誰よりも大きな雄叫びを上げたGI2連覇の若武者!!
この日、東京競馬場で誰よりも大きな雄叫びを上げた馬上の若武者がいました。10月31日。東京競馬場では中距離の頂点GI「天皇賞・秋」が開催。
その勝者はウイニングランから引き上げる途中で、スタンドに向かい「ヤッター!」と、全身で喜びを表し、真っすぐ右手の拳を天に突き上げたのでした。
彼の名前は横山武史。若干22歳の若武者。皐月賞を制し、この秋は菊花賞もゲット。競馬界で大きく注目されているジョッキー。
3冠馬コントレイルに、GI5勝の女傑グランアレグリア。横綱2頭に挑戦状を叩きつけた3歳エフフォーリア。皐月賞を圧勝し、1番人気に推された日本ダービーで無念のハナ差負け。その悔しさもあって、横山武騎手は誰よりも期するものがあったはずです。
「ダービーのこともあって、初めて嬉し泣きをしてしまいました」と、レース後に恥ずかしそうにコメント。
レースは内から兄の横山和騎手が騎乗するトーセンスーリヤが先頭。これに約束されたように、外からスーッと父の横山典騎手のカイザーミノルがすんなりと主導権。
抜群のスタートを決めたルメール騎手のグランアレグリアが外を3番手。内にはポタジェ。外から並びかけるカレンブーケドール。その背後にエフフォーリア。1番人気のコントレイルは中団のインで折り合いに専念。
前半の5ハロンが60秒5。予想通りスローで流れます。このままの位置取りで各馬4コーナーをまわり直線に入って来ました。
2番手で仕掛けのタイミングを計っていたグランアレグリアが、押し出されるように先頭に立ちかけます。これを待って外から追い出しをかけるエフフォーリアが急接近。その後ろから外に出したコントレイルが猛然と押し上げて来ました。
坂を上がると迫力のある脚で内のグランアレグリアに並びかけ、あっという間に先頭に立ちます。そこへコントレイルが大きなアクションで外から強襲。とは言え、エフフォーリアに並ぶまではいかずグランアレグリアをクビ差捉えるのが精一杯。
時計が1分57秒9。昨年のアーモンドアイが計時した1分57秒8に匹敵。また、レースのラスト3ハロンが昨年と同様33秒6。
キャリアが6戦で5勝。敗れた唯一の2着がダービーのハナ差。なんとも素晴らしい成績を生み出す大器エフフォーリア。おそらく来年は凱旋門賞の声が大きくなりそうな予感がします。
3歳馬の秋の天皇賞制覇は実に19年ぶり。一方で、横山武史騎手の祖父、横山富雄さんは1969年のメジロタイヨウで秋の天皇賞(芝3200m)を優勝。そして、父の横山典弘騎手は2009年のカンパニーで凱旋。3代に渡る天皇賞一家。お見事です。
私の予想も◎エフフォーリア〇コントレイル▲グランアレグリア。3連単で2040円。思い出に残る秋の天皇賞でした。
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混戦菊花賞?!終わってみれば5馬身差の独演会!!
皐月賞馬、ダービー馬が不在。どなたが言ったか混戦「菊花賞」。それが終わってみれば5馬身差の一方的な独演会でした。
第82回の菊花賞の栄冠を手にしたのはタイトルホルダー。鞍上の横山武騎手は満面の笑みで幾度となくガッツポーズを繰り返していました。
最内から約束されていたように楽に主導権を取るはずだったワールドリバイバルの津村騎手が、スタートを切るやいなやビックリするかのように、慌てて手綱を引く予測外の事態。
それはタイトルホルダーの横山武騎手が、ここは絶対先手を取るんだ!と言わんばかりに凄い気迫で外から手綱をしごいて主導権を主張。前半の3ハロンが35秒1。3000mの長距離戦では考えられないようなペースです。この気迫に先行各馬は一緒に行ってはダメだ、とばかり手綱を引きます。
3馬身、4馬身、5馬身と大きなリードを取って逃げるタイトルホルダー。ところが、横山武マジックは1、2コーナーの4ハロン辺りで、ガクンとペースを落とします。12秒台、そして14秒台、13秒台とタイトルホルダーに息をゆっくり入れさせる高等技術。タイトルホルダーも鞍上の手綱に応えます。
3、4コーナーで後続を引き付けたタイトルホルダー。ラストの4ハロンを46秒8、3ハロンが11秒5―11秒4と再加速。最後は流し気味に3ハロン35秒1。後続に5馬身差のワンマンショーでした。
横山武騎手は「1頭だとリラックスして走るので、無理してもハナを譲る気はありませんでした」とコメント。その強い思いが結果的に独壇場の結果に繋がった気がします。
そして「個人的に3000mは少し長いかもと感じていましたが、終わってみれば強かったですね。馬の力を信じてあげられなかった自分が恥ずかしいです」と反省。
直線激しい2番手以下の争いは、ゴール前で抜け出て来た牝馬のディヴァインラブ、その外からオーソクレース、そして一番外からステラヴェローチェが強襲。3頭が馬体を併せるように並んでゴールに入りましたが、オーソクレース、ディヴァインラブ、ステラヴェローチェの順で決まりました。
一方で、期待されたレッドジェネシスは前半から行きっぷりが悪く、最後方近くで展開する厳しい競馬。直線で大外から一瞬、伸びかけましたが最後は前の馬と同じ脚色となってしまいました。
「騎乗した時から苦しい感じが伝わって来ました。前走(神戸新聞杯2着)のダメージが本番で出たのかも知れません」と川田騎手が振り返ります。
42年ぶりとなった阪神競馬場での菊花賞。セイウンスカイから数えて23年ぶりの菊花賞の逃げ切りでした。
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