オールカマーで圧倒的な1番人気に推されたドリームジャーニー。実績、顔ぶれから負けられない一戦でしたが、昨年同様に59Kを背負って惜しくも2着。昨秋の天皇賞以来の実戦だったシンゲンに後塵を浴びてしまいました。3着トウショウシロッコ、4着サンライズベガ。上位4頭の着差は首・首・首差の大接戦。オールカマーでの馬体重が422K。あまりにも小柄な馬格ゆえに59Kという斤量は、予想以上に応えているのかも知れません。
昨年の宝塚記念でサクラメガワンダー、ディープスカイ、カンパニー、スクリーンヒローといった錚々たるメンバーを破り、古馬になって初めてGI制覇を成し遂げたドリームジャーニー。昨年暮れには大一番の有馬記念でブエナビスタを破って優勝。一躍、古馬陣のトップにノシ上がった馬でした。
ところが、420K台の馬体がこの馬の成長を阻むのか、大崩れはないものの取りこぼすこともしばしば。今年4月のGⅡ大阪杯で1番人気。結果が3着。得意の右回りで芝2000m。相手がGI級とはいえないテイエムアンコールやゴールデンダリヤに敗退。4着フィールドベアーに首差まで肉薄。ファンをがっかりさせました。
ドリームジャーニーに横綱白鵬のようなどっしりとした安定感のある取り口で、圧倒的な強さを求めるのは無理なことは承知。59Kを背負って互角以上に戦い、確実に勝ち負けとなると、身体的弱点がどうしても結果として出てしまいます。すぐにでもGI勝ちができそうで苦労した父のステイゴールド。その父も小柄な馬でした。
それでもGI3勝で父を超えたドリームジャーニー。これから秋の陣は東京が舞台。一瞬の脚が最大の武器のこの馬には、直線の長い東京コースは苦手なタイプ。それゆえ昨年から今年にかけて、東京で走ったのが昨秋の天皇賞だけ。女傑ウオッカと逆ケースです。ドリームジャーニーにとって今年も最大の見せ場は、年末のグランプリ有馬記念かも知れません。
ところで、藤田騎手の見事な手綱捌きでオールカマーを優勝したシンゲン。昨秋の天皇賞以来、実に11ヶ月ぶりのレース。昨年のオールカマーはエプソムC以来で、マツリダゴッホ、ドリームジャーニーに続く3着。どうしても大関クラスのイメージを払拭できずにいましたが、今回の勝利で天皇賞に大手を振って挑戦できそうです。休養が重なり7歳馬でまだ17戦のキャリア。これからも成長力が期待できそうな7歳にしては珍しい馬です。
また、これだけ長い休養がありながら、ビシッと優勝を決めたシンゲンの戸田きゅう舎スタッフの方々の渾身の仕上げも見事でした。拍手!
首・首・首差!ハンデ戦並みの激戦で敗れた宝塚・有馬記念馬ドリームジャーニーの命運は・・
菊が見えたか!?さすがダービー1、2着と唸らせたエイシンフラッシュとローズキングダムの壮絶な叩き合い!!
日本ダービーで1、2着のエイシンフラッシュとローズキングダム。その2頭が菊花賞に向けて激突!
ところが、そのローズキングダムがフタを開けてみてビックリ。馬体重がプラス22Kの462K。皐月賞が438Kで、ダービーが440K。これは菊花賞を念頭に明らかに急仕上げ。そう考えたファンの方が多かったのでしょうか。前日のローズキングダムの単勝オッズは2倍台。エイシンッフラシュが3倍台。元々、人気の高い傾向にあったローズキングダムが1番人気と思われていたのですが、馬体重が発表されると、エイシンフラッシュ票がグングン加速して、スタート前にはなんと1倍台に突入。結局エイシンが1・9倍に対してローズが3・0倍で、馬連は2・4倍。まさにマッチレースの様相でした。
強力な逃げ馬が不在。一旦、1番枠のビッグウィークが主導権を取ったものの2番手のネオバンドームが先頭。それでも前半5ハロン通過が63秒1で、半分の6ハロン通過が1分15秒3の超スローペース。この遅い流れが最後に明暗を分けた形となったのです。
というのは、ローズキングダムの武豊騎手はインサイドの好位5番手で、ロスなく追走し、いつでもスパートできる態勢。一方、エイシンフラッシュはローズキングダムを前に見る形で機を窺いますが、あまりにも遅いペースに、やや掛かり気味。それでも、3000mの菊花賞を踏まえて、我慢をさせることに内田博騎手は専念。結果的にこの差が明暗を分ける形となったのです。
ラスト1ハロン手前で計ったように先頭に立ったローズキングダム。外から追い上げてきて馬体を並べようとするエイシンフラッシュ。3番手以下があっという間に置かれてしまい、まさに人気の2頭の争い。エイシンフラッシュの追撃を懸命に凌ぎ切ったローズキングダムが首差で1着。
武豊騎手はローズキングダムと初コンビ。「いあや、乗り味が凄く良くて素晴らしい馬ですね。距離が延びる菊花賞でも期待できますよ」と、にこにこ顔で絶賛。
一方の内田博騎手は「残念です。少し折り合いを欠いたし・・。向うは乗りやすそうだったから、その差もあったと思う。次の菊花賞はうまくコンタクトを取って、リズム良く走らせたいですね」と、最後は菊花賞に夢を馳せていました。
今週の阪神最終日の8日目に1000万クラスの兵庫特別(芝2400m)に3歳馬が大挙登録。その中に、人気を集めそうなのが目下2連勝中のスマートグリッド。タニノギムレット産駒。騎乗予定が小牧太騎手。皐月賞までローズキングダムとコンビを組んでいた日本を代表する職人的ジョッキー。現在、菊花賞出走のボーダーラインは1500万。兵庫特別を優勝すれば菊花賞の道が開けます。色々な意味で楽しみな一戦です。