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おお、東京競馬場の直線がわれた!そこへ戸崎・ストレイトだ!!

011 012 今年もこの馬、このジョッキー!圧巻の快走劇でした。極上の馬場コンディションで、高速決着が予測されたG1ヴィクトリアマイル。なんと7歳の熟女、ストレイトガールが戸崎圭太騎手を背に昨年に続きヴィクトリアマイル2連覇を達成。

1分31秒5、5年前のアパパネの持つヴィクトリアマイルレコード(1分31秒9)を、大きく更新する快挙!まさに高速時代の代表格にノシ上がりました。

  高松宮記念で待機策から失敗したレッツゴードンキが、東京で強力な同型が見当たらないことから、当然、先手を主張するものと考えていたら、なんと岩田騎手にその気がなく、中団の前くらいの位置で控える形。この展開で局面は大きく変わりました。

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本馬場に入場したときに、向こう正面あたりで、岩田騎手のレッツゴードンキと、隣でじっくり話しているように見えたのが福永騎手のカフェブリリアント。何を話していたのか定かではありませんが、レッツゴードンキが控えて、カフェブリリアントが3番手の積極策。なんらかの影響を与えたのかも知れません。

スタートと同時に内から前に出て来るスマートレイアーを尻目に、外から先頭に立ったのがレッドリヴェール。これを見下ろす形でカフェブリリアントが続きます。

前半の3ハロンが33秒8。アパパネのときと同様に歴史的なハイペースです。内にマジックタイムが中団の先頭。外から馬体を合わせるルージュバック。その真後ろにあのレッツゴードンキ。その内側にストレイトガール。比較的まわりに馬がいないことから楽な追走に見えました。ストレイトガールのやや外目をクイーンズリングがピッタリ。

そして、これらを見る形で1番人気のミッキークイーン。それに馬体を併せて行こうとする2番人気のショウナンパンドラ。

半マイル通過が45秒7、そして4コーナーの1000m通過が57秒2と、一向にペースダウンしません。縦に長い展開です。

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そして4コーナーで逃げるレッドリヴェールに並んだカフェブリリアントが、一気に先頭に躍り出て、後続を振り切ろうとします。これを見てスマートレイアーが続きます。外からマジックタイムが先行勢の後ろに迫って来ました。

それに続け!とばかりにルージュバックも接近。射程圏に入れます。そんなときでした。やや内目のコースをストレイトガールが迫って来ました。ここは東京では前がカベになるコース取りでしたが、今回は奇跡的にもポッカリ開いていたのです。まさにコースがわれるようなヴィクトリアロードが出来ていたのです。

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ガラッと前が開いたところから、力強く先頭に立ったのがストレイトガール。ラスト200m。戸崎騎手のステッキが入ると、昨年を思い出したかのように、2馬身、3馬身と後続を突き放しにかかります。勢いとその差から優勝は確定的。

それを追ってストレイトガールが抜けた同じようなところをミッキークイーン。4コーナーで大外に出したショウナンパンドラが、ゴール前で一気に強襲して来ましたが、コースロスの少なかったミッキークイーンが、外から2番手に上がったパンドラを差し込んで2着を確保。その差がハナ差。

スマートレイアーが良く頑張り、ルージュバック、マジックタイムの追撃をハナ差振り切って4着を確保。ルージュバックが5着でした。

優勝したストレイトガールは7歳。昨年、ストレイトガールが6歳で優勝するまでは、すべて4、5歳の決着。6歳以上の高齢馬ツケ入る隙さえありませんでした。

しかも、ヴィクトリアマイルのレコードで独走。これが7歳馬とは思えないようなイキの良さ。頭が下がります。

左手を高く掲げて喜びを全身でアピールする戸崎圭太騎手。運が味方したとはいえ、それは人馬とも見事なヴィクトリアマイル制覇でした。

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東京マイル戦はタイムトライアルだ!エンブレムの逃走ストーリー!!

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東京の1マイル戦に絶対の自信があったと思われたメジャーエンブレム。ファンの方も良くご存知で、前日から圧倒的1番人気に支持されて単勝は2.3倍。前走の桜花賞4着がなかったかのような熱烈な支持でありました。

この高い支持は、やはり2走前のクイーンCそのものの結果によるところが大です。サッと主導権を取り、余裕で5馬身差のワンサイドレース。時計を見てビックリ。1分32秒5、ラスト34秒7を楽々と叩き出したのです。1週前の東京新聞杯を逃げ切ったスマートレイアーが1分34秒1。ペースの違いはあるものの1秒6も上回るポテンシャルの高さを、ファンの方は忘れてなかったようです。

前走の桜花賞も圧倒的1番人気でしたが、スタートでモタついたことで控える形。内枠でもあり行きたいところで行けず、ジュエラー、シンワライトの決め手の前に屈してしまいました。

この敗戦から逃げ戦法でメジャーエンブレム陣営は決断をしたようです。小細工をするくらいなら思い切って行こう!騎乗したルメール騎手も迷いはありませんでした。

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しかも、東京の高速馬場で4番枠を引き当てた運の良さ。逃げてメジャーエンブレムの力を100%出させる、なにしろ1分32秒5の自己ベストがあるのだから。タイムトライアルの気持ちで強気で臨もう。田村調教師を筆頭に思いは一致していたのです。

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ゲートが開くと真っ先に飛び出したのがメジャーエンブレム。内からシュウジ、外からシゲルノコギリザメが忍び寄って来ましたが、内のシュウジの岩田騎手は背中を丸くしながら必死に手綱を絞っています。シゲルノコギリザメも必死に食らいついている印象。

こうなるとメジャーエンブレムの独り舞台。コンピューターで刻まれたような11秒台のラップを刻み続けます。決してスローには落としません。自分自身で1分32秒台に持ち込むタイムトライアルなのですから。

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半マイルが46秒0で、1000m通過が57秒7。2番人気のロードクエストは直線勝負に賭けて最後方から2頭目。3番人気のイモータルメが当面の目標のメジャーエンブレムを射程圏に好位5、6番手前後。ダッシュがつかなかったティソーナは中団。同じく出遅れたトウショウドラフタは後方グループ。そして私が期待した9番人気ブレイブスマッシュは中団よりやや後ろ。

直線に入っても快調に逃げるメジャーエンブレム。11秒3-11秒5の二枚腰で、2馬身、3馬身と後続との差を一気に広げます。

後続もメジャーエンブレムを必死に追いかけますが、なかなかその差が詰まりません。そのため外を通りたくない馬がひしめき合って、インサイド寄りで激しい叩き合いを繰り広げます。ブレイブスマッシュやイモータルなどは馬体を接触。

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ゴール寸前でさすがのメジャーエンブレムも、やや息が上がって来たところに、大外から満を持していたロードクエストが猛然と強襲。その中を突いたレインボーラインも伸びて来ましたが、メジャーエンブレムがそのまま押し切って見事な優勝。

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時計が1分32秒8、ラストはさすがに35秒1を要したものの強気の競馬をして良かった!鞍上のルメール騎手からは安堵の表情が垣間見えるようでした。