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スローの展開でラスト36秒3の決着!失速?してしまったGI馬!

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 天皇賞の前哨戦ともいうべき「大阪杯」。今年はキズナ対エピファネイア!GI馬2頭のマッチレースという様相でした。

 ところが、きちんと走ったのがキズナとトウカイパラダイスの2頭だけ。内容的にはなんら見るべきものが、ほとんどありませんでした。

 菊花賞以来のエピファネイア、同じく凱旋門賞以来のキズナ。絶好調時の状態には欠けるかも知れない、ほとんどのファンの方が考えたとしても、ごく自然なことです。そういった状況のなかでも、1番人気が1.9倍でエピファネイア。対するキズナが2.4倍で2番人気。同じ長期休養明けの牝馬2冠のメイショウマンボが6.4倍。一昨年の大阪杯優勝、昨年はオルフェーヴルの2着と、大阪杯に強いショウナンマイティが4番人気で13.2倍。

 8頭という頭数からみても、波乱と言うことは考えづらい一戦でした。ところが、終わってみれば、馬連が7020円。3連単が2万50円。これは意外でした。

 レースは外からじんわりとカレンミロティックが逃げる形。好スタートを切ったトウカイパラダイスが2番手に控えて、ビートブラックが直後で追走態勢。この3頭がレースを引っ張る形で、36秒6-48秒6、1000m通過が60秒5。この流れで4番手以下が大きく離れてしまいます。遅い流れを意識してか追い込みのショウナンマイティが4番手を追走。メイショウマンボ、フラガラッハ、エピファネイアがいて、最後方にはキズナが末脚を温存。

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 ゆったりとした流れの中で3頭が後続を離す形でしたが、1000m通過して11秒台にギアチェンジ。離れた4番手にショウナンマイティ、メイショウマンボ。そしてエピファネイアは直後のキズナを牽制。それでもエピファネイアの福永騎手は、先行する3頭との差を考えて、仕掛け気味にジワジワと外からメイショウマンボに並びかけます。

 キズナの武豊騎手が動いたのが4角最後方から。外に出して仕掛けると他馬との勢いの差は歴然。サーッ、サーッと前を追います。直線でカレンミロティックを捉えて先頭に立ったトウカイパラダイス。急追するキズナとの差がみるみるうちに詰まって、並んだと思った瞬間、次の場面では一気に抜け出して突き放し余裕でゴール。まさに役者の違いを見せつける圧巻の内容。

 2着には粘りに粘ったトウカイパラダイスが、エピファネイアの追撃を振り切って2着。1番人気のエピファネイアは無念の3着。ショウナンマイティが5着で、メイショウマンボにいたっては、優勝したキズナから大差水をあけられる7着。

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 勝ち時計が2分00秒3。昨年のオルフェーヴルが1分59秒0、3年前のヒルノダムールが1分57秒8。馬場コンディション、展開などで時計のバラつきが出ることは当然ですが、この平凡な時計でレースの上りタイムが36秒3。昨年の33秒7と比較してもあまりにも水準以下のタイム。

 前半の5ハロンが1分0秒5のスロー。それでいて、直線はラスト12秒4-12秒4と、1000万の条件クラスよりも劣るタイム。

 そういった中で、唯一、際立ったラスト33秒9で圧倒したキズナ。これは普段通りのキズナの姿。ゆえに人気馬ではキズナ1頭だけがきちんと走ったことに他ならないのです。

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 2着のトウカイパラダイスも自分の力だけは出し切りました。残念なのがエピファネイア。キズナに並ぶところなく置き去りにされてしまったところに、エピファネイアの不完全な姿があったと思います。メイショウマンボにいたっては、レースに出せるような状態ではなかったような気がします。大きな額を投入してくれたファンに対して失礼だと思いました。

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 強運・開運!ツキを呼び込む“コパ”GI旋風

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     驚きました!なにもかも驚きました!GI「高松宮記念」です。トップレベルが争う芝1200mのスピード競馬の頂点。高松宮記念のレコードは1分7秒1。中京のコースレコードが1分8秒0。これはマジンプロスパーが叩き出したものです。

 ところが、ところがです。今年の結果は、なんと1分12秒2というダート並みの時計。これほどのぬかるんだ田んぼのような優勝タイムを誰が予想したでしょうか。

 馬場は前日の夜半からの雨。日曜の朝になっても降りしきる雨。馬場はダート芝とも不良馬場。

 「フランシーヌの場合はあまりにもおバカさん。3月30日の日曜日、パリの朝に燃えた命ひとつフランシーヌ」と、1969年に大ヒットした学生運動出身、新谷のり子さんが歌った「フランシーヌの場合」。カレンダーを見ながらなにげに口ずさみ、そこで、はた、と考え込んだのです。この歌は確かベトナム戦争や、アフリカのビアフラの戦争で200万人ともいわれる餓死者に抗議して、パリで焼身自殺をした学生運動の女学生、フランシーヌ・ルコンテさんを、新谷さんがフォーク調で歌ったものだったな・・。

