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追い込み策から一転!堂々の中京逃走劇!!

    あの女傑中の女傑、ターフを惜しまれながら去ったアーモンドアイ。彼女が3年前に制したシンザン記念。今年は第二のアーモンドアイを目指してククナが、Cルメール騎手を背に中京競馬場に登場。全身バネのような大きなフォーム。そのスケールはGI級と評価する向きが大多数でした。

ところが、中山競馬場のみならず中京競馬場も土が掘れて、切れ味よりもパワフルさが要求されるコンディション。ククナが東京のアルテミスSでソダシの2着に追い込んだ時点と比べて、明らかに異なる馬場状態となっていました。

スタートを切るとポンと出たのがピクシーナイト(4番人気)。前走の秋明菊賞でゴール前追い込んで3着した馬ですが、まるで別馬のような抜群のスタートダッシュ。労せず先頭に立ちました。

2番手に2番人気のバスラットレオン。外から掛り気味に3番人気のロードマックスが並びかけて来ました。そしてダディーズビビット。その直後でカスティーリャが怒ったように掛り気味。それはダディーズビビットが外から行った時に、カスティーリャに接触するようなシーン。これでぐっとハミを噛み、掛かり気味になってしまいました。一方、ククナはルメール騎手が仕掛け気味に後方を追走。 半マイルが46秒3、そして5F通過が58秒1。一人旅のピクシーナイトはペースを極端に落とさず、スピードに乗って気持ちよさそうな単騎逃げ。そして、そのままのスピードに乗って、逆にラスト200mで後続を突き放しにかかります。そのまま危なげなく見事な逃げ切り勝ち。

「厩舎側が難のあったゲートを修正してくれて、いいスタートを切れたことが大きかったです」と福永騎手。泥が飛ぶような馬場コンディションで1分33秒3。ラスト35秒2。優秀な時計です。圧勝でした。また、536kの大型馬。クラシックに向かって楽しみな逸材が誕生した瞬間でもありました。

2着は直線外から鋭く伸びたルークズネスト。2番手に浮上したバスラットレオンを捉えて2着にノシ上がりました。ここへ来て末脚にグンと磨きをかけているようです。

一方で、そのバスラットレオンは逃げたピクシーナイトの直後で展開しながら、結局ピクシーナイトに馬体を併せることが出来ず。ひょっとして高速決着だった朝日杯FSの反動でしょうか。

そして、アーモンドアイ二世の呼び声が高かったククナ。前半は後方待機策。これは予想できましたが、前半からルメール騎手が仕掛け気味に追走。直線で追い上げて来ましたが、ボコボコした馬場で持ち前の切れ味が半減。鋭さはまったく感じられませんでした。やはり良馬場で切れ味を生かせる舞台が向いているような気がします。

また3番人気のロードマックスは前半で力んだせいか折り合いを欠いて15着に惨敗。京王杯2歳Sの2着馬。次走は折り合ったときの姿を見たいです。

2021の東西金杯は大波乱の幕開け!!

2021年、令和3年、おめでとうございます。コロナ禍にありながら、競馬は今年も1月5日の金杯からスタートしました。

例年であれば「京都金杯」ですが、今年は京都競馬場が改修工事のために、中京で代替開催。中山はいつも通り「中山金杯」で行われました。

「中山金杯」は期待馬ヒシイグアス(1番人気)が、内から馬込みを割って伸びて来たココロノトウダイ(5番人気)と、馬体を併せてゴールイン。クビ差競り勝ち初重賞制覇となりました。

主導権を取ったロザムール(14番人気)が、前半5ハロンを62秒0のスローに持ち込み、2番手のウインイクシード(11番人気)が、直線先頭に立ちかけたところを、中団で末脚を温存したヒシイグアスが、54kのハンデの利もあって、待望の重賞ゲットとなりました。松山騎手との相性もバッチリ。今年の成長が大いに期待されます。

また、クビ差2着に追い上げたココロノトウダイ。厳しいポジションから内側のボコボコした馬場から、ヒシイグアスに馬体を並べて食い下がりました。4歳馬で本格化の兆しが見られます。楽しみです。

期待したカデナ(6番人気)はスタートで内側のショウナンバルディが外に寄れて接触。そのためポツンと最後方まで下がる厳しい展開。4コーナー手前から大外を捲るように上位に浮上するような脚を見せましたが、内回りの中山2000mでスローペースでは厳しかったような気がします。

  一方で中京の「京都金杯」は、逃げたエントシャイデン(14番人気)の一人旅。従って前についてまわった馬で決着した印象です。

内側の経済コースを好位で追走したケイデンスコール(12番人気)がゴール前で割るように抜け出して、新潟2歳S以来、久しぶりの重賞制覇。エントシャイデンがインで粘るところに、3番手で対応した私の◎タイセイビジョン(7番人気)が肉迫。そこへ4、5番手追走のピースワンパラディ(2番人気)が外から鋭く伸びて2着。

一方で、圧倒的な1番人気に推されたシュリがスタートで後手を踏み、巻き返して5番手を確保したものの、最後のゴール前で伸び脚を欠いて5着に敗退。同様に出遅れた3番人気レッドガランが追い込んだものの6着。

ケイデンスコールは前走の東京のオーロC(6着)で◎。「狙っていた」と、岩田康騎手がコメント。追い込みを武器とするタイプが、よもや好位から早々と先頭に立つとは、思いもつきませんでした。

2着ピースワンパラディ、3着ケイデンスコール、4着タイセイビジョン。大波乱となりました。