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憎らしいくらいの巧みさで重賞請負人ルメールが来た!!

  このC・ルメール騎手と言う男は、憎いくらいに達者なジョッキーだなあ~と思います。今年はオリンピックの関係で、札幌から函館で行われることになった「クイーンS」。彼は7戦5勝のディープインパクト産駒テルツェット(3番人気)に騎乗。

この日、1番人気に推されたのが、この春のビクトリアマイルで3着し、昨秋の秋華賞で2着だった戸崎・マジックキャッスル。手堅さではここ右翼の2番人気、川田・ドナアトラエンテに期待が集まりました。

  ところが、スタート前になって空模様が一転、もくもくと暗雲。と、同時に凄い豪雨が襲来。スタンド前を叩きつける雨音。それで見通しが悪くなります。それでも定刻通りにスタートが切られました。

真っ先にロザノワールが飛び出し先頭。これを2番手で追いかける形となったドナアトラエンテ。そこへ外からシャムロックヒルが並んで来ます。それをマークするように内からフェアリーポルカ。その外側にマジックキャッスル。意識的に前に出て来たシゲルピンクダイヤが外から並んで来ます。

中団にはサトノセシルがいて、最後方に出遅れたクラヴァシュドール。同じ位置にはテルツェットが待機策。

先頭から後方まで、ほとんど一塊。前半の5ハロンが59秒9。数字的には遅いペースですが、強い雨が降る中で泥が飛ぶ馬場。緩みないペースと見ています。

4コーナーでは逃げるロザノワール、これに並びかけようとするフェアリーポルカ。その間から中団にいたイカットが接近。外にはドナアトラエンテ。直後にマジックキャッスル。外からテルツェット、一番外からサトノセシルが接近。

直線でフェアリーポルカの内側を狙ったイカットが挟まれる形で急ブレーキ。先頭にフェアリーポルカが先頭に立ちかけたのを見て外からマジックキャッスルが渾身の末脚でグングン肉迫。直後の内から出遅れたクラヴァシュドール、外からテルツェットとサトノセシルが並んで追い込んで来ました。

  ゴール前は抜け出したマジックキャッスルを外から猛然と、それは計ったかのようにテルツェットがクビ差し切り勝ち。一番外から迫ったサトノセシルがクビ差3着。同じくクビ差でフェアリーポルカ。クラヴァシュドールは5着となりました。   そして2番人気のドナアトラエンテはブービーの11着に失速。同様に好位で展開したシゲルピンクダイヤ(4番人気)も10着に敗退となりました。

8戦6勝となった4歳のテルツェット。名手ルメール騎手を背に、この秋の重賞戦線が楽しみになりました。

 

歴史的定説を塗り替えた条件馬の快走劇!!

   これはある意味で歴史を塗り替えるような衝撃的な結末でした。夏の新潟恒例の「アイビスサマーダッシュ」。キャリア5戦、2勝馬の3歳オールアットワンスが初重賞制覇。1番人気に見事に応えました。一昨年の優勝馬で昨年2着と実績断然のライオンボス(2番人気)が2着。

結果的には人気サイドの決着となりましたが、実は3着と力走したのがバカラクイーン(14番人気)。2勝クラスで凡退続き。正直、重賞ではいかにも家賃が高い印象に映りました。

しかも、新潟1000mでは絶望的な1枠1番枠。馬場コンディションがいい外側に向かって、スタートと同時に各馬が外へ外へと向かって走ることが定着していた新潟1000m。

ところが、バカラクイーンの菅原騎手は、陣営の指示どおりも、イチかバチか真逆のコース取りを選択。内ラチ沿いに向かってバカラクイーンを誘導します。他の馬は一団となって外に向かいます。まわりに他の馬がいないことで、ポツンと内から果敢に先行するバカラクイーン。

一番外からライオンボス、その内にロードエース。これに内から並びかけようとするオールアットワンス。これらを追って3番人気のモントライゼ。そして、我が道を行くとばかりに内ラチ沿いを飛ばすバカラクイーン。

内側1頭に対して外側に広がった争いは、ライオンボスを捉えて先頭に躍り出たオールアットワンスが、外ラチから食い下がるライオンボスを振り切り優勝。その間が開いたインサイドで頑張ったのがバカラクイーン。1馬身差で3着に頑張り抜きました。

まさに定説破りの戦法で3着と快走したバカラクイーン。3着はアイビスサマーダッシュ史を変えるような粘り腰でした。まさに衝撃の銅メダルといった結末。

  このバカラクイーンの好走で、これからはインを選択する馬が増えるかも知れません。圧倒的、外枠有利の定説を塗り替えたバカラクイーン。これからはインを狙う馬が出て来そうな気がします。