアーネストが12着と凡退。2番人気のエアラフォンに至っては最下位の18着。馬体が14K増加していたとはいえ屈辱的な成績になってしまいました。体調に問題があったようです。絶賛していたパドック解説者シッカリ?!