モノの違いを見せつけた秋の秘密兵器が圧倒!!
大混戦と見られていた「ラジオNIKKEI賞」。3歳馬によるハンデ戦。そして小雨が降る馬場コンディション。小回りの福島芝1800m。フルゲートの16頭。まさに難解な一戦となりましたが、私の目には自分でもビックリするくらいの自信があったのです。
その名はヴァイスメテオール。私自身のコラムでも書きましたが、2走前の中山のことです。1勝クラスの2000mでしたが、スタートで後手を踏み、離れた最後方に置かれる厳しい展開。ところが直線でまさに次元の異なる末脚、破壊力で馬込みを割って突き抜け、ゴール前は余裕で3馬身差。不良馬場で圧倒的なそのパフォーマンスに衝撃。GI級の逸材のスケールを持った馬に違いない、私の脳裏にはふつふつと期待感で溢れるくらいでした。
ラジオNIKKEI賞は小回りの福島の舞台だが、スタートを五分に出ると小回りでも間違いなく乗り切れる、私には強い自信があったのです。
そんな強い思いが通じたのか、ヴァイスメテオールはほぼ五分のスタート。中団のインをキープ。主導権は外からノースブリッジ。その外から2番手にタイソウ。そしてグランオフィシエ、シュヴァリエローズが好位をキープ。
スタートが一息だったボーデン(1番人気)、アサマノイタズラと後方。その前には2番人気のリッケンバッカーがいます。
前半の5ハロンが60秒7。いくらか水分を含んだ馬場コンディション。比較的ゆったりとしたペースで流れます。
そして、勝負どころの4コーナー手前で中団インにいたヴァイスメテオールが動きます。内から3頭目の外目の位置にスルスルと進出。先行した3頭の外に並んで来ました。
内では逃げ粘るノースブリッジ。その外にタイソウ。2頭の背後から内を通りワールドリバイバル。それらに外から一気に並びかける間もなく、ケタ違いの破壊力で抜け出すヴァイスメテオール。あとは独壇場でした。余裕綽々と2馬身半差の横綱相撲。役者の違いを見せつけたのです。
内から伸びたワールドリバイバルに2馬身半差。逃げたノースブリッジが3着。それについてまわったタイソウが4着。好位で展開したシュヴァリエローズが5着。先行した馬が上位を占めました。
4コーナーで外に振り回されながら大外から詰め寄ったボーデンが6着。2番人気のリッケンバッカーは9着。アサマノイタズラは13着と惨敗。
優勝したヴァイスメテオールは5戦3勝。518kと馬格に恵まれたキングカメハメハ産駒。母のシャトーブランシュはローズS2着。マーメイドSで優勝。この秋の飛躍が大いに楽しみです。
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グランプリ3連覇!今年も強かった牝馬の代表格!!
今年、前半戦の総決算、グランプリ「宝塚記念」。昨年の覇者で、年末のグランプリ「有馬記念」も制した女王クロノジェネシス。グランプリ3連覇を目指して参戦して来ました。
単勝1.8倍の圧倒的な人気に推されたのは女王の証し。
当面の敵と目されたのが6戦無敗、4歳牝馬の大器レイパパレ(2番人気)。初GIとなった大阪杯でコントレイル、グランアレグリア以下をちぎり捨てたスケールは、まさに新女王の予感さえ漂いました。
この豪女2頭に続いたのが、同じ牝馬の代表格でGIの常連カレンブーケドール(3番人気)。まさに今年の宝塚記念は「熱い女の対決!!」の様相となった様相です。
レースは最内枠からユニコーンライオンが、好スタートを決めた隣のレイパパレに変わり主導権を主張。これは予定してことでレイパパレの川田騎手は、すんなりと2番手に控えます。その背後にはクロノジェネシスの黄色の帽子がチラチラ見えます。
これは前に行かないとだめだ、とばかりに福永騎手のキセキが一番外から、スルスルとレイパパレの外に馬体を並べて行きます。カレンブーケドールとアリストテレスはクロノジェネシスをマークする形で中団。
有力馬が前々で展開する流れ。一人旅に持ち込んだユニコーンライオンの前半の5ハロンが60秒0。緩やかでこの馬のペース。
さあ、勝負どころの4コーナー。ユニコーンライオンの外にレイパパレ、その外にキセキが接近。そしてレイパパレを徹底マークしていたルメール騎手のクロノジェネシスが追い出します。
直線中程でユニコーンライオンに並びかけて先頭に立ちかけたレイパパレ。それでも踏ん張るユニコーンライオンの粘り腰。それを背後で見ていたクロノジェネシスが猛然と襲い掛かります。外のキセキは鋭い伸び脚がありません。
クロノジェネシスの勢いが違いました。前を行く2頭をアッサリと捉えると、そのまま突き抜けてゴールイン。2馬身半差の圧勝劇でした。
激しい叩き合いとなった2着争いは、ゴール寸前で差し返す形でユニコーンライオンが、レイパパレにクビ差先着。まさに2連勝と現在の勢いそのままにGI馬に先着する大好走。
この2頭から2馬身水が開いて、カレンブーケドールとキセキが4、5着。力は出し切った印象です。
ラストの上りタイムが46秒2-34秒7。いくらか水分を含んだ馬場コンディション。それでも過去10年で最速の上りの決着となりました。
一方で1番人気の宝塚記念優勝は、7年前のゴールドシップ以来のこと。私たちはあの歴史的な女傑アーモンドアイ。そして2年前の宝塚記念優勝馬リスグラシュー、昨年のクロノジェネシスと、史上に残るような素晴らしい女王と遭遇しています。
もう、まわりからは牝馬牡馬の斤量差、無用論が声高になって来ています。そんな女性上位の時代に私たちは到達しています。
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