勝利の分け目は強い運だった安田記念!!

  春のマイルの頂点「安田記念」優勝したのは9番人気のモズアスコットでした。中団の内を追走。直線は混み合った馬込みの中から強襲。押し切りを狙ったアエロリットをクビ差捉えて初GI制覇。これがなんと初重賞勝ち。それも1分31秒3のタイレコード。 さらに驚いたことに、 出走決定順位が19番目。全馬出走登録するとモズアスコットの優勝はありませんでした。さらに安土城S2着から連闘策。あまりにもモズアスコットは型破りでした。

私は強力な逃げ馬が見当たらないことから、アエロリット(5番人気)の先行力に期待を込めて◎を打ちました。モズアスコットは△。 抜群のスタートを決めたレーヌミノルの外からウインガニオンが飛ばして行きます。その後の3番手の内にアエロリット。外に並ぶキャンベルジュニア。この日の1番人気スワーヴリチャードはその背後。香港のウエスタンエクスプレスが外。2番人気ペルシアンナイトはスワーヴリチャードの真後ろでマーク。外側には3番人気サングレーザー。リアルスティールの顔も見られます。

そんな一団となった馬群の後にモズアスコット。外側にはリスグラシュー追走。出遅れたサトノアレスはレッドファルクスと共に後方で展開。

前半の半マイルが45秒5。極上の馬場コンディション。ハイペースと言えないまでも緩みなく流れて行きます。

4コーナーでは後続を離し気味に逃げたウインガニオン。2番手の外にレーヌミノル、その内からアエロリットが満を持して上昇。その外にはスワーヴリチャードが浮上。

そしてラストの直線坂上。外からサングレーザーと大外が出遅れたサトノアレスがグングンと伸びて来ました。

ラスト200mで内から先頭に立ったアエロリット。ここから持ち前の二段ロケットが再加速。内から末脚を伸ばしたスワーヴリチャードがパワフルなフォームで肉迫して来ました。このとき一番外から弾けるようにサトノアレス。その内側にサングレーザーが迫って来ています。

そんなときでした。馬込みを縫うように鋭く伸びて来た馬がいました。モズアスコットです。スワーヴリチャードの内からこれを抜き去り先頭のアエロリットに迫ります。そしてアエロリットに並んだところがゴールでした。クビ差し切り勝ち。力を込めてガッポーズのルメール騎手。悔しいクビ差2着のアエロリットの戸崎騎手から握手を求められると、笑顔で応えるルメール騎手。 C.ルメール騎手は、桜花賞・オークスのアーモンドアイに続くこの春3勝目のGI制覇。強運を味方にしないと、さすがにGIには手が届かないようです。

私の◎アエロリットは直線で外側にレーヌミノルがいなければ、もう少し外目を走れたと思います。たぶん戸崎騎手はそこを狙っていたはずでしたが、クビ差は運命としか言いようがありません。

3着にスワーヴリチャード。初めてのマイル戦。そして高速決着。見方によっては良く走ったと思います。

4着がサトノアレス。出遅れがなければ、また違った結果になっていたかも知れません。3番人気のサングレーザーが5着。そして2番人気のペルシアンナイトが6着。直線ゴチャついた中にいましたが1分31秒7ですから力は出し切ったようにも思います。

それは20年目のドラマ、父よ、父よ、見てくれたか!!

騎乗者は何度も何度も人目をはばからず涙を拭っていました。それは、彼が20年目にして、積年の思いが滝のように流れだした一瞬でした。

クラシック最高峰の日本ダービーは、一転して好位をキープした5番人気のワグネリアン。二枚腰を見せるエポカドーロをゴール寸前で捉えて優勝。福永祐一騎手にとっては、初めての日本ダービー制覇でした。

皐月賞で逃げまくったアイトーンがダービーに出走できず、強力な逃げ馬が不在。そこで「作戦通り」と言う戸崎騎手のエポカドーロが躊躇なく主導権。と、大外から仕掛けるように前に行く馬、それがワグネリアンでした。「この外枠でしたから、いつものように乗っているとポジションが悪くなるので、引っ掛かる恐れがありましたが、思い切ってあの位置を取りに行きました」と福永騎手。

1988年、この年はスペシャルウィークに次いで2番人気に推されたキングヘイロー。騎乗者はスペシャルウィークが武豊騎手。そしてキングヘイローは若き福永騎手。ところが福永騎手は本馬場に向かうときに極度の緊張感からか顔面蒼白。

皐月賞でセイウンスカイの2着。スペシャルウィークに先着。そして、スペシャルウィークに次ぐ2番人気に期待されたダービーでした。

ところが、大きく歯車が狂ってしまいキングヘイローは、まさに引っ掛かるように先頭に立ち、最後はスタミナを使い切ったようにバタバタでスペシャルウィークの14着。

「僕自身が若かったです」と後悔。この思いが長い間、福永騎手にはトラウマを背負っていたかように、重くのしかかっていたのです。

そんな思いを頭の中をかすめながら、今年のダービーはコズミックアースの外、5番手位置をキープ。前半の1000mを60秒8。半分の1200m通過が1分13秒1。予想通り明らかにスローで展開します。 快調に逃げるエポカドーロ。直後のインに1番人気のダノンプレミアム。外にジェネラーレウーノ。コズミックフォースも同じ位置の外。スタートで後手を踏んだブラストワンピースが好位に押し上げて来ました。この背後にワグネリアン。そのあとにゴーフォザサミット。そしてタイムフライヤー、サンリヴァル。少し離れてステイフーリッシュとジャンダルム。後方にエタリオウ、オウケンムーン、ステルヴィオ。グレイルはどうしたのかここまで下がりました。

エポカドーロを先頭に外からコズミックフォース、内からダノンプレミアム。そして外から追いついて来たワグネリアン。その背後にブラストワンピース。

ラスト100mで二枚腰を見せるエポカドーロ。外から襲い掛かるワグネリアン。追う者と追われる者。ゴール寸前でワグネリアンがエポカドーロを捉えてゴールイン。半馬身差でした。2着が粘ったエポカドーロ。しぶとく並びかけて来たコズミックフォースが3着。一番外から追い込んで来たエタリオウ、その内にブラストワンピース。ダノンプレミアムも内で食い下がっていました。

ゴール通過したあとダノンプレミアムの川田騎手が、福永騎手に寄り添って祝福します。1着のワグネリアンから6着ダノンプレミアムまで、僅か0秒2差のドラマでした。