ハンデ戦?1・2・3番人気が総崩れした札幌記念とは・・?!
昨年は人気馬ハープスターとゴールドシップで無風決着だった「札幌記念」は、一転した衝撃の結果となりました。
札幌記念と言えば定量戦で、人気馬がその支持に応えて存在感を見せていましたが、今年は仰天の結果となりました。
私は一昨年と同様にトウケイヘイローが同型不在で単騎一人旅に持ち込めると考えて、予想を組み立てましたが、その辺のところを察知した各陣営が、少しでも前で、なるべく早く動く作戦で臨んで来ていたのです。
それゆえ、外からスーッと先頭に立ったトウケイヘイローではありましたが、内から1番枠を引き当てた2番人気のラキシスが先行策。外からディサイファ、そして1番人気のトーホウジャッカル。これらがトウケイヘイローの直後で展開。このためトウケイヘイローはペースをガクンと落とせません。前半の3ハロンが35秒1で、半マイル47秒0、1000m通過が58秒9。この緩みのない流れにラキシスとディサイファ。その直後でトーホウジャッカルも楽な展開ではありませんでした。ハギノハイブリッドもこれらの有力馬をみる形。3番人気のラストインパクトは後方で待機策。中団よりやや後ろをダービーフィズ。そして後方をヒットザターゲットと続く展開。
4コーナーでは仕掛けたディサイファが逃げるトーホウジャッカルに並びかけてきました。それを見て内から抜群の手応えのラキシス。これを追うハギノハイブリッド。その外にはトーホウジャッカルで、大外からラストインパクトが馬体を併せに来ました。直後で外をまわるヤマカツエース。中団のインにダービーフィズ。それを直後で追うステラウンドとヒットザターゲット。
直線中程で先頭に立ちかけたディサイファ。これを内から忍び寄るラキシス。そしてハギノハイブリッド、外にはトーホウジャッカル、大外がラストインパクト。ヤマカツエースもついて行きます。
直線で中団から最内を衝いてダービーフィズ。ラキシスの内です。さらに後方から馬込みを捌いて、直線外に出したヒットザターゲットが強襲。
押し切るかディサイファ、インから直線で外に出したヒットザターゲットが迫ります。外からヤマカツエース、その内にラストインパクト。窮屈な内をこじ開けるかのようにダービーフィズ。一方でハギノハイブリッドは少し鈍り出しました。
結局、最高の騎乗で待ち味をフルに出し切ったディサイファが、昨年のエプソムC、今年の中日新聞杯に続き重賞3勝目。GⅡは初めての制覇でした。
ゴール前で外から強襲したヒットザターゲットがアタマ差まで肉薄したところがゴール。これが2着。インから良く追い上げたダービーフィズが3着。同じくアタマ差。
外から一瞬やったかな!と思わせたヤマカツエースが半馬身差4着。これにクビ差でラキシス。ラストインパクトはラキシスと鼻面を並べていました。
1番人気のトーホウジャッカルは好位置で流れに乗ったか、と思えましたが、二走ボケか、速い流れで割を食ったのか、伸びを欠いて8着に後退。そのあとがトウケイヘイローでした。
勝ち時計が1分59秒0、昨年のハープスター1分59秒1。その比較から優秀でしたが、この馬場コンディションでレースのラスト36秒2はもの足りない気がします。
正攻法で臨んだディサイファは先行各馬が崩れたことを考えると出色の内容です。この秋の活躍が大いに期待されます。
また、ラスト34秒9と最速の末脚を披露したヒットザターゲット。7歳馬ですが目を離せません。
いずれにしても、1、2、3番人気が撃沈した今回の札幌記念。実績だけを頼りに重視する予想の組み立て方。過信はできません。とくに夏競馬はそんな印象です。
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記録的なスローペースに勝者は逃走の決断!!
新潟競馬場開場50周年、記念の第50回「関屋記念」は、2番人気に推されたレッドアリオンが、見事に期待に応えて栄冠を手にしました。
今年は連日の猛暑もあってか例年よりも少ない12頭が参戦。ここ4戦で3勝、GIヴィクトリアマイル5着のカフェブリリアントが福永騎手で1番人気。
例年、新潟外回りということからかスローで展開することが多いのですが、今年は典型的な逃げ馬が不在。超スローで展開することは確実でした。
このペースを読んで、作戦を練ったのがレッドアリオンの川須騎手でした。「逃げ馬が不在だったので、ハナに行くことは当然想定にはありましたね」と川須騎手。
ところが、スタートを切ると出負けして最後方。そこから仕掛けてじわじわと上昇。内から先頭に立ったスマートオリオン(4番人気)に外から並びかけて主導権をとります。
ヤングマンパワーが3番手に進出。内にはシャイニープリンス、エールブリーズが続きます。その後には最内にアルマディヴァン、外にカフェブリリアント。外からエキストラエンド。内ラチ沿いにはマジェスティハーツと馬体を並べてアルバタックス。最後方にはポツンとサトノギャラント。今回はサトノギャラントも絶妙とも言える五分のスタートを切りながら、手綱を絞るだけ絞って1頭だけ別世界の競馬。
前半の3ハロンが36秒4で、半マイルが47秒9。未勝利クラスでも遅いペース。ゆったりとした流れで抜群の手応えで逃げるレッドアリオン。一昨年は前半3ハロンが34秒5、昨年が34秒9。ここ2年よりも2秒近い遅い流れなのです。
そして、後半の半マイルが11秒4-11秒2-10秒7-11秒4。44秒7-33秒3のラップを刻んだレッドアリオン。破格の決め手がないと、先頭のレッドアリオンは差し切れません。
もし、その可能性があるとしたら私の◎サトノギャラントでした。体調はすこぶる良さそうでした。スタートの悪い馬が絶妙のスタート。後方でも一団の展開にピッタリとついて行ければ、谷川岳Sで披露した31秒9という神ワザ的な豪脚で差し切れると見ていたのですが、サトノギャラントに騎乗した柴山騎手は、一団の最後尾の馬から3馬身くらい離れて、しかも4コーナーを回ると馬込みの中に突っ込んで行ったのです。長い直線ですからどこかで外に出すチャンスがあったと思うのですが、ギュウギュウの馬込みに突っ込んだものですから、当然予測される事態が起きました。
2、3番手にいるヤングマンパワーがふらつき、その前後にいた馬が押し合いへし合い。凄い脚で取りついたサトノギャラントも、混雑した馬が前にいるので、仕方なく急ブレーキ。内、外の抜けるところを探すのですが、追えない状態でゴールが近づきます。そうこうしている間に、先頭を行くレッドアリオンの優勝は決定的。
一旦、スマートオリオンに並ばれたレッドアリオンが、直線中程まで我慢していた追い出しを一気にかけると、2番手以下を突き放し、スマートオリオンは連勝の疲労からかギブアップ。
1番人気のカフェブリリアントも馬群の中で前の馬が邪魔になり、最後の決め手を生かせず馬込みの中で埋没。
そのとき大外に出したマジェスティハーツが凄い脚。ゴール寸前で猛然と強襲。僅かに及ばず2着でした。ラストは32秒4。と考えると、31秒9の瞬発力があるサトノギャラントも外に出していれば、届いたことも考えられます。消化不良の一戦でした。
こうした超スローの展開は騎手の判断が大きく左右してきます。出負けしたレッドアリオンの川須騎手も、強気の逃げが功を奏しました。
レッドアリオンはマイラーズCに続き重賞2勝目。昨年の関屋記念の優勝馬クラレントに続く兄弟制覇となりました。
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