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東京競馬場から見えた雨にけぶる晩秋風景に・・

 東京競馬は今週の11月26日、27日をもって今年の全日程に幕を降ろします。フィナーレを迎える27日は世界のホースマン注目の「ジャパンカップ」。
 今年、強烈な強さで3冠馬となったオルフェーヴルは早々に辞退。ファンにしてみれば残念ですが、オルフェーヴル自身の今後というためには良い選択だったという声も聞こえてきます。
 今年は東日本大震災の影響で、競馬開催も大きな影響を受けました。被災地の福島競馬が全開催中止。春の中山競馬も後半が開催中止となり、東京、新潟、京都、阪神、小倉がそれをカバーする形で行われてきました。
 東京競馬場は例年を越す開催日程ながら、秋の天皇賞でウオッカのレコードを大幅に更新する1分56秒1。これは衝撃的でした。優勝したトーセンジョーダン。勝利者ジョッキーとなったピンナ騎手のゴールでの大きな歓喜のアクション。今でも脳裏に残っていますが、はて、秋の天皇賞をレコードで走ったウオッカは、ジャパンCでスクリーンヒーロー、ディープスカイの前に3着。その見えない壁をトーセンジョーダンは乗り越えられることができるのか、彼の今後の大きな命運がかかります。
 また、今年の優勝馬はグランプリの有馬記念で、オルフェーヴルとの世紀の対決が待っているのです。もし、3歳馬のウインバリアシオンが勝ち名乗りを上げると、オルフェーヴルとは勝負付けが済んでいることからも有馬記念はオルフェーヴル一色となることでしょう。

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 11月19日、土曜日。東京競馬場は雨でした。10レースくらいから薄暗く、最終レースは照明を点灯。まるでナイター競馬の観。それでも、最終レースを終えてコースに光り輝く様は、光と雨が織り成すハーモニーのようで、キラキラと宝石のようで幻想的な趣さえ感じ取れました。写真はそのときの光景です。

 今年も残すところひと月余り。大震災の復興と、全世界的に厳しさを増す経済状況下で行われる31回目の「ジャパンカップ」。ときめく感動と希望を、東京競馬場から発信できるような一戦になることを祈りたいものです。

GI級の逸材がようやく手にした栄えある栄冠に喝采の嵐!!

 前日の雨が上がって太陽が顔を覗かせたとはいえ、コースは水分を含んでパワフルさが要求される馬場状況に変貌していました。
No1  こういった運を味方に取り込んだのが、今年のGIマイルチャンピオンシップ優勝馬、エイシンアポロンでした。結果的に5番人気は意外に低い支持と思えましたが、1年ぶりの実戦だった毎日王冠で4着。人気のダークシャドウ、リアルインパクトとクビ・クビ・頭差の0秒1差。互角に渡り合ったのですから衝撃の内容でした。1年も休んでいた馬が、トップクラスのGI馬を相手にいきなり互角の勝負。これには驚かされました。おまけに破格のラスト33秒2。
 とはいえ、こんなに初戦でGI級を相手に目一杯に走ったのでは、2戦目はその反動で凡走するかも知れないと考えたのですが、相手がやや手薄すの冨士Sで重馬場。2着のアプリコットフィズも良く走ったのですが、エイシンアポロンの地力の高さ、勢いの前には敵ではありませんでした。
 この一戦で完全に軌道に乗ったようです。毎日王冠で写真判定に持ち込んだリアルインパクトがマイルCSで人気の中心ということであれば、このエイシンアポロンもその前後の人気になるだろう。重馬場が得意であることは冨士Sの優勝からも明らか。2番人気か、それともリディルと並んで3番人気か。
 ところが、意外にもフランスの3歳馬イモータルヴァースが3番人気に浮上。前日の単勝オッズ11倍から6・7倍に上昇。3歳馬ということからか、重馬場ということからか大きく株価が動いたようです。ところが、結果的に出遅れて7着だったことで「こういった水分を多量に含んだ馬場は経験がなく、彼女には今日のような馬場は向かなかったようです。もう少し乾いてくれたらきっと持ち味が生きたと思います」とスミヨン騎手。はて、重馬場はOK。高速の硬い馬場は向かないという情報はどこに・・。

No2 No3
 レースは予測通りシルポートが主導権。これを追ってライブコンサートが2番手。1番枠のフィフスペトルもピッタリと追走。外からリディルの小牧騎手が背中を丸くして抑えるのに苦労している様子。同じ位置にはエイシンアポロン。そのあとにダノンヨーヨーとリアルインパクトが追走。フランスの2頭は後方で展開。
 前半の1000m通過が58秒6。逃げたシルポートにはいいペース。極端にハイペースではなく、後続も自己のポジションを維持する形で展開。ただ、4角で一気に後続が接近して、後方にいたサプレザが外に持ち出し、イモータルヴァースが最内を狙います。
No4 No5
 懸命に粘り込みを計らんとするシルポートも馬体を併せられてはギブアップ。2番手のフィフスペトルが一旦先頭。その直後にいたエイシンアポロンがこれを追います。3番手のダノンヨーヨー、その後に続くリアルインパクト。外から肉迫してきたサプレザ。
No6 No7
 激しい叩き合いは外のエイシンアポロンがフィフスペトルを捉えてクビ差先着。初めてのGI制覇となりました。11番人気で2着した横山典フィフスペトルは「最高の出来だったし、完璧なレースができた」と満足そう。
No8_2  3着とまた今年も優勝に届かなかったサプレザ。「よく走ってくれたが今年も外枠とはアンラッキーだったよ。上位がみんな内枠だったしね・・」と、ルメール騎手は悔しそうでした。
 優勝したエイシンアポイロンは毎日王冠の結果からも、1800mくらいまでは守備範囲とも思えます。まだまだ飛躍が期待できる存在です。