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福永・ヴァンセンヌの頭脳プレーで初重賞ゲットのV4!!

016   雨上がりの東京競馬場。馬場は水分を含み稍重馬場のコンディション。この日のメインは注目のマイル戦「東京新聞杯」。

強力な逃げ馬が見当たらず、スローペースが予測されました。馬場コンディションも考えて「スタートがうまく出てくれたら、いい位置で流れにのろう」とヴァンセンヌの福永騎手は考えていたそうです。そうしたら「行きたがって3コーナーまでなだめるのに苦労しましたよ」と福永騎手。

主導権を取ったアンコイルド、2番手にフレイムヘイロー。マイネルメリエンダも2番手で並んでいます。内枠の馬が前で展開。ヴァンセンヌが中団の内。そのあとにシャイニープリンス、タガノグランパと続き、後方にはフルーキーとサトノギャラントが並んでいます。最後方に2頭が追走。内にエキストラエンド、アルフレード。

012 前半の3ハロンが36秒3、半マイルが48秒3と、淡々としたペースで展開して行きます。

4コーナーをアンコイルドとフレイムヘイローが馬体を併せるように直線に入って来ました。流れが遅く道悪馬場のコンディション。中団インを走っていたヴァンセンヌが直線入り口で内から好位に進出。シャウニープリンス、タガノグランパ、外にはサトノギャラントも続きます。

そのあとにはフルーキーと外にアンコイルド。差なくエキストラエンド。直線中ほどラスト400m過ぎに、好位置に進出したヴァンセンヌが間隙を縫うように一気に躍り出て来ました。

  014    010 011 各馬一団。一番外に進路を取ったアルフレード。馬群の最後方にいた1番人気フルーキーが、前が馬群で外に出そうとしても横に他馬がいて、仕方がなく左横の最内に突っ込んでいきました。

そこから大きなフットワークで前のヴァンセンヌを急追します。一歩早めに抜け出したヴァンセンヌ。内からフルーキーがグングン迫って来ました。それ以上に、大外に進路を取った馬場のいいところを通って、アルフレードがグイグイと伸びて肉薄して来ます。

017 013 015 先頭はヴァンセンヌ。内からフルーキー。大外から大きなフットワークでアルフレード。最後の争いはこの3頭。

結局、ヴァンセンヌが外のアルフレード、内から来たフルーキーを振り切って優勝。6歳にして初重賞勝ちとなりました。

スローを読んで中団のインで対応し、4コーナーで好位置に進出。少しくらい早くてもスパートしよう。福永騎手の読みはズボシ。ゴール前で詰め寄られましたが、接戦をモノにしました。

本格化を示す4連勝。ヴァンセンヌには福永騎手の頭脳的プレーが、強力な援軍だったようです。

下馬評通りルージュバックは牡馬を超える逸材!皐月賞は!?

    008 今年のきさらぎ賞は8頭という頭数ながらも、クラシックを意識させる評判馬が揃い踏み。なかでも、牝馬ながらスケールの大きさからクラシックNO1候補と呼び声が高いルージュバックが満を持して登場。

前日に行われた3歳牝馬限定の「エルフィンS 」には目もくれず、強力牡馬陣の「きさらぎ賞」に参戦。人気はうなぎ上りで、初めての京都、右回り、長距離輸送にもかかわらず、当日は1.7倍の断トツ人気。

全身を使ったきれいなフットワーク。理想的な走りをする馬なのです。騎乗した戸崎圭太騎手も、それを把握していてジェンティルドンナ級とも発言。マスコミもそれを受けて“ジェンティルドンナ2世”と評する方もいました。

一方で、このレースには今年の3歳牡馬陣のなかでも、3本の指に入る大器と言われるエアグルーヴ、アドマイヤグルーヴ、ルーラーシップの近親で、父がディープインパクトを持つポルトドートウィユが参上。前走のシクラメン賞では横綱相撲でラスト33秒5の迫力を披露。

そして、この馬を語らずして今年の3歳クラシックは語れないと言われるオルフェーヴルとドリームジャーニーの弟アッシュゴールドも負けまいと出馬。京都の2000mをレコード勝ちしたディープインパクトとキングカメハメハ配合のグリュイエール。 これらを敵に1.7倍と言う圧倒的な人気に支持されたルージュバック。東京の百日草特別で、厳しい位置からレコード勝ちで圧倒。当時の2着がベルーフで、先の中山の京成杯優勝馬。その比較から当然ながら話題の中心でした。

スタートを切りました。強力な同型が不在とあって、ネオスターダムにとっては願ってもない一人旅。ルージュバックは好スタートから楽々3番手。やや掛り気味にレガッタ。そしてポルトドートウィユとアッシュゴールドが並んで5、6番手。最後方にグリュイエール。

003 前半の半マイルが48秒9、1000m通過は61秒6。少し時計を要するコンディションでしたが、それでもこのペースは遅い。4角手前から外を通りポルトドートウィユが3番手のルージュバックに外から並びかけようとしています。 快調に逃げたネオスターダムがラストスパート。それをルージュバックが満を持して追い出し、外のポルトドートウィユの手綱も激しく動きます。

そして、あっという間にネオスターダムに並びかけたと思ったら、あの全身を使ったフォームで一気に抜け出し、後続と勢いが違いました。ゴール前は少し流し気味に2馬身差のワンサイド。ポルトドートウィユが2着。後方からアッシュゴールド、グリュイエール、ムーンクレストがゴール前で肉薄。アッシュゴールドが3着に入りました。

001004 流れがスローになると、着差はそれほど開かないもので、2着のポルトドートウィユから6着のネオスターダムまで0秒4差。それゆえ、ルージュバックの余裕の2馬身差は圧巻。時計は1分48秒6、ラストが最速の34秒4。役者が一枚上でした。

005 春は定番通り桜花賞へのプランを考えているらしいのですが、ゆったりした1800mや2000mを走って来たルージュバック。いきなり激しいマイル戦は?です。牡馬相手でも2000mの皐月賞へ、そしてダービーへ出撃して欲しい気がします。それだけの逸材だと思います。

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