ほぼ完ぺきだった◎ミラノの逃走に次元を超えたRバック!!
エプソムカップは私が推察した通りの展開でした。比較的前に行けるロジチャリス、ラングレーは東京コースと言うこともあって、好位置で折り合いに専念するはず。
となると、主導権を取って逃げるマイネルミラノにとっては、まさに願ってもない展開になると推察。楽に先手を取ったときは昨夏の巴賞の独走、新潟記念の粘り腰。格別のものがあった馬です。
今回は最大の強敵が、なんと54Kで出走して来るルージュバック。実績ピカイチの馬がこの裸同然の斤量。直線で射程圏に入れられたら強靭な末脚に差し込まれる。マイネルミラノには少し離した逃げで、セーフティリードから押し切りを狙ってほしい。単騎一人旅なのだから、それが可能なはず。柴田大ジョッキー、頼みます。
ところが、マイネルミラノは久しぶりの芝1800mだったからか、今一つダッシュ力に欠けてポンと行き切れませんでした。それでも、必死で押して柴田大ジョッキーは、何が何でもハナに固執。シゴきながら外から先頭に立ちました。
内からアルマディヴァン、外からスーとナカヤマナイトが進出。ラングレーが内で外にはエキストラエンド。ロジチャリスはすぐ後ろ。外にレコンダイト。そして中団の外に位置する形でルージュバック。その背後にアルバートドックがいて、ヒストリカル、サトノギャラントが続いて、3番人気のフルーキーはじっと我慢。
この形で坦々と流れて行きます。前半の半マイル48秒5、1000m通過が60秒5、まさに予想した通りのスローペース。
直線に入ると2番手のナカヤマナイトがギブアップ。アルマディヴァンもマイネルミラノについて行けません。快調に逃げるマイネルミラノ。ラスト400mで後続と3、4馬身。そのときでした。直線大外に出したルージュバックがもの凄い脚で追い込んで来ました。グングンとマイネルミラノに迫って来ます。ラスト200mでも2、3馬身あった差が、あっという間に詰まって並ぶところなく突き抜けて行きました。あとは戸崎騎手が手綱を緩めるように追わずにゴールイン。
内で頑張るマイネルミラノが粘り切ったか、と思ったのですが、ルージュバックを追うようにフルーキーが鋭く伸びて、内外開きながら同時にゴールイン。結果は追い込んだフルーキーがクビ差先着。2番人気のロジチャリスが好位で展開したにもかかわらず破壊力の違いで4着。
◎6番人気のマイネルミラノは柴田大騎手が完璧な騎乗だったにもかかわらず、最後はGI級の切れ味に屈した印象です。欲を言えば、もしスタートでポンと出ていれば、2着はあったような気もします。
それにしても、もの凄い切れ味を見せつけられたルージュバック。ラスト32秒8という神がかり的な破壊力でした。おそらく今後は2000m前後の中距離路線を歩むことになりそうですが、やはりこの伝家の宝刀的パンチ力は、GI戦線に向かう上で、大きな武器になりそうです。
さしずめ秋の天皇賞!という声も関係者から出ています。
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どいつがこの低レベル安田記念に仕向けたのか!?
目下無敵の7連勝で昨年の安田記念、マイルCSを制したモーリスの圧巻の強さを見たい、完全復活したサトノアラジンの強烈な末脚を見たい、昨年のクラシックの大将格、ドバイターフを快勝し勢いに乗るリアルスティールの強さが見たい、安田記念はそんな横綱級の馬が揃って、ファンの熱い思いは私にも伝わって来ました。
ほぼフルゲートの例年に比べて、今年は12頭とモーリスに恐れをなしたのか、自重する馬が目立ちました。
私は昨秋のマイルCSでモーリス相手に、出遅れながら最速の33秒0の末脚を見せたイスラボニータに食指が動いて◎。
しかし、この頭数で強力な逃げ馬が見当たらず、おそらく1番枠という最高の枠を引いたクラレントが、押し出される形で主導権だろう。香港のコンテントメント、ディサイファ、レッドアリオン、ロゴタイプあたりも先行力を生かしにきそうだ。ハイペースにはならなくとも平均ペースくらいで展開しそうだ、と考えていました。
ところが、分からないものです。ロゴタイプがサッと先頭に立つと、後続はポジションなんか考えず直ぐに手綱を引きに出ます。ハナを切ると予想していたクラレントも中団の内で折り合いに専念。そうこうしているときに、注目のモーリスはTベリー騎手が手綱を懸命に引っ張って、というより持って行かれる感じで2番手に浮上。それを外で見ながらリアルスティールの福永騎手も懸命に手綱を引きながら3番手。内にはディサイファ、外にコンテントラメント。珍しく互角にスタートを切ったイスラボニータもかかり気味。その後ろのインにクラレント、並んでサトノアラジン。フィエロが直後に控えて、最後方には内からダノンシャーク、出遅れたロサギガンティア、そして何故か消極的なレッドアリオン。
前半の3ハロンが35秒0。例年、33秒台で展開する安田記念。一昨年、酷い不良馬場を制したジャスタウェイの時が35秒1。高速馬場の今年は驚くスロー。さらに先頭のロゴタイプが気分よく逃げているのに、まるで金縛りにあったかのように、モーリスを筆頭にして各馬懸命の抑え込み作戦。
半マイルが47秒0、5ハロン通過は59秒0。前日の500万、国分寺特別が半マイル47秒3-59秒0とまったく同じ。
このペースで先行できなかった、とレース後コメントしているジョッキーの真意は意味不明です。
500万でも遅いくらいの超スローの安田記念。ラスト3ハロンに全力を投入するだけのロゴタイプ。11秒3-10秒9-11秒7で、そのまま圧倒しました。
2番手の1.7倍のモーリスが4角でもまだ動かず、なんとか懸命に粘って2着を確保。ゴール前はディサイファ、サトノアラジン、イスラボニータの激しい叩き合いでしたが、外からグイグイ伸びて来たマイル巧者のフィエロが3着。
2着のモーリスから6着ディサイファまで、わずか0秒1差の大激戦。モーリスに騎乗したTベリー騎手が、ゴール寸前で2着を確保したと考えたのか、ふっと手綱を追う手がルーズになったような印象ともとれるプレー。ハナ差で迫っていたフィエロに差し込まれそうなゴール前でした。
それにしても、皐月賞以来、実に3年余ぶりの6歳馬ゴタイプの優勝。終始、田辺騎手は満面笑み。
この記録的なスローペース、互角に出ながら行けなかったと、クラレントの小牧騎手。先行できたのに前の馬が残る展開でしたね、と解説者もどきのレッドアリオンの川須騎手。自分が行かないとスローになる、追い比べで勝てる!という作戦だったのでしょうか。チャレンジャーとしての怠慢プレーと、とられても仕方ないです。
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