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深夜に鳴いている蝉は、不幸な蝉の慟哭でしょうか!

0826_1  ひと雨ごとに季節の移り変わりを感じられるものですが、外では蝉がワンワン鳴いています。蝉は地中の中で5年も6年も、それ以上の年月を過ごします。やっとの思いで地上に出て、抜け殻からはい出て蝉としての第二の人生を始めるはずが、それは迫って来た死へのカウントダウンへの始まりでもあるのです。およそ7日から10日でその生涯を全うすることになります。その短い時間の間に、子孫を残すことに没頭するのです。
 それでも、不幸にして短い間の伴侶に巡り合わず、鳥に食されたり、蜘蛛の巣にかかったり、そんな蝉が多いことも事実です。あの深夜に鳴いている蝉は、そんな不幸な蝉の慟哭にも聞こえて悲しくなることがあります。

 被災地の仙台、亘理町に行って来ました。以前、見た風景はそこにはありませんでした。夏の8月の今頃は、目映いばかりの青緑一色の見事な田園風景でしたが、そこは冬のような赤茶色の田園が延々続いて、季節感を失ってしまいそうになります。
0826_2  我が家系の菩提寺に行って来ました。墓石がひっくり返ったり、積み重なったり、地蔵が転倒していたり、その光景をまわりに見ながらの墓参りとなりました。そして、陸に上がった数々の漁船。このまま廃船になってしまうのでしょうか。あの蝉のような悲しい鳴 き声が聞こえてくるような気がしました。
0826_7_2 瓦礫の荒野は、その瓦礫が海沿いの海岸に集められ、うず高く積み上げられて、炭鉱の山のようにも見えました。その瓦礫の山が延々と続き、その瓦礫の隙間から聞こえる海風がヒューヒューと私の心に刺さってきます。 0826_34   「ああ、近くに来ると匂った海岸近くの松原もないんだ・・。この辺には同級生の家があったけど・・。彼はどうしているだろう。無事ならいいが・・」と、傍にいた叔父に尋ねても、叔父は首を振るだけでした。
 育成場で有名な山元トレーニングセンターがある亘理町の隣り山元町は、海岸からなだらかな平坦が続き、津波は一瞬にして1000人以上の人命を奪っていったそうです。

0826_5  コンクリートの土台が残ったところで、中高生とおぼしき少女が、一人で何かを探し、あるいはカメラのシャッターをしきりに切っていました。
 所々に残った家もあるのですが、窓が壊れ、ガラスもなく、誰も住んでいない様子。電気や水などのライフラインが回復していないので住めないという話でした。
 叔父曰く「残っている家は、比較的新しく、しっかりした造り」だそうです。その残された壊れた家の壁に、一匹のアブラ蝉が悲しい声で鳴いていました。土からはい出てきた蝉は、止まる木立さえなく、同胞ともあえず悲哀の声のようにも聞こえました。
 ただただ夏の太陽のギラギラした暑さは、以前とまったく同じような真夏の暑さだったように感じました。
 滴り落ちる汗を拭いながら、まだ海中で瓦礫の下に眠っている行方不明者の霊に手を合わせ、被災地を後にしたのでした。0826_6_3  

さすが有馬記念好走のトーセンジョーダン!あのGI馬も実力の片鱗を披露!秋が楽しみになったぞー(^^♪

0825_01  目黒記念、函館記念を連勝したキングトップガンが3連勝を目指して、札幌記念でもかなり人気を集めるだろうな~と、戦前は考えていましたが、実際は6・3倍の3番人気。さすが、ファンの方の冷静ともいえる見識は高いですね。結果はブービーの12着。他に強力な逃げ馬いなかったことから、横山典騎手が正攻法にでました。楽に主導権を取って一人旅。ところが、他の馬も追走が楽で、インの直後にいたアクシオンもいつでもスパートできる態勢。
 ところが、この日のキングトップガンは函館記念を勝ったときに比べて520Kのプラス10K。8歳でデビュー以来最高の体重。明らかに調整ミスだったように思います。
 もっとも、51のハンデと横山典騎手の芸術的な騎乗で優勝した目黒記念。また、函館記念を優勝したときも、なんと首差の抵抗にあった相手が不振続きの10歳馬マヤノライジン。そんなラッキーさもありました。今回はここ2戦とは違って、GⅡ定量戦の「札幌記念」。相手も一段と強力な顔ぶれ。もう4角ではギブアップ状態でした。
 そういった中にあって優勝は1番人気のトーセンジョーダン。元々クラシック候補として大いに期待されていた馬。昨年の函館からアルゼンチン共和国杯まで3連勝。その勢いで有馬記念に挑戦。ヴィクトワールピサ、ブエナビスタ、トゥザグローリー、ペルーサに続く0秒3差5着。キングトップガン級とは役者が違いました。とはいえ、トーセンジョーダン自身が、本調子には一息の状態で、そのぶんアクシオンの粘っこい抵抗に合い、ハナ差までもつれ込んだのです。サマーJS独走の優勝騎手、福永ジョッキーにとっては格別に嬉しい1勝となりました。0825_02
 さすがといえば、昨年の有馬記念以来の実戦となったGI馬レッドディザイア。4角で大外に振りまわされながら、直線は一瞬、突き抜けそうな勢いで肉迫。最後はやや鈍ったとはいえ、いやあ、さすが同期ブエナビスタの宿敵だったトップクラスの実力。その片鱗を披露してくれました。秋のGI戦線が楽しみになりました。
 同じ距離を走る天皇賞に出走して来ると、あの牝馬で劇的な札幌記念優勝、そして天皇賞優勝のヘヴンリーロマンスが彷彿されます。騎乗したのは当時の松永幹ジョッキーでした。歴史は不思議な因果関係にあり、再び歴史のヒロインになる可能性があります。