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異次元の破壊力でクラシック1冠を奪取!!

凄い「桜花賞」でした。2番人気に推されたアーモンドアイが最後方近くから直線大外をケタ違いの脚で並ぶところなく突き抜けて行きました。

この日、1番人気は阪神ジュベナイルF、そしてチューリップ賞を快勝した4戦無敵のラッキーライラック。騎手として初めてのクラシック制覇を目指す石橋脩騎手。とはいえ1番枠を引き当てたことによって、当然ながらプレッシャーは相当なものがあったはずです。

「1番枠で外から包まれては大変なことになる、前に出て正攻法で行くしかない」そう石橋脩騎手は考えたと思われます。

そして、絶好のスタートから難なく先頭に立ちかけます。外からコーディエライト、そしてツヅミモンが強引に前を主張。その直後のインにラッキーライラック。

一方で、アーモンドアイはいつものように後手にまわります。ところが、それ以上に大きく出遅れたのがプリモシーンです。私の本命でした。

3番人気のリリーノーブルが中団の先頭で外。4番人気のマウレアは中団よりも、やや後方グループ。そして、最後方近くの外にアーモンドアイ。その内側にプリモシーンが並んで追走。

前半の3ハロンが34秒5、半マイルが46秒6。そして1000mの通過が58秒7。比較的緩みのない流れで展開して行きます。

勝負どころの4コーナー。内から抜群の手応えでラッキーライラックが、今にも飛び出しそうな勢いで石橋脩騎手のゴーサインを待っています。

外から好位置に進出したリリーノーブル。それを前に見て進出して来たのがマウレア。最後方のアーモンドアイ、プリモシーンが一団に追いついて来ました。

ラスト200mを抜群の手応えで内からラッキーライラックが動いて一気に先頭。そのまま押し切りを狙って鞍上の石橋脩・ラッキーライラックが懸命のギアチェンジ。

ところが、後方で末脚を温存していたアーモンドアイが一番外に進路を取ると、一歩一歩力強い豪脚で、先行各馬を並ぶところなく抜き去り、あっという間に先頭に立って、楽々ゴール板前を突き抜けて行きました。まさに異次元の末脚。

自身のラスト3ハロンが33秒2、同じ国枝厩舎のアパパネが8年前に桜花賞レコードを樹立。それを8年後の国枝厩舎・アーモンドアイが1分33秒1と更新。まさに国枝魔術。圧勝でした。

2着に敗れたラッキーライラック。ほぼ完ぺきなレースぶり。断トツ人気の中でプレッシャーと闘いながら、鞍上の石橋脩騎手も100点近い騎乗が出来たような気がします。勝者アーモンドアイのスケール、決め手が一枚上でした。

3着にリリーノーブルが中団から追い上げて3着を確保。半馬身差だけ2着のラッキーライラックに届きませんでした。

また、私の◎プリモシーンはスタートの大きな出遅れが致命的でした。4コーナーで馬群の後ろに取りついたのですが、シンザン記念でアーモンドアイに騎乗し、その強烈な末脚の威力を感じていた戸崎騎手。

アーモンドアイと同じ進路を避けて、馬込みの中に突っ込んで行きました。ところが、前がズラリとカベ。なんとか一瞬開いたとこを探して突入したもののまた前を塞がれて万事休す。10着に敗れ去りました。それでも、2着ラッキーライラックと0秒6差。5着のマウレアと0秒2差。それゆえ、まともに追えていたら間違いなく接戦になっていたはずです。これも“勝負運”というものでしょうか。

M・デムーロ騎手の衝撃騎乗に感嘆の声!!

  春の注目のGI「大阪杯」。中距離王の決定戦!勝者は1番人気に支持されたスワーヴリチャード。初GI制覇となりました。

このスワーヴリチャードが大胆で衝撃的なパフォーマンス。戦前から言われていた右まわり不安説。あの有馬記念でも直線で外から内に切れ込むように他馬の進路を妨害。デムーロ騎手にしても、この不安が頭に過るものがあったはずです。そのことが今回のスワーヴリチャードの騎乗に繋がったと見ています。

加えて、15番枠を引いたことから厩舎側といろいろと作戦を練ったことでしょう。この外枠から普通で出た場合に、3、4コーナーから外を通り進出。直線でまた内の馬に迷惑をかけるかも知れない。逆に内ラチを頼って走ったとしたら直線で必ず前がスムーズに開くという保証はない。

となると「これは強気に大胆なレースをするしかない。4コーナーを先頭にまわったら、これは必ずインを走れる可能性は十分。調子はすごくいいのだから少しくらい大胆なレースしても勝ち負けに持ち込める自信がある」と、デムーロ騎手は考えたかも知れません。

その大胆なレースとは3コーナー手前のからのスパートでした。スタートで出遅れたスワーヴリチャードは最後方から2番手。楽に主導権を取ったのがヤマカツライデン。その後にダンビュライト。私が注目したアルアインは5番手の内。その直後にサトノダイヤモンド、外に並んだシュヴァルグラン。中団のインにペルシアンナイト。その背後にミッキースワロー。スワーヴリチャードはその後でした。

そして早めに外からゴールドアクターが動くとトリオンフが続いて上昇。それを見てスワーヴリチャードが出撃態勢。3コーナーに向かうところで外から一気に仕掛けて浮上。そして逃げるヤマカツライデンに並びかけます。 これにはビックリしたようなヤマカツライデンの酒井騎手。2頭が雁行するように4コーナーにさしかかると、スワーヴリチャードに再びエンジンが再点灯。これを目標に好位から内を割ってアルアイン。ラスト11秒1-11秒4-11秒6の争い。まさに二枚腰で後続を突き放しにかかります。 そしてアルアインの川田騎手も懸命に前を追います。外からペルシアンナイトが鋭く迫って来ました。一方で、外に出したサトノダイヤモンドは直線鋭さを欠いて伸びません。その外からミッキースワロー。その内からヤマカツエース。

左ステッキではなく右ステッキで安全策を取るスワーヴリチャードのデムーロ騎手。2番手に上がったアルアインの外からペルシアンナイトが鋭く迫りましたがスワーヴリチャードの快勝。

2着にペルシアンナイト。3着にアルアインの4歳勢。ヤマカツエースが4着で、5着がミッキースワロー。サトノダイヤモンドは7着に敗退。

昨春の皐月賞で6着だったスワーヴリチャードが優勝。1、2着のアルアインとペルシアンナイトの2着争いでした。

それにしても、スワーヴリチャードの欠点を見抜いて、それを補うような騎乗法で勝者に導いたMデムーロ騎手。まさに芸術的なレースでした。スタンドのファンから大きな喝采。本当に見事でした。