今年も秋のGIシリーズにコスモバルクが参戦してきます。ホッカイドウの星も既に8歳。輝き続けた3歳春の頃とは違って、近年はさすがに老いが目立ち、哀れな姿をさらけ出しています。ちなみに、昨年のジャパンC17着のあと有馬記念にも出てきて11着。年が明けた日経賞が11着。そして春の天皇賞が16着。続く宝塚記念が13着。もう散々な成績なのです。ボクシングであれば場内にタオルが入っているような状態。
JRAで連対したのが3年前のオールカマーでバランスオブゲームの2着。そのとき以来馬券の対象になっていないのです。一体、何故にこれほどJRA出走にこだわるのでしょうか。名声? プライド? わかりません。
コスモバルクといえば、2年前の秋の天皇賞で、逃げていて直線大きな斜行し、他の馬の進路を妨害。それを早々に直感した武豊騎手のメイショウサムソンがインから早めに抜け出し圧勝。当時、モロにコスモバルクの被害を受けたのがカンパニー。怒り心頭にカンパニー騎乗の福永騎手は「あの馬には去年もやられた。もう来るな!」と言ってやりたいと、3着の悔しさをぶつけていました。
これほど惨敗、大敗続きのコスモバルクは、今年の天皇賞・秋の出走順位が10番目。数年前に稼いだ賞金で、どんなGIにも出走できるほど安泰なのです。桜花賞を優勝したキストゥヘヴンが、昨年のヴィクトリアマイルで、重賞の連対実績もなかった惨敗続きのテンイムホウより出走順が低く、出走できなかったという不公平な現在のシステム。これは未来の競馬を考える上で大きな障害です。
今回の天皇賞に、現在のコスモバルクのような馬が出走できるシステムは、もうソロソロ考え直すべきでしょう。今回の天皇賞に登録しながら出走できなかった馬の中には、毎日王冠好走のサンライズマックスやナムラクレセント。京都大賞典2着のスマートギアなどが涙をのみました。出走してくればかなりの善戦、あるいは勝ち負けが期待できたことから、ファンの立場からも、ことの外残念です。
今年も秋のGIに出てくる場内タオルのコスモバルクの出走は何故許されるのか!?
やったー!菊花賞だ!スリーロールスだ!!浜中Jありがとう\(^o^)/
菊花賞で狙っていたスリーロールスが、人気のリーチザクラウンやイコピコ、アンライバルドを一蹴。第70代の菊花賞優勝馬に輝きました。
今年の菊花賞は一昨年、昨年に続いてダービー馬が参戦していない一戦。過去10年でダービー馬不在の菊花賞は4回。そのうち3回が馬連は万馬券。大荒れの菊花賞になる公算が大でした。トライアルのセントライト記念を制したナカヤマフェスタは、本番を前にしてダービー時よりも馬体重がマイナス6K。まったく菊花賞に思いを馳せていない仕上げに、菊花賞の勝ち負けは厳しいと、セントライト記念直後のブログでも書きました。
同じようなことが1番人気に推されたリーチザクラウンにも言えました。ダービー以来の神戸新聞杯で2着。当時がマイナス18Kと馬体重が激減。本番前にこの大幅に減った体重では無理かも知れない。これも、神戸新聞杯終了後のブログで書きました。ただし、菊花賞は他に主導権を取って行きそうな馬がいなかったのです。それゆえ、ゆったりとマイペースで行ければギリギリ逃げ残りも考えられるが、それでも頭はない、2着か3、4着。それは、直後に勝ち馬、そう菊花賞の勝ち馬がいるからだ、そう私は考えました。
それが、スリーロールスだったのです。リーチザクラウンの逃げはほぼ確実。流れは超スロー。こんなときは経済コースをロスなくピッタリと走ってくる馬が有利。なにしろ3,000mも走ってくるのだから。自分の予想のコラムではそう書きました。
それは9月26日の阪神、野分特別(1,000万)でした。このレースはある種、驚愕のレースだったのです。3角で先頭に立ったスリーロールス。4角を回ると再加速して後続に4馬身差。時計を見て度肝を抜かれました。芝1,800mを1分45秒0、なんとラストが33秒6。余裕を残してこの時計はありえない。私は何度も確認したのですが、間違いではありませんでした。
野分特別の1週前に行われた古馬準OPの西宮S。ゴール前でナムラクレセントと追い込んだスマートギアの壮絶な死闘。首差でナムラクレセントに凱歌。時計が芝1,800m1分44秒8でラストが34秒4。2着のスマートギアが同タイムでラストが33秒8。なんと毎日王冠で4着(ナムラクレセント)の馬や、京都大賞典2着(スマートギア)と、勝ち時計はほぼ同じで、末脚の威力は切れ者スマートギアを上回っていたことに衝撃的でした。それも余裕を残して…。
菊花賞の枠順が発表。1枠1番。野分特別と同じ。これは運命か。この枠ならリーチザクラウンを前に見て、内枠をロスなく走って来れる。おお、何というラッキーさ。GIを制するのにはこういう幸運も必要なのだ。2、3番手で内をぴったり。野分特別で見せたラスト33秒6が生きてくる。そう、再加速なのだ。これで後続も振り切れる。と、私はほくそ笑んでいました。
菊花賞当日は晴れの良馬場。天気予報は曇り→雨予報でしたが、これも大きなストライドのスリーロールスにはついていました。
菊花賞は頭に描いた通りの展開。ただ、リーチザクラウンが2番手以下を大きく離して逃げるというのは予想外でした。それでも、スリーロールスの優勝は3角過ぎに浜中騎手の手綱が長手綱でブラブラ状態。周りの馬のピーンと張った状態と比べても、しっかり折り合っている、長距離はこうじゃなくちゃ。これは絶対いける! と私は確信に変わりました。ゴール前でターフビジョンに驚き、外に大きく逃げたのはキャリアの浅さ。それでも盛り返して、インから伸びたフォゲッタブルを盛り返して差し返したのは、この馬の素質の高さでしょう。勝ちタイムが昨年の菊花賞より2秒以上速い時計。騎乗した浜中騎手は初めてのGI勝ち。大いに嘱望されている関西の若き獅子。スリーロールスともども楽しみです。