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福島2000はオレに任せておけ!!

   「福島のことは福島巧者に任せておけ!」とばかりに、ヤツはやって来ました。七夕賞です。直線外から先頭に立ったブラヴァスに、内々を割って伸びて来たクレッシェンドラヴが並ぶと、そこからグイと抜け出て快勝。昨年の七夕賞でミッキースワローの2着。秋の福島記念で優勝。まさに福島、それも芝2000mをもっとも得意としているタイプ。鞍上は先々週のラジオNIKKEI賞で、代打ホームランをバビットでかっ飛ばして意気上がる内田騎手。

夏の入り口の福島ならではのハンデ戦、伝統の「七夕賞」。例年、波乱含みの一戦で、今年も重馬場のコンディションで、大混戦の様相を呈していました。

1番人気はGI大阪杯で見せ場を作ったジナンボー。鞍上にレーン騎手を配して、56kのハンデからも負けられない、と言った強気のコメントも伝わってきましたが、このジナンボーがスタートで後手。先週から続く降雨で馬場はたっぷりと水分を含んだコンディション。これで少し意気消沈したのか本来の姿を見せられないまま後方を追走。

一方、クレッシェンドラヴもスタートは後手。結局、後方に置かれました。「内でモマれることは避けたかった」という内田騎手。向う正面で動き出し、勝負どころで馬込みの中に割って入って行きます。外に広がる展開で勝負どころの4コーナーでは好位に進出。

「今日のような馬場は大丈夫だと思っていましたが、こんなに器用にこなしてくれるとは思わなかった」と内田騎手。

   

主導権を取ったパッシングスルーが後続を離して単騎逃げ。2番手が内から道悪巧者のウインイクシード。ノーブルマーズがこれに並びかけるような展開。マイネルサーパス、リュヌルージュが好位。その背後にブラヴァス、ヴァンケドミンゴが続き、スタートで不利のあったエアウインザーと続きます。後方グループは内からクレッシェンドラヴにジナンボー。そして2番人気のヒンドゥタイムズ。 前半の5ハロンが61秒3。重馬場にしては緩みないペースです。そして3コーナー過ぎから後続が仕掛け気味に前に殺到。

4コーナーで内から2番手のウインイクシードが先頭。それにマイネルサーパス、その外にブラヴァス。それを背後でヴァンケドミンゴ。そのとき開いた内からスルスルと迫って来たクレッシェンドラヴ。1番人気のジナンボーは後方で悪戦苦闘。

内からウインイクシード。ぽっかり開いた間から追い上げて来たヒンドゥタイムズ。その外にクレッシェンドラヴ。その外にはピッタリとブラヴァス。一番外にはヴァンケドミンゴが接近。

激しい叩き合いは外のブラヴァスを振り切ったクレッシェンドラヴ。内田騎手の左ステッキに応えて先頭でゴールイン。2着がブラヴァスで3着が外からヴァンケドミンゴ。 1番人気がジナンボーは精彩を欠き9着。私が注目していたエアウインザーはスタート直後に不利を受け、そのあとで躓き、内々を走らされて万事休す。直線は三浦騎手も止めていました。残念です。  

さすが熟練のU騎手が放った急遽と言うドラマ!!

  なんという巡りあわせでしょうか。こんなドラマの筋書きをかけたら直木賞ものでしょう。開幕したローカル福島開催の呼び物は、3歳注目の一戦「ラジオNIKKEI賞」。小回りの芝1800m。

このレースでバビット(8番人気)に騎乗予定でいた団野騎手が、7レースの落馬事故に巻き込まれて負傷。ここで急遽ピンチヒッターに内田騎手が指名。

稍重馬場で1番枠のバビット。抜群のスタートを決めて難なく先頭に躍り出ます。内田騎手は「スタートが速かったし、無理に下げる必要はないと思って、そのままハナに行きました」と振り返ります。

出の悪かった2番人気のグレイトオーサーがシゴキながら2番手に進出。パンサラッサが3番手。1番人気のパラスアテナは後方に控えます。

  前半の5ハロンが59秒6と、稍重馬場のコンディションでは平均した流れ。逃げる内田騎手は「3コーナーから4コーナーでも手応えは十分。少し早めに仕掛けたら加速してくれました」と、想像以上の手応えだったことを明かします。

 そして、直線でも後続を尻目に、ぐんぐんと差を広げて、そこはまさに独り舞台。後続に5馬身差。ワンサイド劇でした。

4コーナーで2番手に上がったパンサラッサ。そのまましぶとく2着。直線一番外からパラスアテナが肉迫。中団で脚を温存していたディープキング。開いた内から詰め寄って外のパラスアテナを捉えて3着。

早めに好位に上がったルリアン(3番人気)、後方から差を詰めて来たサクラトゥジュール(4番人気)。直線は道悪のせいか、ともにジリジリと差を詰めるのが精一杯。5着、6着でした。

内田騎手は「急だったので、正直、これほどのパフォーマンスが出来るとは思ってもいませんでした。ペースが速くなっても、距離が伸びても問題ないと思います。良い競馬をさせてバトンタッチをしたいと思っていたので、本当に良かったです」と、熟練らしいコメントで振り返りました。

これでローカルだけで3連勝のバビット。いろいろと恵まれた面はありましたが、そのスタミナと先行力。秋に向けて楽しみになりました。