


急遽、乗り替わりとなって坂井瑠星騎手にチェンジ。初めての騎乗で初めての阪神3200mの天皇賞。期待の若手のホープとは言え、背負った荷物はあまりにも大きかったように思います。
それはスタートして直ぐに表れました。主導権を主張するディアスティマに、外から馬体を併せるようにジャコマル(横山和騎手)が、3200mとは思えないほど手綱をしごいて競りかけて来たのです。無論、譲ることはなく、そのせいか前半の1000m通過が59秒8と緩みない流れ。結果的にこれが最後の最後で明暗を分けることになってしまったのです。

そして内回りを意識して3コーナーで早くもカレンブーケドールが動きました。これを見ていたディープボンドの和田竜騎手が手綱をしごいて付いて行こうとします。

4コーナー手前から逃げるディアスティマに並びかけるカレンブーケドール。直線はディアスティマとカレンブーケドールの2頭が激しく叩き合い。これに追いつこうとするディープボンド。そのとき一番外から満を持していたワールドプレミアが強襲。

栄冠は外のワールドプレミア。菊花賞に続くGI制覇となりました。鞍上の福永騎手は初制覇。父、洋一騎手の親子制覇となりました。 一方で、内から追い上げたアリストテレスは4着がいっぱい。ディアスティマは6着に失速。
勝ちタイムは参考タイムながら3分14秒7のレコード。とはいえ、ラスト3ハロンが37秒4。ゴール前の200mは13秒0。各馬バタバタの状態でゴールイン。


ちなみに、ディアスティマが2月の阪神、松籟Sを楽勝したときが3分14秒9、ラストが36秒1。当時との馬場の違いはあれディアスティマにとって、前半にジャコマル、中盤からカレンブーケドールと、息の入れ場のない厳しい展開になったことも事実。それでも大きく崩れなかったことは大きな収穫。とはいえ怪我で騎乗できなかった北村友騎手は、さぞかし無念だったはずです。
