26発のステッキに応えて圧勝したDマジェスティの衝撃!!
それは、まさかまさかでした。あの大物ロードクエストを破った2戦2勝のハートレー。この1.9倍の断トツ人気馬が、よもやブービーの9着に敗れるとは、誰が考えたでしょうか。
一昨年のイスラボニータ、そして昨年の1、2着リアルスティールにドゥラメンテと、クラシックに直結する重要な一戦、クラシックへの登竜門でもありました。
2戦2勝のハートレーにとっては、2戦目で重賞を手にしたことでもあり、ここは負けられない一戦でもあったのです。それがブービーという大敗。
彼になにがあったのでしょうか。中団の外目を追走。スローペースで各馬一団の展開。ホープフルSでロードクエストを破った強烈なパンチ力が決まるはずでしたが、直線でまったく伸びを欠いて、グンというハミがかからず逆にジリジリ後退。最後は内にささりながら横山典騎手も無理をせず、上位馬から離れた9着。思いもよらない光景に場内のファンは茫然。
稍重馬場でノメっていたようで、パドックから気持ちが乗っていなかったという横山典騎手の敗因。なんとも微妙な納得のいかない結末でした。
レースはリスペクトアースが主導権。私が期待していたイモータルが3番手。その内から2番人気のスマートオーディン。前半の半マイルが47秒9。稍重馬場とはいえスローに近いペース。
後方のインをピッタリと走る6番人気のディーマジェスティ。ラスト800mを残して蛯名騎手のステッキが入ります。直線入り口でも激しくステッキが乱打。直線で逃げたリスペクトアースを楽に捉えたイモータルが先頭に立ちます。ラスト200mを残して余裕綽綽。インから外に出したのがディーマジェスティ。さらに激しく飛ぶ蛯名ステッキ。それに応えてグイグイ伸びるディーマジェスティ。ゴール寸前でイモータルに並んで、これを捉えるとアッサリと抜け出してゴールイン。
ラスト1ハロンは12秒3も要したこともありますが、4コーナー手前から追い出されて、26発もステッキが飛びながら、突き抜けたディーマジェスティ。まさにビックリポンの勝負強さでした。
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未勝利クラスよりも遅いペースに悲鳴を上げた人気馬!!
東京新聞杯は戦前からスローペースが予期されていました。絶対的な逃げ馬が不在。ほとんどが差し追い込みタイプ。このペースを前提に考察することが、今年の東京新聞杯を読み解くカギのようにも思えました。
おそらく、テイエムタイホーが内枠を引いていれば、先手を取ると考えたのですが、皮肉にも大外枠。これで戸崎騎手は主導権を無理に主張しないと思えたのです。ならばマイネルアウラートか、と思いつつ私が◎を打ったのがトーセンスターダムでした。
今回はF・ベリー騎手が騎乗。ところが、このベリー騎手は前日の東京7レースで、勝ったと思ったヴァンキッシュランが、なんと降着で無念の2着。不運といえば不運。2月21日まで騎乗停止の処分。
その運のなさが東京新聞杯のトーセンスターダムにのしかかっていたようでした。2走前のGIマイルCSでは3番手の積極策からフィエロ、イスラボニータ、サトノアラジン、アルビアーノと差のない競馬をしていたのです。それゆえ、ポンと出るとマイルCSと同じように先行策だろう、かなり粘れるはずだと考えたのです。
ところが、不運にも最悪のスタート。ポツンと出遅れてしまったのです。ペースが遅くて馬群の最後尾に取りつくことはできましたが、明らかに致命的な不利でした。
主導権を取ったのが、なんとスマートレイアー。6歳牝馬でデビュー以来、初めての逃げ作戦。
「いやあ、まさか逃げるつもりはなかったですけど、他がなにも来ないので逃げることになっちゃいました」と吉田隼人騎手。
外からテイエムタイホー、中からマイネルアウラート。エキストラエンド、ダイワリベラルが好位をキープ。1番人気のダッシングブレイズは中団のイン。2、3番人気のダノンプラチナ、グランシルクはスタートで後手。
前半3ハロンが36秒0、半マイルが48秒4。良馬場で行われた過去10年で一番遅いペース。1000m通過が60秒6。未勝利クラスよりも遅いような流れ。
こうなると、前に行っている馬にはえらく有利な形。それでも4コーナーまで追い出しを我慢する待機馬。
ペースが上がったのがラスト3ハロンから。11秒2-11秒0。その二枚腰で再加速のスマートレイアー。マイネルアウラート、テイエムタイホー、エキストラエンドが懸命にスマートレイアーを追います。
最内に進路を取ったダッシングブレイズも経済コースを通り接近。エキストラエンド、その外のマイネルアウラートの内からこじ開けるように入って来た時に、内ラチに接触し浜中騎手が飛ばされて落馬。
そんなことは知るよしもなく快調に逃げ脚を伸ばすスマートレイアー。ラスト1ハロンも11秒3でまとめて2馬身差の見事な圧勝劇でした。
2着争いが大混戦。それでも超スローの先行馬ペースでエキストラエンドが2着を確保し、3着にマイネルアウラート。そこへ外からダノンプラチナが猛追し4着。テイエムタイホーが5着。なんと3着から9着まで同タイム。その9着に期待したトーセンスターダム。4角大外をまわりダノンプラチナから猛然と肉薄しました。
「スタートさえ決まっていれば勝ち負けになっていたでしょう」と、ベリー騎手。
思わず私は「ああ・・」という溜め息が漏れてしまうのです。悔しい今年の東京新聞杯でした。
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