現在の時期に行われるようになってから今年で6年目となった「小倉記念」。1番人気がプッツリと途絶えてしまいました。
まずはトップハンデ馬には厳しいデータ。5年前のヴィータローザが57・5Kを背負って2着だった以外は、57Kのドリームジャーニー(1着)を筆頭に、それ以下の馬が1、2着。ゆえに、57・5Kがひとつのターニングポイントだったのです。
更に3年前、2着だったダンシングロウを除いて、ここ5年の連対馬は全て前走で重賞を走っていた馬ばかり。
というデータを踏まえて、私が注目したのがアドマイヤメジャー。前走の七夕賞(10番人気)で、◎タッチミーノット○アドマイヤメジャーで応援していたのでしたが、中団外で折り合いを欠き、直線今ひとつ伸びあぐねて6着。それじゃ今回の小倉記念は汚名返上だ!とばかり本命に推したのです。
6勝中5勝が芝2000mだったし、いつも春くらいから調子を上げていくタイプ。内枠に入ったら、前に他の馬を置けるので、折り合いもつくはずと考えていました。ところが、当日、スタートが近づくにしたがって急上昇の人気。フジテレビの地上波放送で、Mトラックマンが新聞を折って内枠が絶対です!1番から6番までしか馬が出ていない的なニュアンスで解説。そんなこともあってか締め切り寸前で2番人気に急沸騰。前日の約半分の配当オッズにはビックリ。
1番人気は4・8倍の武豊・ナリタクリスタル。好枠を引き当てたもののターニングポイントの57・5K。休養明けの七夕賞を叩いたコスモファントムは、実績ではアドマイヤメジャーを上回るのに一歩譲って3番人気。ただし、この馬もナリタ同様に57・5Kのハンデ。結果的にこの57・5Kの2頭は掲示板にも乗ることはできませんでした。
レースは最内から久しぶりのホクトスルタンが飛び出し、これを外からエーシンジーライン。3番手には一転した積極策でリクエストソング。この馬とほぼ同じくらいの位置にコスモファントム。そのあとにヤマニンキングリーやアンノルーチェがいて、中団外にイタリアンレッド。後方にはキタサンアミーゴ。その後ろにナリタクリスタル。それをマークする形でホワイトピルグリムやアドマイヤメジャー。
前半の半マイル45秒3、5ハロン通過が57秒1。極端に速いペースではありませんが、緩みない流れで進んでいきます。直線でエーシンジーラインが先頭に立つと、内からリクエストソング。外から勢いよく進出したイタリアンレッド。それを見て馬群の中に突っ込んだナリタクリスタル。好位置のコスモファントムは急激にスピードダウン。直線で大外に出したアドマイヤメジャーもいざ追撃態勢。
鋭い反応をみせたイタリアンレッドが突き抜けて快勝。直線外からグイグイと伸びて来た15番人気のキタサンアミーゴが、内でしぶとく粘るリクエストソングを捉えて驚きの2着。
一方、馬群に突っ込んだナリタクリスタルは直線で前が壁になり脚を余して6着入線。まさに不完全燃焼。今年は大ケガで休養した昨年以上に不振の武豊騎手。それを物語るような一戦でした。
期待したアドマイヤメジャーは、七夕賞で折り合いを欠いたことで、今回は徹底的に後方で抑える作戦。そのせいか前半行きたがる面をみせてジョッキーと呼吸が合わず。上村騎手とは七夕賞でコンビを組んだのですが、まったく持ち味を生かしきれていません。これまで川田騎手で3勝しているのですが、好位置から中団から、そして後方からとそれぞれバリエーションに合わせた騎乗。馬と騎手の相性は本当に大事だと再認識。
馬連が3万円台。3連単が87万円台。真夏のハンデ戦らいしい結果でした。それにしても15番人気キタサンアミーゴ。55Kで重賞をステップに挑戦。まさにデータ通りでした。
ただし、小倉記念がレコード決着。真夏でレコード決着はその後遺症が心配。上位力走組は、次走の反動が気がかりです。