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新潟記念の定説は今年も生きていた!凄いやM・Dという男!!

        008     013 夏の新潟競馬の大一番、「新潟記念」にはある定説があったのです。真夏はローテーションが、なにより重要と考える私は、ここ数年の確かなデータを感じとっていたのです。   それは小倉記念から新潟記念に向かってくる馬の馬券の連対率が、ばかにいいことに着眼。ちなみに、過去6年に限れば馬券の対象はパーフェクト。連対が5回。4年前はナリタクリスタル、サンライズベガで1、2着。6年間で4勝もしているプロセス。まずハンデ戦ではお目にかかれない高確率なのです。私はこのデータに大いに着目しました。

今年この小倉記念→新潟記念というローテーションを組んで来たのは、クランモンタナとパッションダンスの2頭。パッションダンスは小倉記念で◎に指名。6着と一息伸びを欠きましたが内容的には悪くありませんでした。

001  しかし、それ以上にクランモンタナの小倉記念で見せた末脚が光りました。僅差の4着でしたが、それは完全復調を窺わせる迫力を感じたのです。夏に強く、昨年の新潟記念2着の実績からも、職人、内田博騎手で“勝負になる”と推察しました。

結果的にパッションダンスが優勝。M・デムーロ騎手を配して、ゴール前でしぶとく伸び、粘るマイネルミラノをアタマ差捉えたのです。それは鞍上のデムーロ騎手による優れた騎乗技術的な勝利でもあったのです。

002 枠順に恵まれたマイネルミラノがスンナリと主導権を取って、スローに落とすだろうと考えていたのですが、1番人気の3歳馬ミュゼスルタンが積極的に前に出て来ました。2番人気のマジェスティハーツが3番手争い。ともに追い込みタイプなのですが、スローを意識してか、これまでとは一転した作戦を組んで来ました。外からアーデントが進出。内にはユキノサムライ、その後ろにパッションダンス。並ぶようにクランモンタナでしたが、外から3番人気のメドウラークが被せるように出てくると、クランモンタナが挟まれる感じで下がります。

003 これらを見てファントムライトがインをピッタリ。一番外をアヴニールマルシェが上昇。スイートサルサがいつもより早めに前に出て来ました。ダコールが続き、離れ気味にアルフレードと外にロンギングダンサー。最後方は出遅れたユールシンギング。

3コーナー手前で外から内に切れ込むようにアーデントが先頭に立ち、後続との差を一気に広げて行きます。2番手はマイネルミラノ、外にマジェスティハーツが進出。その後ろがファントムライトで、外にメドウラーク、ミュゼスルタンもピッタリ。このときユキノサムライがバランスを崩し、直後にいたパッションダンスがそれを避けるように外に出して難を逃れました。クランモンタナが盛り返し気味に中団。内にはラブイズブーシェ。後方にはロンギングダンサー。5ハロン通過が58秒8。稍重の馬場で緩みないペースです。

一気に仕掛けたアーデントが3馬身くらいリードを取って先頭。2番手の柴田大・マイネルミラノが、後続との差を考慮して絶妙のタイミングで前を捉えに出ます。後続は少し離され気味。続くマジェスティハーツがついて行けなくなります。内ピッタリとパッションダンス。メドウラークもいます。ファントムライトと、その外にミュゼスルタン。

稍重馬場ということもあって各馬パッと外に広がり、馬場の真っただ中をマイネルミラノがアーデントを捉えると、真一文字にゴールへ向かいます。勢いから勝負は決したかのように見えたのですが、内に進路を取ったファントムライトと外のパッションダンス。とくにパッションダンスのデムーロ騎手は、マイネルミラノを標的に外に持ち出して懸命の追撃。

006 必至に粘りこみを計るマイネルミラノに外から馬体を並べたところがゴールでした。悔しがる柴田大騎手。うまくいった!と言わんばかりのデムーロ騎手。3着には13番人気ファントムライトが食い込んで大波乱。 1番人気ミュゼスルタンは16着、2番人気マジェスティハーツが10着。3番人気メドウラークが9着。4番人気のアヴニールマルシェが15着。5番人気のアルフレードが7着。上位人気馬が総崩れ。

007 注目していたクランモンタナは伸びを欠いて12着。馬場にのめっているようにも見えました。

012 それにしても、小倉記念からの好ローテーションを生かし切ったパッションダンス。M・デムーロ騎手の上手さには脱帽ものです。1分58秒2の時計も小雨が降る馬場状況を考えると優秀なタイムでした。

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神業かR・クエストは第二のハープスター再来という声!!

