
今年の
きさらぎ賞は8頭という頭数ながらも、クラシックを意識させる評判馬が揃い踏み。なかでも、牝馬ながらスケールの大きさからクラシックNO1候補と呼び声が高い
ルージュバックが満を持して登場。
前日に行われた3歳牝馬限定の「
エルフィンS 」には目もくれず、強力牡馬陣の「
きさらぎ賞」に参戦。人気はうなぎ上りで、初めての京都、右回り、長距離輸送にもかかわらず、当日は1.7倍の断トツ人気。
全身を使ったきれいな
フットワーク。理想的な走りをする馬なのです。騎乗した
戸崎圭太騎手も、それを把握していて
ジェンティルドンナ級とも発言。マスコミもそれを受けて“
ジェンティルドンナ2世”と評する方もいました。
一方で、このレースには今年の3歳牡馬陣のなかでも、3本の指に入る大器と言われるエアグルーヴ、
アドマイヤグルーヴ、
ルーラーシップの近親で、父が
ディープインパクトを持つポルトドートウィユが参上。前走のシクラメン賞では横綱相撲でラスト33秒5の迫力を披露。
そして、この馬を語らずして今年の3歳クラシックは語れないと言われる
オルフェーヴルと
ドリームジャーニーの弟アッシュゴールドも負けまいと出馬。京都の2000mをレコード勝ちした
ディープインパクトと
キングカメハメハ配合のグリュイエール。
これらを敵に1.7倍と言う圧倒的な人気に支持された
ルージュバック。東京の
百日草特別で、厳しい位置からレコード勝ちで圧倒。当時の2着がベルーフで、先の中山の
京成杯優勝馬。その比較から当然ながら話題の中心でした。
スタートを切りました。強力な同型が不在とあって、ネオ
スターダムにとっては願ってもない一人旅。
ルージュバックは好スタートから楽々3番手。やや掛り気味にレガッタ。そしてポルトドートウィユとアッシュゴールドが並んで5、6番手。最後方にグリュイエール。

前半の半マイルが48秒9、1000m通過は61秒6。少し時計を要するコンディションでしたが、それでもこのペースは遅い。4角手前から外を通りポルトドートウィユが3番手の
ルージュバックに外から並びかけようとしています。
快調に逃げたネオ
スターダムがラストスパート。それを
ルージュバックが満を持して追い出し、外のポルトドートウィユの手綱も激しく動きます。
そして、あっという間にネオ
スターダムに並びかけたと思ったら、あの全身を使ったフォームで一気に抜け出し、後続と勢いが違いました。ゴール前は少し流し気味に2馬身差の
ワンサイド。ポルトドートウィユが2着。後方からアッシュゴールド、グリュイエール、ムーンクレストがゴール前で肉薄。アッシュゴールドが3着に入りました。


流れがスローになると、着差はそれほど開かないもので、2着のポルトドートウィユから6着のネオ
スターダムまで0秒4差。それゆえ、
ルージュバックの余裕の2馬身差は圧巻。時計は1分48秒6、ラストが最速の34秒4。役者が一枚上でした。

春は定番通り
桜花賞へのプランを考えているらしいのですが、ゆったりした1800mや2000mを走って来た
ルージュバック。いきなり激しいマイル戦は?です。牡馬相手でも2000mの
皐月賞へ、そして
ダービーへ出撃して欲しい気がします。それだけの逸材だと思います。

