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作戦がズボシ!松山弘平騎手が小回りで見事な手腕!!

   福島夏の開幕週は3歳馬による「ラジオNIKKEI賞」。前身は残念ダービーとも言われて、ダービーで敗退した、あるいは参戦できなかったと言った3歳勢による「ラジオ関東賞」。

今年は東西から魅力的な3歳が集結。なかでも圧倒的な人気に支持されたのが2戦2勝のディープインパクト産駒の評判馬フィエールマン。恵まれた馬格で、先行、差しと臨機応変に対応。秋のGI戦線の目玉的存在になるかも知れない逸材。

福島開幕週で小回り芝1800m。明らかに先行馬に有利な舞台でした。ところが注目のフィエールマンはスタートで後手を踏み最後方。飛び出したのが戸崎騎手のキボウノダイチ。2番手にシセイヒテン。そして内々の3番手に松山騎手のメイショウテッコン。ただ、いくらか行きたがり引っ掛かる勢い。その外にロードライト。エイムアンドエンドも差なく続きます。3番人気のイェッツトが中団で、狙っていたキューグレーターも少し引っ掛かり気味。ようやく1番人気のフィエールマンが中団くらいの位置に押し上げて来ました。

先頭のキボウノダイチが4ハロン目から理想的な12秒台にペースを落とし、末脚を温存策です。そして内々の3番手にいたメイショウテッコンが、4コーナーで先行馬の外に出し2番手に浮上。ラスト2ハロンは11秒6-11秒6。

一方、フィエールマンは3コーナー過ぎに前がゴチャつき、4コーナーではなんと最後方まで位置取りを下げる形。そして外に膨らみ加減になりながら直線で前を追います。

直線ラスト200mで先頭に立ったメイショウテッコン。先頭に立つと少しジリっぽくなりながらラストスパート。

そして直線大外から猛然と伸びるフィエールマン。ケタ違いの脚色で先頭のメイショウテッコンにグングン迫ります。とはいえ脚色は飛び抜けていましたが、さすがに4コーナー最後方では半馬身差までがやっとの印象でした。

優勝したメイショウテッコンはケイティクレバーと同じ56kのトップハンデを背負っていましたが、福島の小回りを考えた最高のポジション。そしてスパートのタイミングもベスト。半馬身差の優勝は松山騎手に技量賞を差し上げたいくらいです。

おそらく将来性はフィエールマンがズバ抜けていると思います。4コーナーで最後方まで後退し、一番大外からラスト34秒4。それは神業に近い内容でした。まともなら突き抜けていた可能性があります。

3番人気のイェッツトは小回りの福島コースを気にしたのか、後方でまったく伸びきれませんでした。この辺りは若い3歳馬です。

楽しみにしていたキューグレーターも、忙しい福島は向かないのか、まわりに馬が来ると行きたがり引っ掛かり気味。最後の伸びを欠いてしまいました。

いずれにしても、小回りの芝1800m福島では、こういう風に乗れば勝つんだ、と言ったお手本のようなレース。

それゆえ、松山弘平騎手には大きな拍手を送りたいと思います。

   

なんだ!なんだ!涙あり「宝塚記念」の衝撃度!!

       前日の雨がすっかり上がったとはいえ、阪神の芝は水分を多く含んだコンディション。今年、前半戦の総決算、グランプリ「宝塚記念」。

1番人気は古馬陣の代表格サトノダイヤモンド。続いてキセキ、ヴィブロスとGI馬が続きました。

主導権を取ったのは予想通りサイモンラムセス。タツゴウゲキが2番手。内からストロングタイタン、スマートレイアー、ゼーヴィントが並んで1コーナーをまわって行きます。

その直後にダンビュライト、ミッキーロケット、サトノクラウンが続き、ヴィブロス、ノーブルマーズ、パフォーマプロミス。後方にはステファノス、香港のワーザーの後にサトノダイヤモンド。そしてキセキが続きます。

前半の5ハロン通過が59秒4。稍重馬場としては比較的緩みない流れです。そして、3コーナーから事態は動きます。ペースを上げて逃げるサイモンラムセス。タツゴウゲキの直後に迫ったミッキーロケット。後方にいたサトノダイヤモンドが外をまわってゴーサイン。キセキはまだ後方で動かず。

 そして勝負どころの4コーナーで、逃げたサイモンラムセスに並びかけて抜け出す態勢のミッキーロケット。そして直線外に出したサトノダイヤモンドが2番手に一気に浮上。その間にストロングタイタン。ヴィブロスが一番外から追撃態勢。ゴチャついて仕掛けが遅れたダンビュライト。内からノーブルマーズ。

力強く抜け出したミッキーロケット、2番手のサトノダイヤモンド。ところがラスト100mでサトノダイヤモンドの脚色が急に鈍りだしました。最内からノーブルマーズが伸びて来ます。

 そのときでした。4コーナーで後方にいたワーザーが、直線大外からケタ違いの伸び脚で強襲。逃げるミッキーロケット、追い込んだワーザー。この2頭の結末はミッキーロケットが、クビ差振り切って初めてのGI制覇となりました。

「最初からロングスパートを決めていた」と言う和田竜二騎手。なんと17年余ぶりのGI制覇。GI7勝で一時代を風靡したあの名馬テイエムオペラオーの天皇賞・春以来のGI制覇だったというのですから、まさに長いトンネルでした。

和田竜二と言う一人のジョッキーを表舞台に送り出したそのテイエムオペラオー。相棒のGI制覇を見届けることなく、先月の5月17日心臓麻痺でこの世を去りました。

今回の宝塚記念は、1番人気のサトノダイヤモンドが6着に敗退。2番人気のキセキが8着。3番人気のヴィブロスが4着。4番人気パフォーマプロミスが9着。サトノダイヤモンド、キセキともに、まだまだ本調子に戻り切れなかったようです。また昨年の勝者サトノクラウンは12着。こちらは昨秋の天皇賞でキタサンブラックと死闘で2着。それは不良馬場で疲労困憊。そしてジャパンC→有馬記念と惨敗続き。復活はまだまだ遠そうです。 一方で、10番人気と評価が低かったワーザー。当日の馬体重がマイナス27k。あまりにも尋常でない馬体減。この状況で長距離輸送が克服して2着と快走。私が察するところ香港の体重計は、香港時のダンビュライト然り、あまりアテにはできません。

そして、私が推したダンビュライトが5着。前半は好ポジションをキープしたのですが、3コーナー過ぎにゴチャついたときにポジションを下げてしまいました。直線外から追い上げて来ましたが、なんとも不完全燃焼のような後味の悪い内容でした。