009  それはスタンドで見ている観衆の度肝を抜きました。1頭だけ別次元で走っている馬がいたのです。出遅れて最後方にいたこの日の1番人気ロードクエストがそれでした。

新潟競馬場開場50周年。記念すべき今年の「新潟2歳ステークス」は、一昨年の優勝馬ハープスターのようなスターホースが飛び出すかも知れないということで、今年も大きく注目されました。

とりわけ1番人気に推されたロードクエストは、春の東京のデビュー戦で直線大外から豪快に一気差し。ラスト33秒2で一気に突き抜けたのです。

その性能、ポテンシャルの違いから衆目の一致するところとなりましたが、雨が降った馬場コンディション。キャリア2戦目の2歳馬。全幅の信頼は危険かも、と言う思いもあって、単勝は3.6倍と比較的他の馬にも票が流れていました。

ところが、そんな不安はまったくの杞憂に終わったのです。それも観ている観衆の度肝を抜く、まさに次元の違う器の大きさを見せつける結果となったのです。

スタートでデビュー戦と同様にダッシュがつかず最後方。2番枠ということもあって馬群の最後方のインでのんびりと追走。

001 主導権を取ったのが3番人気の評判馬ルグランフリソン。前半3ハロンが35秒4で、半マイルが47秒6。スローな展開で流れて行きます。ウインミレーユが直後の2番手グループ。好位置に外から進出してきたのがウインファビラス。ペルソナリテが中団の外。その内にはトウショウドラフタ。後方には外に2番人気のヒプノティスト。その内側にはマコトルーメン。その直後、最後方にガッシリと手綱を抑えたロードクエスト。

002 003 ほぼこの形で流れて4コーナーに向かいます。先頭はルグランフリソンが快調に逃げ脚を伸ばして行きます。ロードクエストは最内を一番後ろ。スローなので楽にピッタリ張り付いている展開です。

直線に入ってやや進路を内からコースの中程に出したルグランフリソン。各馬は馬場状態を考慮して中から外へ、花が開花するようにサーッと広がりました。ガラッと開いたインコース。そこをタニセンビクトリーが1頭だけ押し上げてきました。

そのときでした。ポッカリ開いたインサイドから最後尾にいたロードクエストが、手綱をほとんど抑えたままの状態で浮上。進路を外に取った他馬を右手にチラリと見た田辺騎手。追ったところなく2番手に内から頭をのぞかせてきました。

004 ラスト200mのハロン棒を確認するかのように、田辺騎手がゴーサインで手綱を動かすと、それに応えてロードクエストが反応。見事なギアチェンジで一気に先頭に立つと、2番手以下をあっという間に突き放しにかかります。1馬身、2馬身、3馬身と差を広げると、田辺騎手は勝利を確信して、追うことを止め流しながらゴールを駆け抜けて行きました。

005 結局、2番手のウインファビラスに、堂々4馬身差のワンサイドレース。それも余裕綽々のゴールでした。この圧倒的な強さに度肝を抜かれたファンは、目を丸くしながら“おお、スゲー!”と口を揃えてその英雄を迎えました。

006 時計が稍重馬場で1分33秒8、自身のラスト3ハロンが32秒8。それはまさしく神がかり、異次元の破壊力でした。

異次元と言えば、あのハープスターも度肝を抜く圧巻のレース。直線大外一気で余裕の独走。強烈なパフォーマンスはファンの脳裏に深く残りました。ハープスターは翌年秋には凱旋門賞に挑戦。ゴールドシップ、ジャスタウェイを相手に日本馬最先着という力走を見せたのです。

ロードクエストにはハープスターが成しえなかった世界最高峰の頂点を、是非目指して欲しいものです。いずれにしても大変な馬です。

007 2着はウインファビラス、3着がマコトルーメン。ロードクエストは父がマツリダゴッホ。ウインファビラスはステイゴールドが父。3着マコトルーメンダイワメジャー。4着ペルソナリテはステイゴールド産駒。いずれもサンデーサイレンス一族が上位を独占したのです。

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