
夏の函館の呼び物「
函館記念」。心配された雨の影響もなく行われました。1番人気に推されたのが昨秋の
毎日王冠1着から確実に
重賞で上位争いを演じて来た
エアソミュール。M
デムーロ騎手を配して、57.5Kもなんのその人気の主役に祭り上げられました。
一方、直前の
巴賞で逃げ切り圧勝を決めた
マイネルミラノ。半年ぶりの優勝でしたが2番人気の支持で
エアソミュールに続きました。
で、結論から言えば、この
マイネルミラノが結果を左右する事態に発展したのです。それはどういうことかと言うと、16番枠で最後にゲートに入った
マイネルミラノが、スタートを切ったときに1完歩出負けしてしまったのです。実況アナはどうしたものか、
マイネルミラノが好スタート!とアナウンス。

内から
サトノプライマシー、ヤマカツエースや
エックスマークが、相手の顔色を窺いながら先行する形。このときでした。内から先に行かれたことに、やや焦ったのか
マイネルミラノの
丹内騎手が、手綱をしごくようにしてスタンド前の大外をビュンビュン前に行きます。内の各
ジョッキーはそれを見て納得したかのように控えます。
エンジンがかかった
マイネルミラノは、後続との差を広げながら逃げ脚を伸ばします。前半の3Fが34秒9。
巴賞(1800m)のときが36秒0。明らかにオーバーペースで飛ばします。半マイルが46秒6(
巴賞47秒8)で、5F通過が58秒6。後続との差を大きく広げ、引っ掛かるように引っ張ります。

2番手以下がこれを黙認していたので、先頭から後続が縦に長い展開。後続には1番人気の
エアソミュール、そして
レッドレイヴン、
アーデント。
逆に離れた2番手で経済コースをピッタリと回るヤマカツエース、その直後のハギノハイブリッド。そしてハギノハイブリッドの真後ろで流れに乗った
ダービーフィズ。これらの馬にはスコブル有利な展開となったのです。
4コーナー手前で、やや脚色が鈍ってきた
マイネルミラノに並びかけようとしてヤマカツエース、それにハギノハイブリッド。そしてその外に
ダービーフィズが動きます。この4頭から離れて
エアソミュールと
レッドレイヴン。

直線はヤマカツエースを捉えたハギノハイブリッドと馬体を並べて来た
ダービーフィズの叩き合い。3番手以下が離れて2頭のマッチレース。
岩田騎手の大きな騎乗ホームで
ダービーフィズが、ゴール前でも懸命に抵抗するハギノハイブリッドを、アタマ差捉えて初
重賞制覇。3歳時は
セントライト記念2着するなど嘱望視されたのですが、低迷という長いトンネルに入り、それが、ようやく今年の春あたりから光が見えて来た成果の延長が、この
函館記念でした。
確かにBコースに変更されて、インコース有利の舞台が大きく左右したことは否めませんが、それよりも出負けして、仕掛けて出た
マイネルミラノが、やや暴走気味に飛ばしたことが大きく今回の
函館記念にかかわっていると推察しています。
マイネルミラノは中1週の競馬で少しテンションも高めだったように思います。
丹内騎手はレース後のコメントで「他の馬が控えてくれたことで、じんわりとハナに立てて自分の競馬に持ち込めました。けれども4コーナーで手応えが怪しくなりました」と。

ラスト3ハロンが36秒8の決着。
マイネルミラノは38秒3とダート並みに失速。ラスト35秒9の
エアソミュール。位置取りが形として後ろ過ぎた格好となりました。直前の
鳴尾記念は3番手で良く粘っていたのですが・・。
もし、
マイネルミラノがポンと好スタートから先頭に立つレースか、2、3番手で折り合いを付ける形であれば、各馬一団の団子の展開となって、また結果も違っていたことでしょう。