 待てよ、どうしても逃げねばならないコパノリチャード、ハクサンムーンやレディオブオペラなどが、この雨で、この不良馬場でスピードに乗れなかったらどうなるのだろう?不安は雨が強くなる外を見てはどんどん増幅して行ったのです。

 そういった中で、早朝7時半過ぎに、Dr・コパさんからメール。「桜が咲くと雨が降る、風がなけりゃ花は散らない。桶狭間の戦い。この日のラッキーフードのチキンを食べること。ピンク、黄色、神社仏閣、会食、チキン料理で開運、開運なり~!」とのお達し。

 コパノリチャードの阪急杯の4馬身差は、なかなか出来る芸当ではないぞ!フットワークが小さく、比較的ピッチ走法だから雨は味方、強力な援軍になるかも知れない。これは桶狭間の決戦には大事なこと。と、考えていたら高松宮記念のスタートが切られたのです。雨が上がりうっすらと虹の架け橋が・・。

ゲートが開くや否や、一気に飛び出すスプリンターの精鋭18頭。ところがスタートの上手な快速ハクサンムーンが、1完歩出遅れたのです。各馬横並びの中で、12番ハクサンムーンのゼッケンだけが置かれました。

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 コパノリチャードが一気に行く構えを見せましたが、好スタートのレディオブオペラの外からエーシントップの武幸四郎騎手が押して押して一気に先頭。そして2番手以下をグングン引き離す作戦。中途半端に乗るのなら一気に飛び出して、逃げるだけ逃げてやる、武幸四郎騎手の胸の内だったようです。

 大きく引き離した逃げ作戦。初めての1200mとは思えないスピードの乗り。このエーシントップのダッシュ力で不良馬場なのに、前半3ハロンが34秒5。一昨年、カレンチャンが優勝したときが34秒5で、昨年のロードカナロアのときは34秒3。過去2年の良馬場とほとんど変わらないスピードを披露するエーシントップ。

 内の2番手がコパノリチャードで外にはレディオブオペラ。そして好位内にマジンプロスパーで外にスマートオリオン。マヤノリュウジンがいて、その直後にはインにリアルインパクト、外にスノードラゴン。サクラゴスペルと外のガルボは中団。さらに直後の内にはレッドオーヴァル、外にスタートが痛かったハクサンムーン。そしてサンカルロ、インプレスウィナーが最後方グループ。

 グングンと加速して逃げるエーシントップ。4ハロン目が46秒4。そこでも大きなリード。2番手のコパノリチャードは4角で2番手。後続の各馬が外に大きく広がる中で、後方からはまだ追撃の勢いが見られません。

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 おお、これはエーシントップの逃げ切りか、という思いが過りましたが、2番手のコパノリチャードが、ギアチェンジして猛然とエーシントップに迫ります。馬場中央からスマートリオン、その外にマヤノリュウジン。そして外から1番人気のストレイトガール、そのまた外にはスノードラゴン。

 エーシントップを捉えて一気にゴールを目指すコパノリチャード。その勢いは断然でした。1馬身2馬身と差を広げて行きます。大外のスノードラゴンの脚色が良く、ストレイトガールに競り勝って一気に2番手に進出。

 結局、コパノリチャードが後続に3馬身差。圧倒的な強さで文句なしの優勝。初めてのGI制覇となりました。

 不良馬場という悪条件を、逆に味方につけたコパノリチャード。良馬場だったらどうなのか、宿題を残したまま秋のスプリンターズSで答えは持ち越しとなりましたが、なんとも強運なコパノリチャードではありました。

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 2着に道悪が後押しとなったかスノードラゴン。不良馬場が不運だった3着ストレイトガール。出遅れと道悪がマイナスだったハクサンムーンが追い込んで5着。それはそれで収穫でしたが、私の目には初めての1200mで大きなリードを取り、逃げまくって4着に頑張ったエーシントップの健闘ぶりが光りました。不良馬場で34秒5-46秒4のスピードは素晴らしいです。

 2度目の芝1200mで注目していたリアルインパクトは想像以上に道悪が下手。不完全燃焼の9着でした。

ところで、驚きました。前記したように、この日のラッキーカラーは、ピンクと黄色と、コパさんは指定。スノードラゴンがピンク。ストレイトガールが黄色。コパノリチャードからで、赤→ピンク→黄色で入線。いやあ、コパさん驚きました!開運なり~ですね!!

 空にはコパノリチャードの快走を祝福するかのような虹のアーチ!いやあ、驚きました!(^^♪

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